関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

雪村-奇想の誕生 【東京藝術大学大学美術館】

この展示は5/14に観てきました。この記事を書いている時点で既に終了していますが、滋賀のMIHO MUSEUMに巡回予定(2017年8月1日(火)~9月3日(日))のため、ご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 雪村-奇想の誕生

【公式サイト】
 http://sesson2017.jp/

【会場】東京藝術大学大学美術館
【最寄】上野駅

【会期】2017年3月28日(火)~5月21日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
この展示は15年ぶりに行われる雪村周継の大回顧展となっています。キャッチコピーに【「ゆきむら」ではなく「せっそん」です。】とわざわざ書いてあるのが面白いですが、日本美術史の重要人物でありながらあまり展覧会でも観る機会が少なく、一般的には知名度が低いのかもしれません。今回はそんな貴重な雪村の主要作品が一挙に100点近くあり、さらにそれを追った絵師たちへの影響なども取り上げていました。

雪村について簡単に説明すると、1489~92年頃に常陸国部垂で誕生したと言われ、近くの常陸太田の正宗寺(夢窓疎石が開山)に10代で入寺して修行していたそうです。その後はよく分かりませんが、50代で常陸を出て会津に向かい、蘆名盛氏に絵画の鑑賞法を伝授したそうです。その後、栃木の鹿沼の今宮神社に「神馬図」を奉納したり、佐野・足利を回ってから鎌倉・小田原に向かい、そこでも作品を残しています。 60代半ばは奥州を中心に活動。最晩年の80代は三春田村氏の庇護を受けて福島の郡山あたり(三春)で活動し、86歳で瀟湘八景図屏風を描くなど割りと長生きしていたようです。名前に「雪」が入っていることからも雪舟をリスペクトしていたようですが、雪舟のように中国に渡ったわけでもなく作風が似ているわけでも無いかなw

展覧会は入ってすぐに「欠伸布袋・紅白梅図」が展示されていて、その前には尾形光琳の「紅白梅図屏風」(MOA美術館のやつ)の垂れ幕がかかっていました。これは雪舟の「欠伸布袋・紅白梅図」の構図を江戸時代の尾形光琳が模して「紅白梅図屏風」を描いたのではないか?という説に基づいたもので、確かに言われてみれば布袋の部分が川になっているものの紅白梅は重なる部分があったように思えます。そもそもの紅白梅を両脇に置く着想はそのものと言って良さそうだし、尾形光琳は雪村を熱心に研究していたようなので、この説の妥当性は高いように思いました。そう考えると、江戸時代の美術の代名詞ともいえる琳派も元を辿れば雪村からの影響もあったのだなと感慨深いものがあります。

その後は時代順に観ていく流れで、奇想天外な作品が並びます。特に代表作の「呂洞賓図」や「琴高仙人・群仙図」「龍虎図屏風」などはファンタジーの世界なのにリアルで、存在感があります。首がもげそうなほど上を向いていたり、鯉に乗ったり、龍と猫みたいな虎が相対していたりと、どれも奇妙なのに愛らしく、一方で緊張感が漲る不思議な面白さがあります。龍なんかは雪村の描いたものがスタンダードとなって、後世の絵師が真似している様子なども展示されていました。
しかし、雪村の凄さはそれだけでなく、猿や馬など動物を描くとゆるキャラ的な可愛さがあり、これがまた面白い(特に神馬図の馬) 単純に可愛いだけでなく、背景との相似形を描くなど絵としての完成度も高く驚くばかりでした。勿論、風景画や人物画も手がけていて、人物画では顔は細かく描かれている一方で衣などは太く流麗な線で大胆に描くなど、1枚の絵でも表現に大きな差があります。風景画においては、風や波の表現が特に面白く、臨場感あふれる表現が見事でした。
展覧会の最後のあたりでは割りと近代の画家(橋本雅邦や狩野芳崖など)への影響なども観ることができました。これだけ影響力があったのにあまり知られていないのは勿体無いとしか言いようがないw

ということで、本当に自由闊達な画風を凄腕で描く絵師でした。関東ではもう終わってしまいましたがこれから始まる関西の方にオススメしたい展示です。


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評価




「福ねこ at 百段階段」 ~和室で楽しむねこアート~ 【目黒雅叙園 百段階段】

この展示は5/5に観ました。この記事を書いている時点で既に終了していますが、写真も撮れたのでご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 「福ねこ at 百段階段」 ~和室で楽しむねこアート~

【公式サイト】
 http://www.hotelgajoen-tokyo.com/event/hyaku

【会場】目黒雅叙園 百段階段
【最寄】目黒駅

【会期】2017年4月26日(水)~ 5月14日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_4_⑤_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
こちらは目黒雅叙園の百段階段で開催されたもので、前回ご紹介した目黒区美術館の後に目黒川沿いに散歩してハシゴした感じです。
1部屋に1人くらいずつ9人のアーティストの猫をテーマにした作品が並び、多くのお客さんで混み合っていました。詳しくは1人ずつ写真を使ってご紹介しようと思います。

もりわじん
この方は立体作品でコミカルな感じの可愛い猫が多かったかな。
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この部屋には365日の誕生日猫が並んでいました。私の誕生日の猫も喜んでるような顔していて可愛かったw

小澤康麿
この方は浮世絵を立体化した陶芸作品で知られるそうで、歌川国芳の作品を元にした作品が並んでいました。
これは「見立東海道五拾三次岡部 猫石 由来」かな
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化け猫なのに可愛いw

これは「猫飼好五十三疋」
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どの猫がどの宿場か分かる人は凄いかもw 

川上けいすけ
この方の作品は日本古来の雅さと現代性が合わさった感じでした。
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石渡いくよ
この方は球体関節人形の猫たちが並んでいました。これは必殺仕事人
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1人あくびしてますw

もりわじん
ここで再度もりわじん氏の猫。
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神仏を模した猫たちが無数にありました。

松風直美
この方は切り絵アーティスト。
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悪戯っぽいけど愛嬌のある猫がたくさんいました。

なかむらじん
この方は有名な絵をモチーフにした作品を作っているようです。ボッティチェリのヴィーナスの誕生と伊藤若冲の旭日鳳凰図かな?
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猫もちっちゃく左のほうに入ってます。

石黒亜矢子
この方の作品は木彫りの小さな猫たちでした。
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彫ったあとが残っていてハンドメイドの温かみがありました。

はしもとみお
この方の作品は少なめでしたが、怖いような可愛いような絵画作品でした。
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アクセント
この方はジャンプしている猫など猫拳法のようあ躍動感のある猫の写真が並んでいました。
(写真を写真で撮るのはやめておきました)


ということで、猫づくしの展示となっていました。猫の可愛さや悪戯っぽさ、野性味、神秘性など様々な面を取り上げている作品が多かったと思います。
ちなみに猫グッズもかなり充実していて、多くのお客さんで混み合っていました。人気だったのでまたやって欲しいですね…。


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評価




燕子花図と夏秋渓流図 【根津美術館】

この展示は5/3に見てきました。この記事を書いている時点で既に終了しています。

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【展覧名】
 燕子花図と夏秋渓流図

【公式サイト】
 http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/past2017_n03.html

【会場】根津美術館
【最寄】表参道駅

【会期】2017年4月12日(水)~5月14日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
GWで庭の花も見頃となっていたこともあり館内も結構混み合っていましたが、大型の作品がメインということもあってそれほど気になりませんでした。

さて、この展示は例年この時期に行われている尾形光琳の「燕子花図屏風」に関するもので、今回は鈴木其一の「夏秋渓流図屏風」と共に展示するという企画でした。内容としては伊年印(俵屋宗達の工房作)から琳派の流れを辿りつつ、メインの2点の周辺や同時代の作品を並べていました。
まず尾形光琳の「燕子花図屏風」は毎年観ていますが、何度観ても新しい発見があります。デザイン的で装飾的な雰囲気で反復を使ってる一方で、写実的な観察眼もあり、配置のリズムや伊勢物語からの着想など奥深いエピソードが満載です。今回じっくりと近くで観てると意外と傷んできているのが少し気になる…。非常に素晴らしい作品なので長く後世に残っていって欲しいものです。
続いて其一の「夏秋渓流図屏風」ですが、これもよく目にする機会のある作品であるものの毎回色彩の強さに驚かされます。ちょっとドギツいくらいの青と緑や、ウネりなど雅さというよりはシュールな方面に進んでいる感じすら受けますw 描写についても其一は中国からの影響もあるので師匠の酒井抱一の洒脱な雰囲気とはだいぶ違うと思っています。(なので、私はあまり好みではない)
他の作品は中村芳中など琳派の流れの絵師もいましたが、谷文晁などの文人画など同時代の他の系統などもありました。

ということで、元々私は光琳大好きな一方で其一はそれほどでもないので、今回の感想もそのままのものとなりましたw しかし両作品とも見栄えがするので、今後の展示でもまた話題になると思います。

展覧会を見る前に、根津美術館の見どころである庭も散策してきました。

こちらは藤。
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時期がズレてるかもと思いましたが丁度見頃でした。


そして、やはり目を引くのはカキツバタ!
DSC00597.jpg
毎年この時期に光琳の燕子花図屏風を展示するのはこれに合わせているためです。


アップ。
DSC00607.jpg
この日は天気も最高で、非常に綺麗でした。
もう展示も終わってしまいカキツバタの時期も過ぎつつありますが、ここでは毎年同じ時期に似た展示をやるので見逃した方は来年以降を楽しみにされるとよろしいかと思います。


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