関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

マジカル・アジア(後編)【東京国立博物館 東洋館】

前回に続いて、東京国立博物館 東洋館のマジカル・アジアの後編です。後半は古今東西の仏像などが展示されていましたので、それを中心にご紹介していこうと思います。(この展示は既に終了しています)

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【展覧名】
 マジカル・アジア

【公式サイト】
 http://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=past_dtl&cid=5&id=9217

【会場】東京国立博物館 東洋館
【最寄】上野駅

【会期】2017年9月5日(火)~ 10月15日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【感想】
前回は朝鮮と中国の品々を紹介しましたが、今日は1階のエジプトやイラン、アジア各国の仏教関連の品や、地下の仏像などをご紹介しようと思います。

<1階>
まずは1階。上の階からどんどん階段を下っていく感じで観ています。

「人形棺の顔部分」
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BC1070~BC332年頃の古代エジプトのお棺。目が大きく描かれていて可愛いw 再生した死者の理想の容姿として表現されているそうです。

「彩文土器 馬形リュトン」
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BC1000年頃のイランのリュトン。液体が口から出てくるのかと思ったら背中から入れて足先の穴から出てくる作りなのだとか。

「兜率天上の弥勒菩薩」
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2~3世紀頃のパキスタンの仏像で56億7000万年後に兜率天から救済に現れる弥勒を表現したもの。彫りの深い顔立ちが日本と異なる雰囲気です。

「仏伝 誕生」
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3世紀頃のパキスタン・ガンダーラの仏像。小さいのが仏陀かな? 動きのある表現が生き生きしています。

「観音菩薩立像」
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中国の随時代(585年)に作らえた仏像。元々は三尊像だったようで、そのうちの1つはイギリスの大英博物館にもあるそうです。穏やかな顔と滑らかな体躯が特徴的でした。

<地下>
続いて地下の展示。

「ナーガ上のガルダ」
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カンボジアのアンコール時代(12~13世紀)の品で鷲の頭に人間の身体のガルダを表しています。下段はナーガで、コブラみたいな蛇の頭かな。元々、最下段と上の2段は別のものだったと考えられているようです。

「ナーガ上のブッダ坐像」
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こちらもカンボジアのアンコール時代(12世紀)の仏像。カンボジアはナーガ信仰が篤いようで、これは仏陀を雨風から守っている様子が表されています。

続いてチベット仏教の特集コーナー。

「チャクラサンヴァラ父母仏立蔵」
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サンヴァラ・タントラの本尊で、四面で十二本の腕を持っている姿で表されています。装身具の豪華さやポーズも含めて緻密で迫力がありました。

この後、いくつか中国の清時代(17~18世紀)の北京で作られた官製の仏像が並んでいました。

「仏頂尊勝母坐像」
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陀羅尼という呪文を仏格化したもので、女性の仏(仏母)の姿で表されています。手や身体に女性っぽさがあるかな。ちょっと日本では観ないタイプかも。

「白色ターラー菩薩坐像」
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こちらは観音菩薩のターラー(瞳)から生まれた女神の像。こちらもくびれた体躯が優美な雰囲気で、軽やかな印象を受けました。ターラー像はいくつか種類があるそうで、白色は延命長寿や無病息災を司るとのこと。

「八臂十一面観音菩薩立像」
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日本の十一面観音と違って縦に顔が連なっているのが凄いw 

「六臂マハーカーラ立像」
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日本では大黒天と呼ばれるマハーカーラ。シヴァ神の別名の1つで、第三の目があります。髪が逆立って恐ろしい形相です。

「馬頭尊立像」
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日本では馬頭観音として有名ですが、本来は憤怒尊の1つだそうです。頭に馬を乗っけている以外はだいぶ印象が違う…。

「ヴァジュラバイラヴァ父母仏立像」
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抱き合いながら憤怒の形相を浮かべる仏像。沢山の腕が羽根のようで迫力があります。

奥の部屋では呪術的な品々などが並んでいました。

「精霊の仮面」
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こちらはパプアニューギニアの仮面で、こう見えて20世紀の品です。口元がちょっと笑っているのが特徴だそうです。

「クリス」
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これは17~18世紀のインドネシアの霊剣で、神秘的な力があると信じられているそうです。現代でもインドネシアの結婚式の正装としてこうした剣を携帯するそうです。

他にも日本の藁人形や霊幻道士で出てきた銭剣などもありましたw


ということで、今回はいつも以上に豪華な品々を観ることができました。特に仏像のコーナーは面白かったです。この展示はもう終わってしまいましたが、今後も出品される機会があると思いますので、また出会える機会を楽しみにしています。

 参考記事:
   東京国立博物館の案内 【建物編】
   東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
   東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
   東京国立博物館の案内 【2009年08月】
   東京国立博物館の案内 【2009年10月】
   東京国立博物館の案内 【2009年11月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】 その2
   東京国立博物館の案内 【2010年02月】
   東京国立博物館の案内 【2010年06月】
   東京国立博物館の案内 【2010年11月】
   博物館に初もうで (東京国立博物館 本館)
   本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2011年02月】
   東京国立博物館の案内 【2011年07月】
   東京国立博物館の案内 【2011年11月】
   博物館に初もうで 2012年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館140周年 新年特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2012年03月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放 2012】
   東京国立博物館の案内 【2012年11月】
   博物館に初もうで 2013年 (東京国立博物館 本館)
   東洋館リニューアルオープン (東京国立博物館 東洋館)
   東京国立博物館の案内 【2013年04月】
   東京国立博物館 平成25年度 秋の特別公開 (東京国立博物館)
   東京国立博物館の案内 【2013年12月】
   博物館に初もうで 2014年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2017年08月】
   東京国立博物館の案内 【2017年09月】
   マジカル・アジア(前編)【東京国立博物館 東洋館】
   マジカル・アジア(後編)【東京国立博物館 東洋館】



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評価




マジカル・アジア(前編)【東京国立博物館 東洋館】

前回ご紹介した展示を観た後、同じ東京国立博物館の敷地にある東洋館で常設を観てきました。今回は「マジカル・アジア」というタイトルが付けられ、特別な品々が並んでいました。既にこの展示は終了してしまいましたが、かなり多くの写真を撮ってきましたので、前編・後編にわけてご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 マジカル・アジア

【公式サイト】
 http://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=past_dtl&cid=5&id=9217

【会場】東京国立博物館 東洋館
【最寄】上野駅

【会期】2017年9月5日(火)~ 10月15日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【感想】
東洋館に行く時はいつもエレベーターで最上階に行って、そこから下っていく感じで観ています(階段を登るのが大変だからですw) 今回もその順で観てきたので、今日は朝鮮半島と中国の品々をご紹介していきます。(一部、マジカルアジアの企画ではないいつも通りの常設品も混ぜてご紹介しています)

<朝鮮半島>
完全に逆走して観ているので、どんどん時代を遡っていく感じで並べています。

「青花鶴亀文壺」
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これは19世紀の品なので割と最近のもの。ゆるキャラみたいな鶴が可愛いw 朝鮮の工芸はこういう緩い感じのものが多い気がする

「角杯」
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これは5~6世紀頃の新羅の品。北方の騎馬民族からの影響がみられるようで、馬に乗る時は背負って携帯し、誓いの儀式などで使われたのだとか。 隣には珍しい角杯台というものも展示されていました。

「透彫飾履」
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これも6世紀頃の品。こんな金属の靴を履けるのか?と思いましたが実用品ではなく葬送儀礼で使うものだったようです。

「緑釉博山炉」
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こちらは1~3世紀頃の品。山の形が面白いですが、炉なので穴が開いているところから煙が出るのかな。色も綺麗です。宇治抹茶のかき氷みたいw

「獣文飾板」
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BC3~1世紀頃の鎧の一部ではないかと考えられている品。鹿の絵などは原始的な感じがしますが、細かい文様などは高い青銅器加工技術を感じさせます。


<中国>
続いて中国です。今回は特に唐三彩や堆朱などの彫り物がいつも以上に気合が入ってたラインナップでした。

「童子存星方勝形合子」
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明時代の品(1522~66頃)で、「方勝(ほうしょう)」というのはこの菱形を重ねた感じの形のことで、吉祥を表すそうです。形も面白いですが、子供が遊ぶ様子が描かれていて可愛らしい。

「春字八宝彫彩漆合子」
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18世紀の清の時代の品。めっちゃ春を祝っている感がありますw 龍や珊瑚といった縁起のいいモチーフもあり、春の字の中央の円形の中にいるのは南極老人なのだとか。

この辺には堆朱で出来た如意や、花形の堆朱盆などもありました。

「白玉馬上封侯書鎮」
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19世紀の清の時代の品。馬にしがみつく猿が可愛いのでマスコット的に見えますが、これには中々深い意味があるようです。馬上は中国語で「まもなく」を意味し、猿を表す言葉の発音が侯に近いことから、「間もなく侯に封ぜられる(領土を貰って諸侯になる)」という意味が込められているのだとか。

「瑪瑙石榴」
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こちらも19世紀の清の時代の品。まるで本物のザクロのように見えるのが驚きですが、これは瑪瑙の中にルビーのツブツブを象嵌して作っているようです。間違って食べそうなくらいリアルw

左:金大受「十六羅漢図軸(第六尊者)」 右:金大受「十六羅漢図軸(第十五尊者)」
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いづれも12世紀の南宋時代の仏画師 金大受によるもの。穏やかな雰囲気で、虎も龍もちょっとゆるキャラ風w 寧波で描かれたこうした品は、この時代日本にも多くもたらされたそうです。

この近くにあった南宋時代の千手観音図も見事でした。

伝 劉俊「寒山拾得蝦蟇鉄拐図軸」
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16世紀の明時代に描かれた4枚セットのうち、こちらは寒山拾得を描いたもの。巻物を持つのが寒山、箒を持つのが拾得で、この2人は日本画にもよく登場するモチーフです。とにかく浮世離れしているのでちょっと危ない笑顔をしてるのも特徴ですw

フロアを移動し、唐三彩の特集コーナーへ。途中の廊下ではアジアの様々な占いなども体験できます(これは常設)

「三彩蓮弁文瓶」
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9~10世紀の唐の末期か五代時代ころの品で、ちょっと唐三彩のピークより後に作られたらしく唐三彩とはやや趣が異なるようです。釉薬が勢いよく流されている所あたりが違いなのだとか。現代アートのような色彩感覚です。

「三彩印花鴛鴦文枕」
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8世紀の唐の時代の枕で、夫婦円満の意味を持つ鴛鴦と子孫繁栄の意味を持つ蓮を組み合わせています。1000年以上前の品とは思えないほどの鮮やかさです。

「三彩杯・小壺・盤」
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こちらも8世紀の唐の時代の品。三彩の典型的な色合いで、ちょっと素朴だけど気品もあるのが面白い。

「三彩馬」
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こちらも7~8世紀の唐の時代の品。非常によく出来た陶器の馬ですが、予想通りお墓に埋める葬送用とのことでした。


ということで、今回はいつも以上に良質なコレクションが展示されていました。この後もさらに見応えある品々がありましたので、次回は他のアジア諸国の品をご紹介しようと思います。

 参考記事:
   東京国立博物館の案内 【建物編】
   東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
   東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
   東京国立博物館の案内 【2009年08月】
   東京国立博物館の案内 【2009年10月】
   東京国立博物館の案内 【2009年11月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】 その2
   東京国立博物館の案内 【2010年02月】
   東京国立博物館の案内 【2010年06月】
   東京国立博物館の案内 【2010年11月】
   博物館に初もうで (東京国立博物館 本館)
   本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2011年02月】
   東京国立博物館の案内 【2011年07月】
   東京国立博物館の案内 【2011年11月】
   博物館に初もうで 2012年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館140周年 新年特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2012年03月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放 2012】
   東京国立博物館の案内 【2012年11月】
   博物館に初もうで 2013年 (東京国立博物館 本館)
   東洋館リニューアルオープン (東京国立博物館 東洋館)
   東京国立博物館の案内 【2013年04月】
   東京国立博物館 平成25年度 秋の特別公開 (東京国立博物館)
   東京国立博物館の案内 【2013年12月】
   博物館に初もうで 2014年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2017年08月】
   東京国立博物館の案内 【2017年09月】


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評価




フランス人間国宝展 【東京国立博物館 表慶館】

2週間ほど前の土曜日に上野の東京国立博物館 表慶館で「フランス人間国宝展」を観てきました。

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【展覧名】
 フランス人間国宝展 

【公式サイト】
 http://www.fr-treasures.jp/
 http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1866
 http://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/category/90/

【会場】東京国立博物館 表慶館
【最寄】上野駅

【会期】2017年9月12日(火) ~11月26日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
結構お客さんがいましたが、快適に鑑賞することができました。

さて、この展示はフランスの人間国宝についてということで、フランスの匠たちによる多岐に渡る工芸品が並ぶ内容となっています。そもそもフランスにも人間国宝っているんだ??という疑問があったのですが、これは日本の人間国宝の制度に倣って「メートル・ダール」という呼称で1994年に制定されたそうです。今回はそうした13名のメートル・ダールと2名の「手の賢さに捧げるリリアンヌ・ベタンクール賞」受賞者を表慶館の8つの部屋で紹介していましたので、各章ごとに展示の様子を簡単に振り返ってみようと思います。


<第1室 陶器>
まずは陶器のコーナーで、ジャン・ジレルという匠の作品が並んでいました。フランスの陶芸と聞いてロココ調のものを想像したのですが、実際には天目茶碗そのものと思えるものが部屋いっぱいに並んでいました。油滴天目みたいに輝く斑紋があるので、釉薬にも相当精通していると思われます。それが沢山あるのだから初っ端から驚きの光景です。また、風景の絵付けをした皿などもあり、これまたアジア風となっていました。

<第2室 鼈甲細工、革細工、金銀細工>
こちらは鼈甲細工のクリスティアン・ボネ、革細工のセルジュ・アモルソ、金銀細工のロラン・ダラスプという3人の匠の作品がありました。
まず鼈甲のクリスティアン・ボネは眼鏡や剣、照明などが並び、特に眼鏡が面白かったです。イブ・サンローランやル・コルビュジエの眼鏡を復刻したもので、ちょっとデザインは古めでしたが、鼈甲が洒落た感じでした。
革細工のセルジュ・アモルソは「クフ王」というタイトルの台形のバッグが10点程度並んでいます。名前の通り、クフ王のピラミッドから着想を得たようで、様々な素材で作られています。クロコダイル、山羊、トカゲなど、それぞれの色や素材感も面白かったです。
金銀細工のロラン・ダラスプは今回のポスターにもなっているチューリップの形のグラスもありました。他にも水注やゴブレットなどいずれも優美な曲線で表現されていて現代的なデザインとなっていました。

<第3室 麦わら象嵌細工、壁紙、真鍮細工>
続いては2階に移動し、3室には麦わら象嵌細工のリゾン・ドゥ・コーヌ、壁紙のフランソワ=グザヴィエ・リシャール、真鍮細工のナタナエル・ル・ベールという3人の匠の作品がありました。
まず麦わら象嵌細工のリゾン・ドゥ・コーヌは、麦わらの作品なんて何処にも無いぞ??と探していたら、金属的な質感に仕上がったサイドボードのような「ルクソール」という作品が1点のみありました。麦わら象嵌細工は17~19世紀に廃れてしまったそうですが、蘇ったこの作品では幾何学的な模様の仕上がりが非常にモダンで洗練されていました。
次に壁紙のフランソワ=グザヴィエ・リシャールについては、この部屋の壁全体に垂れ幕のように掛っています。和紙で出来ていて、透かしで花の模様を表現しているので可憐な印象を受けました。手摺り木版壁紙は20世紀半ばに廃れたそうですが、こちらも見事に蘇っていました。
真鍮細工のナタナエル・ル・ベールはどこかエキゾチックな作風で、いくつかのテーブルなどが並んでいます。脚の部分がそろばんの玉のようになっていたり、面白いデザインです。また、先程の麦わら象嵌細工とのコラボのテーブルもあり、これがこの部屋で最も見どころかな。この作品でも麦わらと言われても分からないくらい緻密で重厚感のある仕上がりになっていました。

<第4室 傘、扇>
続いては傘のミシェル・ウルトーと、扇のシルヴァン・ル・グエンの2人の匠の部屋です。
まず傘のミシェル・ウルトーは様々な形の傘がズラりと並んでいます。シルクやサテン、コットンなど様々な布地を使い個性的な形をしていて、縁が反り返っているような変わった傘もあります。一方で、貴族的な優美さもあり、金や真珠、黒檀なども使われた高級感ある仕上がりとなっていました。この辺は王朝時代の華やかさを思わせます。
同じく扇のシルヴァン・ル・グエンも優雅さ溢れる作品が並びます。こちらも紙だけではなくシルクや羽のようなものを使い、形も様々です。豪華なだけならそれほど驚かないのですが、特に面白かったのが折り紙から着想を得たもので、飛び出す絵本のような立体的な構造になっていました。日本の人間国宝と同じように伝統の継承と新しいチャレンジが同時に存在する感じが素晴らしいです。

<第5室 折り布>
こちらはプリーツ(折ひだ)のピエトロ・セミネリの作品が並んでいました。中央には鱗のような折り目がついた10mほどもある作品があり、特に目を引きます。1つ1つ丹念に布地に折り目をつけているそうで、その仕事ぶりの丁寧さと緻密な計算に驚きます。幾何学的な折り目からは折り紙に似たものを感じました。

<第6室 銅板彫刻、紋章彫刻、エンボス加工(ゴフラージュ)>
こちらは銅板彫刻のファニー・ブーシェ、紋章彫刻のジェラール・デカン、エンボス加工のロラン・ノグの3人の匠の作品が並んでいました。
まず銅板彫刻のファニー・ブーシェはエリオグラビュールという版画技法を用いた白黒版画が並び、いずれもざらついた質感となっています。また、銅板自体を侍の鎧のように組み合わせた作品もあり、ちょっと意外な感じでした。(日本で開催されているせいかこの展示の作品には日本的な要素が割とあります)
紋章彫刻のジェラール・デカンは金の柱のような印章があり、側面に動物がぎっしり彫り込まれています。それを陶器に転がして転写した作品もありエジプトの壁画のように見えるのが面白かったです。他にも浮き彫りで馬や鳥などを表した作品などもありました。
もう1人、ロラン・ノグの作品で用いられるエンボス加工とは凹凸のある紙を使った表現のことで、歪んだ立方体が波打つような幾何学的な立体作品などがありました。この人の作品を観ていると、紙自体の素材の可能性がまだまだあるように感じられるのが面白かったです。

<第7室 羽根細工>
再び1階に戻ってきて、7室は羽根細工のネリー・ソニエのコーナーです。この人は無数の羽根を使って様々なものを表現しているのですが、「ドラゴン」という作品ではまさに龍の顔を茶色の羽根を使って表現するなど、面白い発想です。しかし一番の驚きは樹木を表現した作品で、花と葉っぱの部分に羽根が使われているにも関わらず、間近で観ても本物の花や葉に見えました。これは他の鑑賞者たちも一様に驚きの声をあげていました。
また、会場を出ると各人間国宝たちのメイキング映像を観られるのですが、この人は普段から沢山の羽根を色ごとに分別して保存しているようで、そちらも興味深かったです。

<第8室 ガラス>
最後はガラスのエマニュエル・バロワの作品が1点だけあります。ガラスでできた板が無数に並んで波を表現していて、うねった動きを感じさせます。また、曲線のためかガラスという硬い素材にも関わらず柔らかい印象を受けました。


ということで、全く未知の世界でしたが素晴らしいデザインを楽しむことができました。フランスならではの感性がありつつ、ちょいちょい日本との関係性も感じさせるのも良かったです。 同じ東博の平成館では運慶展という素晴らしい展示もやっていますが、こちらも良い展示なので、せっかく行くなら合わせて観るのも良いかと思います。
 参考記事:運慶 (東京国立博物館 平成館)


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評価




twitterリニューアル

今日はちょっと帰りが遅かったので簡単な宣伝?です。
今までもブログを更新するとFC2からtwitterに自動的に投稿される設定をするようにしていたのですが、twitterにあまり興味がなかったので完全に放置していました。 プロフィール画像とかも全く無くそっけない感じで、頂いたメッセージも数年放置してしまい…。(SNSはフォローしたりフォロワーを増やすのが下手なので、面白味がよく分からないのです)

しかし久々にブログのアクセス状況を見たらフォロワーが全然いないのにtwitterから来るお客さんが結構多いことが分かって、色々申し訳ないと思い、先週あたりからちょこちょこと記事にするほどでも無いことも呟きはじめました。ついでに今日見た目もリニューアルしました。

こちらです
 https://twitter.com/21stcenturyxxx

ブログを書くだけでも手一杯ですが、今後は日常で見つけたアート関係のことやニュース等も呟いていこうと思います。最近、音楽仲間が周りにいなくなってしまって語る相手がいないので、音楽についても呟いてみようかなと。

たまに見て頂ければ幸いです。PC用のプロフィールにリンクを追加しておきました。


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評価




前略ディープインパクト様 ~関係者からDEEPへの手紙~ 【JRA競馬博物館】

前回ご紹介した府中市美術館の展示を観た後、東京競馬場に移動して毎日王冠を観てきました。そのついでに場内にあるJRA競馬博物館で「前略ディープインパクト様 ~関係者からDEEPへの手紙~」という展示を観てきました。(今回は競馬を知っている人向けの記事になります。美術とはあまり関係ないですが、馬は生きた芸術だし関東の観光地ということでw)

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【展覧名】
 前略ディープインパクト様 ~関係者からDEEPへの手紙~

【公式サイト】
 http://www.bajibunka.jrao.ne.jp/keiba/event/event_20170922.html 

【会場】JRA競馬博物館
【最寄】府中競馬正門前駅

【会期】2017年10月7日(土)~11月26日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
意外と混んでいて多くのお客さんで賑わっていました。ディープの人気は10年以上経っても衰えていないようです。

さて、このJRA競馬博物館は競馬に関する展示や発馬機体験などがあるのですが、今回は日本の競馬史上最強格の1頭に数えられるディープインパクトに関する特別展をやっていました。競馬を知っている人ならディープインパクトの功績はご存知かと思いますが、改めてその偉業を称える内容となっていました。この展示は写真を撮ることができましたので、写真を使ってご紹介しようと思います。

 参考リンク:
  ディープインパクトの成績

 参考記事:
  JRA競馬博物館とジャパンカップ
  毎日王冠 【東京競馬場の案内】

今回のタイトルになっているようにこんな感じでディープへの手紙という形でコメントが寄せられています。
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これは池江調教師。勿論、武豊騎手や吉田勝己氏などのコメントもあります。ちょっと意外だったのがルメール騎手のコメントもあって、何でだろ?と思ったら唯一の国内での黒星をつけたハーツクライに騎乗していたのがルメールだったからのようでした。その時の有馬記念は実際に観に行ってましたが、騒然としていたのをよく覚えています。

まあ、コメントだけ読んでもそれほど面白くないですが、ディープの使った品々なども展示されていました(一部はレプリカ)

こちらは厩舎プレート。デビュー前は兄ブラックタイドと異なるマイラータイプの華奢な馬なんて評価もありました。
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余談ですが、私は仲間内で20年以上POGをやっていて、ウインドインハーヘアの子はレディブロンドもブラックタイドも指名していたのに、肝心のディープはブラックタイドの活躍を観た友達連中とのドラフト1位競合になり、あみだクジで負けて取られるという苦杯の思い出が…w それが最近になってブラックタイドの子がディープの子たちを抑えて天下を取ったのだから競馬というのは本当に面白いものです。

こちらはジャパンカップの時の蹄鉄
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ディープは蹄が薄かったので、釘を打たない特殊な蹄鉄でした。

こちらは三冠達成(菊花賞優勝時)の武豊騎手のブーツ。
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菊花賞を友達と京都まで行って観たのを思い出しながら観ていました。単勝100円元返しの馬券を買った覚えがw

これは勝負服の複製で武豊のサイン入り。金子真人ホールディングスの服です。
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金子オーナーはその後も大活躍で、POGには金子作戦(金子オーナーの馬を指名しまくる)という作戦もあるくらい凄い馬主です。

こちらはジャパンカップ優勝時の帽子。
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緑の6枠6番でした。このレースも観に行った記憶が。(私にとっては指名馬ハーツクライを応援していてブービーだった記憶ですがw しかもラストランになった)

三冠レースの優勝レイ(多分レプリカ)
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全部観に行ったので、これから先もずっと自慢できますw 三冠馬はその後も出ましたが、無敗の三冠馬はそうそう出ないと思います。

他にも鞭とか鐙とか様々な品も展示されていました。

こちらはディープの写真。
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猫と仲良しだったそうで、微笑ましい光景。

最後のコーナーにはディープの種牡馬としての活躍を伝えるボードなどもありました。

ということで、ディープインパクトの思い出に浸りながら観てきました。当時から競馬を観ていた人ならディープの思い出を持っていると思いますので、観ていると色んなドラマが蘇って来ると思います。この後、殿堂馬のコーナーなども観てきました。競馬好きなら一度は訪れたい博物館です。

おまけ:
せっかくなので毎日王冠で撮ってきた写真。

この日、1番人気だったソウルスターリング。
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3歳牝馬で毎日王冠1番人気は流石にどうか?と思いましたが、案の定8着に沈みました…。

こちらは2番人気のマカヒキ。
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凱旋門賞でボロ負けしてから勝ち星から遠ざかっていますが、流石に入着くらいするだろうと思って買ったのに…w 見せ場もない6着w

こちらは3番人気で勝ち馬となったリアルスティール。
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休養明けで前走もイマイチだったけどデムーロだったので抑えておきましたw 3連複の3着を拾ってなかったので馬券は外しましたw

レースシーン。
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新しく買ったレンズを使ったけど、流石に遠くて早かったのでブレてしまった。

12Rの後、全国ポニー競馬選手権「ジョッキーベイビーズ」というイベントをやっていました。
DSC_0187_enc_20171017225126645.jpg
文字通りポニーに乗った小学4年生から中学1年生の騎手の卵たちのレースなのですが、ポニーが予想以上に早くて驚きました。騎手も闘志溢れる追い方でベイビーなんてもんじゃなかったです。
 参考リンク:http://www.jra.go.jp/news/other/jb.html

おまけ2:
この日、京王府中駅周辺では色々な所でジャズのコンサートをやっていました。
DSC_0044_enc.jpg
あちこちの街角でやっていたのでいくつか聴いてきました。2006年からやってるみたいなので、来年以降もやってるのかも??
 参考リンク:http://jazzinfuchu.net/


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