関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

近代の京焼と京都ゆかりの絵画―受け継がれるみやこの美― 【泉屋博古館 分館】

10日ほど前の日曜日に、六本木一丁目の泉屋博古館 分館で「近代の京焼と京都ゆかりの絵画―受け継がれるみやこの美―」を観てきました。この展示は前期・後期に分かれているようで、私が観たのは前期でした。

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【展覧名】
 近代の京焼と京都ゆかりの絵画―受け継がれるみやこの美―

【公式サイト】
 http://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html

【会場】泉屋博古館 分館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】六本木一丁目/神谷町


【会期】
 前期:2012年4月14日(土)~5月13日(日)
 後期:2012年5月15日(火)~6月17日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_5_満足

【感想】
空いていてゆっくり観ることができました。さて、今回の展示は住友コレクションの中から京都の近世~近代の焼き物と絵を集めた内容となっています。京都の雅な文化を感じさせる作品が並んでいましたので、詳しくは気に入った作品を通じてご紹介しようと思います。
 参考記事:
  三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る 前期 感想前編(府中市美術館)
  三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る 前期 感想後編(府中市美術館)


<第1章 典雅の世界>
まずは昔からの伝統を感じさせる作品が並ぶコーナーです。いくつか細かいコーナーに分かれていました。

<みやこのにぎわい>
「二条城行幸図屏風」 ★こちらで観られます
六曲一双の金屏風で、上洛中の3代将軍 徳川家光と秀忠が後水尾天皇を二条城に招いて行幸された際の京の様子を描いた作品です。上下2段に描かれ、およそ3,200人とも言われるほど沢山の烏帽子をかぶった人々が行列している様子が描かれています。周りでは見物人のような人や、警護している人々などもいてお祭り騒ぎのようにも見えます。やまと絵風で、金地に精密かつ鮮やかに描かれ、人々の表情も豊かで生き生きとしていました。

<仁清作品にみるみやこの美>
仁清 「色絵龍田川水指」
側面に柳の木と籠目のような模様が入った色絵の水指です。上面には紅葉があり、和歌の意匠を取り組んでいるようです。雅やかですが、意外と素朴に感じたかもw
ちなみに仁清は仁和寺の門前に窯を築き、御室焼を創し仁和寺にあやかって仁清を名乗ったようです。

この辺には鶴の形の香合もありました。

<近代みやこの画家-木島桜谷->
木島桜谷 「柳桜図」 ★こちらで観られます
六曲一双の大きな屏風で、右隻にはリズミカルな曲線の柳、左隻には満開の桜が描かれています。薄めの金地を背景に、鮮やかな緑と桜色が対になるように配置されているように思いました。花は写実的で厚みがあるのですが、装飾的な雰囲気もある不思議な感じでした。
木島は京出身の画家で、円山四条派を中心とする伝統的な写生派の画風に西洋の写実を融合させたそうです。琳派を彷彿とさせる日本絵画の装飾性と写実性を持っているとのことでした。

<近代の京焼に継承されたみやこの美>
初代宮川香山 「乾山写百合形向付」
百合の花の形をした向付です。中には雄しべなども描かれていて見た目が百合の花っぽく、意匠が面白い作品でした。
この辺には乾山や仁清に倣った作品などが並んでいました。

初代宮川香山 「依仁清意孔雀形香炉」 ★こちらで観られます
こちらは部屋の中央付近に置かれていました。孔雀が羽を広げている様子の香炉で、その羽は背中の上で貝のように丸くなって乗っかっています。精密な彩色が施され豪華な印象があるのですが、丸みを帯びた形が可愛らしくも感じられました。

五代清水六兵衛 「色絵鴛鴦置物」 ★こちらで観られます
色絵がつけられ2羽のおしどりが表された置物です。メス?の上は目を閉じてうずくまり、可愛らしい姿をしています。2羽寄り添う姿はまさにおしどり夫婦で微笑ましい雰囲気があります。背中にも細かい彩色があるのも見所でした。

十五代永楽善五郎(正全) 「仁清写白鶴香合」
先程ちらっと挙げた仁清の鶴の形の香合とそっくりの作品です。こちらの方は写されたもののようで、ツヤがある分新しく観えました。

<近代みやこの陶芸家1-伊東陶山と住友家->
初代伊東陶山 「色絵金彩桐鳳凰形香炉」
木にとまる鳳凰の形の香炉です。細かい彩色が施されていて羽は青、黄色、緑など色とりどりとなっていました。形も優美です。
この人は京都に生まれ、画家を志した後に陶芸家になったそうです。釉薬も研究し家伝とされた技を公開するなど功績は大きく帝室技芸員(今で言う人間国宝)にもなったようです。

この辺には瓢箪や小槌の形の作品もありました。

<京焼界の挑戦-欧米の技術導入->
四代高橋道八 「色絵牡丹文丸形釣香炉」
非常に色鮮やかで水彩画のような色絵のついた香炉です。周りの緑の中に牡丹が描かれピンク色が引き立つようでした。
これは欧米の科学的な釉薬を使ったものだそうで、この辺にはこうした海外の技法を取り入れた鮮やかな釉薬の作品が並んでいました。中には砂地を思わせる変わった質感の作品もありました。

<10周年特別出品 近代陶芸界の傑作>
板谷波山 「ほ光彩磁珍果文花瓶」 ★こちらで観られます
これは以前ご紹介した気もしますが改めて。桃などが描かれた大きな花瓶で、全体的に白く薄い膜が貼ったようなつや消しの釉薬がかかっています。淡く控えめなのが上品な感じに思いました。
この近くには図案や花瓶を収めた箱の蓋も展示されていました。


<第2章 清風の世界 -住友コレクションにみる文人趣味と煎茶->
続いては茶や文人趣味に関するコーナーです。

<文人へのあこがれ -近代のみやこにおける清風の心->
尾形乾山 「椿図」
水墨の掛け軸で、花瓶に入った単純化された椿が描かれています。葉っぱにはたらし込みの技法が使われ、バランスよい形をしていました。清純な雰囲気があり、かなり気に入りました。

沢田宗山 「葡萄に栗鼠模様花瓶」
長い壺に葡萄の木の上のリスが描かれています。さらっとした素朴な筆跡ですが、リスの特徴がよく捉えられていると思います。味わい深い作品でした。

<自然の恵みへの賛歌 -「蔬菜」京の食文化と中国->
呉春 「蔬菜図巻」 ★こちらで観られます
レンコン、ごぼう、わさび、たけのこ、瓜、かぼちゃ、なす、せり など、身近な野菜からあまり見ないような野菜まで多種多様な野菜が写実的に描かれた作品です。薄い色合いで、どこか優美な雰囲気があり、のびのびとしてリズミカルに描かれていました。

<近代の京焼にみる中国古器学習>
初代三浦竹泉 「露翠じこ式花瓶」
上部がラッパのように広くなった形の花瓶です。ひすいのような美しい緑をしていて、黒の斑点がついています。これもアクセントとなって魅力的な色合いとなっていました。

この隣にあった真っ白な器も上品でよかったです。

<近代みやこの製陶家2 -京都出身・横浜で活躍 宮川香山の世界->
初代宮川香山 「藤花絵菊花形共蓋壺」
西洋風の明るい色で、側面に藤が描かれた壺です。かぼちゃの側面のような凹凸のある(菊型の)壺で、その形も含めて面白い作品でした。
この人は京都生まれで横浜に移住し、輸入磁器で名を上げたようです、初期は栗田焼や薩摩風の装飾性の強い作品を作り、後に伝統的な釉薬を研究し、京焼の乾山風の作品なども残したそうです。その功績が認められ、陶芸で2人目の帝室技芸員にもなったようです。

<近代みやこの製陶家3 -三代清風与平の世界->
三代清風与平 「天せい碌瓜に虫彫文花瓶」
澄んだ水色をした花瓶です。側面に花とトンボのような文様があり、形はシンプルですがおだやかな青が上品な雰囲気を出していました。
この人は陶芸で初めての帝室技芸員だそうで、中国宋の青磁や白磁の写しに優れた中国風の作品を残したようです。

<近代の文人にみる理想郷 -村田香谷の世界->
村田香谷 「青緑西園雅集図」
これは大きめの掛け軸で、中国の山間の川辺で沢山の人が集まっている様子が描かれています。机に向かっている2人を中心にしていて、彼らは文人たちのようです。文人の理想の隠遁生活が伝わってくるような、高潔でのんびりした光景でした。


ということで、思った以上に楽しむことが出来ました。静かにささっと観ることが出来ますので、気になる方は是非どうぞ。

 参照記事:★この記事を参照している記事




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評価




ヨーロッパ絵画に見る 永遠の女性美 【ニューオータニ美術館】

インフルエンザで1週間ほど倒れていました。こんなに長期化したのは初めてです…。

もう3週間くらい前のことですが、平日のお昼休みにニューオータニ美術館に行って、「山寺 後藤美術館所蔵 ヨーロッパ絵画に見る 永遠の女性美」を観てきました。

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【展覧名】
 山寺 後藤美術館所蔵
 ヨーロッパ絵画に見る 永遠の女性美

【公式サイト】
 http://www.newotani.co.jp/group/museum/exhibition/201203_europe/index.html

【会場】ニューオータニ美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】東京メトロ 赤坂見附駅・永田町駅


【会期】2012年3月17日(土)~5月27日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
平日ということもあり、空いていました。

さて、今回の展示は山形県にある山寺 後藤美術館が持つ洋画の展示となっています。この美術館は特にフランスを中心とする17世紀から19世紀までのコレクションが充実しているようで、今回の展示はその中でも女性美をテーマにした内容となっていました。詳しくは気に入った作品と共にご紹介しようと思います。
 参考リンク:山寺 後藤美術館


バルトロメー・エステバン・ムリーリョ 「悲しみの聖母」 ★こちらで観られます
胸の前に手を置き、見上げるような目には大きな涙を浮かべた悲しみの聖母です。ちょっと口もあけていて悲しみがよく分かります。目線の先にはキリストがいるのかな?

ジャン=バティスト・ユエ 「羊飼い姿のヴィーナス」 ★こちらで観られます
横長の大きな作品で、横たわる服を着たビーナスと2羽の鳥、足元には犬と羊たちの姿もあります。ロココ風に柔らかく描かれ優美な感じがありつつ、のどかな雰囲気を感じました。

ジョン・ワトソン・ゴードン 「レディ・メアリー、エグリントン伯爵の娘」 ★こちらで観られます
大きな肖像画で、ドレスを着た女性が微笑んでいる様子が描かれています。その気品ある表情と、本当に光っているようなドレスの光沢の表現が良かったです。

ナルシス=ヴィルジル・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ 「森の中のジプシーの少女たち」
森の川辺で花束で遊んでいる3人の女性を描いた作品で、何とも楽しそうに遊んでいます。 周りは暗く、ややぼんやりした画風のせいか、神秘的な雰囲気もありました。バルビゾン派だからかな?

奥の部屋は静物のコーナーです。

オーギュスト・デュソース 「花、果物、獲物、壺のある静物」
縦長の楕円形の中に描かれた大きな静物画です、豪華な金の花瓶に沢山の花が活けられていて、下には猟銃と死んだ鳥、アンフォラのようなものも描かれています。黒を背景にしていて花の鮮やかさが目を引きました。大きいので見応えもあります。

ジョン・ウィリアム・ゴッドワード 「古典的美しい女」
毛皮のついた椅子に腰掛けた黒髪の女性が横向きで体をひねって見上げるようなポーズをしています。腕に当たった光の反射や、背景の硬そうな大理石、毛皮のモフッとした質感などが見事で、写実的なだけでなく気品を感じました。

ジョン・エヴァレット・ミレイ 「クラリッサ」 ★こちらで観られます
ピンク色の豪華なドレスと帽子の女性がやや左のほうを向いている様子を描いた作品です。キリッとした表情をしていて両手に持った手紙を破っているのかな? これはサミュエル・リチャードソンの小説「クラリッサ」の主人公を描いたものですが、モデルはミレイの娘のようです。ミレイにしてはちょっと古風で大胆に観えるかな。解説によるとトマス・ゲインズバラの「グレアム公爵夫人」と類似が指摘されているそうで、その比較用の写真も隣に展示されていて確かに似た感じかも…。ミレイは18世紀イギリスで描かれた肖像に倣った女性像を好んでよく描いていたようです。

エティエンヌ・アドルフ・ビオ 「バラを持つ女性」 ★こちらで観られます
黄色いバラを持ってこちらに微笑んでいる女性を描いた作品です。優しそうな目をしていて優美な印象を受けます。解説によると黄色いバラは不滅の愛と嫉妬の象徴なのだとか。
アドルフ・ウィリアム・ブーグロー 「愛しの小鳥」 ★こちらで観られます
手に小鳥を乗せて見上げている少女を描いた作品です。写真のように写実的に描かれていて、明暗が強めでドラマチックに感じます。特に少女の目の光が生き生きとしていて印象的でした。無邪気なようで賢そう。

アレクサンドル・カバネル 「エコーの声を聴く」
花を摘みにやってきた女性が耳に手をあてて こだま(反響、エコー)に耳を澄ませている様子を描いた作品です。頭に花飾りをつけ、首を傾げるような仕草をしてちょっと楽しそうな顔にも観えました。美人で魅力的です。 なお、この作品のエコーとはゼウスの浮気の手助けをしたニンフで、ゼウスの妻ヘラの怒りによって声を奪われたそうです。その後エコーはナルキッソスに恋したが、話しかけることができずに悲しみの余り声だけ残ってこだま(エコー)となったという伝説だそうです。

アレクサンドル・カバネル 「アラブの美女」
黒髪の女性が手を組んでこちらをじっと見ている様子を描いた作品です。口は閉じていますが何かメッセージを伝えたそうに見えます。等身大の絵でリアルさもあり神秘的なところがありました。

ギョーム・ヴォワリオ 「婦人の肖像」
椅子に座った髪の長い いかにも貴族的な婦人を描いた作品です。柔らか味があり服の光沢や血色の良さが優雅な雰囲気です。レース模様の緻密な表現も見事でした。


ということで、思っていた以上に楽しめる展示となっていました。やはり美人を描いた作品は良いですね。この展覧会のパンフレットは何と全作品のミニコピー付きで、家に帰ってからもああだったこうだったと振り返られるのも良かったです。
会期は長めのようですので気になる方は是非どうぞ。


 参照記事:★この記事を参照している記事


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評価




六厘舎TOKYO 【東京駅界隈のお店】

前回ご紹介したブリヂストン美術館の展示を観た後、東京駅の中にある東京ラーメンストリートの六厘舎TOKYOでつけ麺を食べてきました。

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【店名】
 六厘舎TOKYO

【ジャンル】
 つけ麺/ラーメン

【公式サイト】
 http://www.rokurinsha.com/
 食べログ:http://r.tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13093047/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 JR東京駅


【近くの美術館】
 ブリヂストン美術館など

【この日にかかった1人の費用】
 1350円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_②_3_4_5_快適

【混み具合・混雑状況(平日20時半頃です)】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_③_4_5_名店

【感想】
このお店はちょっとラーメンが好きな人なら誰でも知っているような有名店ですが、この東京店も凄い人気ぶりで、この日も30~40分くらい並びました。

列はこんな感じ。お店の入口からぐるっと周るように列を組んでいます。
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確か大崎のお店は全員食べ終わったら総入れ替えというシステムだと思いましたが、こちらは普通に1組ずつ入っていきます。

中はこんな感じ。狭いし当然混んでいるので相席は当たり前です。
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この日は味たまつけ(950円)+ 豚のせ(300円)+ 大盛り(100円)にしました。
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麺はかなり多めです。

こちらがスープ。魚介豚骨で魚介強めといった感じです。この味のフォロワーとも言える店はかなり増えたので、結構食べ慣れた味に思えます。
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それにしてもこの店から派生したお店ってみんなこの器を使っているような…w

麺は太めでつやつやしています。この太さに慣れると細いと物足りなく感じる人もいるようです。
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あまりゆっくり食べているわけにもいかないのでさっさと食べてきましたが、正直に言うともはやフォロワーと大差が無いような…。つけ麺の1つの歴史を作ったお店だけに研究されつくしていて、今食べるとスタンダードな感じを受けました。もちろん美味しいのですが、並ぶ時間と価格の高さを考えるとコストパフォーマンスは良いとは思えません。

と言うことで、超有名店だけあって食べるのに一苦労といった感じでしたw とりあえず制覇しておこうというノリで行ったのですが、まあ1回行けば充分かなと。有名なお店は色々大変ですね。

おまけ
お店の裏手でお土産を売っているようでした。こちらは2~3人程度の列で買い求めているようでした。
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評価




あなたに見せたい絵があります。 【ブリヂストン美術館】

もう10日ほど前になりますが、平日の会社帰りに京橋にあるブリヂストン美術館で「あなたに見せたい絵があります。-ブリヂストン美術館開館60周年記念」を観てきました。京橋付近の展示の記事が続いているので、こちらも合わせてご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 あなたに見せたい絵があります。-ブリヂストン美術館開館60周年記念

【公式サイト】
 http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/

【会場】ブリヂストン美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・都営浅草線宝町駅


【会期】2012年3月31日(土)~6月24日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(平日18時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
平日の夜ということもあり、空いていました。(閉館時間が近かったのであまりのんびりはできませんでしたがw)

さて、今回の展示はブリヂストン美術館の60周年記念の展示で、石橋財団コレクションの粋を集めた展示となっています。最初にタイトルを観た時に、大体いつも通りのブリヂストン美術館の常設作品なのではないか?と思ったのですが、今回はもう一つの石橋財団の美術館である石橋美術館(久留米市)の作品がかなり来ていて、全109作品の充実した内容となっています。
展覧会はテーマごとに11の章に分かれていましたので、章ごとに気に入った作品をご紹介しようと思います。(ブリヂストン美術館の作品はだいたいいつも展示されているものが中心でしたので、石橋美術館の作品を中心に書いていきます。)

<第1章 自画像>
まずは自画像のコーナーです。

青木繁 「自画像」
青木繁の21歳頃の自画像です。黒っぽい地に暗い茶色で描かれた横向きの顔で、所々に赤い輪郭があります。顔と服の色が同じようで、顔の影の所は背景に溶けこむような感じすらしました。天才肌で気難しそうというか、どこか不穏なオーラがあるような…。
 参考記事:没後100年 青木繁展ーよみがえる神話と芸術 (ブリヂストン美術館)

坂本繁二郎 「自像」
帽子をかぶった横向きの姿で描かれた自画像です。目を細くしていて、ちょっと嫌そうな顔をしているのかと思いましたw 淡く薄い黄土色で描かれ、背景を含めてモノトーンな感じがしました。解説によると、これはパリにいた頃の自画像で、坂本繁二郎はこの作品に8年も筆を入れ続けたそうです。

藤島武二 「自画像」
ちょび髭を生やした男性の顔が、暗闇の中に首から上だけが浮かびあがっているような自画像です。横向きでやや鋭い眼光が印象的です。解説によると、これは藤島武二の30歳半ば頃(芸大の助教授の頃)の姿で、油彩の自画像ではこれが唯一の作品だそうです。

この辺には古賀春江や小出楢重、レンブラント、マネ、セザンヌ、ピカソなどの自画像もありました。


<第2章 肖像画>
続いては肖像画のコーナーです。

宮本三郎 「石橋正二郎氏像」
絵の前で豪華な椅子に座った眼鏡の紳士を描いた作品で、脇に2匹の犬の姿もあります。印象派のようにややぼんやりした画面ですが、意志の強そうな雰囲気があり、石橋正二郎氏の人格が伝わってくるように思えました。

岸田劉生 「麗子像」 ★こちらで観られます
やや縦が詰まって圧縮されて観える娘の肖像で、横向きで赤い着物を着ていておかっぱ頭をしています。岸田劉生はよく娘の麗子を描いていましたが、これは8歳頃の姿のようです。笑っているようで右手を差し出すようなポーズが可愛らしかったです。こんなに可愛い麗子はあまり無いのでは?w
 参考記事:没後80年 岸田劉生 -肖像画をこえて (損保ジャパン東郷青児美術館)

この辺にはルノワールの「少女」や「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」、ドガの「レオポール・ルヴェールの肖像」、ピカソの「女の顔」などもありました、

黒田清輝 「針仕事」 ★こちらで観られます
窓辺で縫い物をしている女性(黒田清輝によく描かれたマリア・ビョー)を描いた作品で、白いカーテン光があたる様子が爽やかです。真剣に手に集中する様子が静かで、安らぐ光景でした。
 参考記事:黒田清輝-作品に見る「憩い」の情景 (東京国立博物館 本館18室)

藤田嗣治 「横たわる女と猫」
ベッドで足を伸ばしてくつろいでいる白い服の女性を描いた作品で、足元にはきょとんとした顔の猫の姿もあります。全体的に乳白色で細い輪郭線のある作風で、これぞ藤田といった感じです。これは以前観た気がしますが、非常に良い作品でこの日観た中でも特に気に入りました。


<第3章 ヌード>
続いてはヌードを描いた作品が並ぶコーナーです。

安井曾太郎 「水浴裸婦」 ★こちらで観られます
遠目で観てセザンヌかと思いましたw 4人の女性が森の中で水浴している様子が描かれていて、背景の色合いがかなりセザンヌ風です。構図やポーズもそれっぽくて、相当に研究していたんじゃないかな? ルーツを感じさせる作品でした。
 参考記事:セザンヌ―パリとプロヴァンス 感想後編(国立新美術館)

和田英作 「チューリップ」
椅子に座った裸婦が、椅子につかまって身を捻りうつむいている様子が描かれています。その後ろにはチューリップの花が置かれ、これがタイトルの由来かな? 女性は写実的に描かれ肉感的に観える一方、背景のチューリップはやや簡略化されているように思いました。

岡田三郎助 「水浴の前」
水辺の草むらで水浴をしようとしている女性の後姿を描いた作品で、手をついてやや膝を曲げる姿勢が優美です。解説によると、逆S字になっているのはパリで学んだ構図だそうです。対角線上に描かれているのも面白い構図でした。


<第4章 モデル>
4章も人物を描いたコーナーです。

坂本繁二郎 「帽子を持てる女」 ★こちらで観られます
コートを着て帽子を持った女性像で、緑や茶色を使った坂本繁二郎らしい色合いとなっています。かなり単純化していますが、モデルの特徴がよく出ているように思えました。

藤島武二 「チョチャラ」
横を向くイタリア女性を描いた作品です。解説によると、これはローマで描いたもので、タイトルは「花売りの娘」のことだそうです。オレンジ・ピンクの服とスカーフをつけていて色の取り合わせが華やかでした。
 参考記事:藤島武二・岡田三郎助展 ~女性美の競演~ (そごう美術館)


<第5章 レジャー>
5章はレジャーをテーマにしていましたが、全部ブリヂストン美術館の常設作品だったので割愛。

<第6章 物語>
続いては神話などをモチーフにした作品のコーナーです。

藤島武二 「天平の面影」 ★こちらで観られます
金地を背景に、古代風の服の女性が竪琴を持って樹の下で佇んでいる様子を描いた作品です。金地のせいかちょっと日本画みたいな色の取り合わせかな。しかし女性は静かで儚い雰囲気があるように思いました。

ここには青木繁の「海の幸」 「大穴牟知命」「わだつみのいろこの宮」などもありました。


<新収蔵作品>
今回は新しく収蔵された2つの作品も展示されていました。珍しいカイユボットの作品も加わったようです。

ギュスターヴ・カイユボット 「ピアノを弾く若い男」 ★こちらで観られます
室内でピアノを弾いている男性を描いた作品で、やや高い位置から見下ろすような視線で描かれています。印象派の仲間(庇護者)としては写実的な感じで、ピアノの黒い上面には室内の様子、鍵盤の先には手が反射しているなど細かく描かれていました。男性は真剣に練習しているようで、その様子がよく伝わります。解説によるとこれは第2回印象派展に出品されたものの1つだそうで、かなり貴重な作品だと思います。

岡鹿之助 「セーヌ河畔」 ★こちらで観られます
川岸の街と、釣りや散歩をしている人々を描いた作品です。平坦で単純化された画風で、素朴な感じがしつつ、淡い青やピンクに染まる空が爽やかでした。幾何学的な要素もあって、面白い構図でした。


<第7章 山>
続いては山を描いた作品を集めたコーナーです。

坂本繁二郎 「放牧三馬」 ★こちらで観られます
繁二郎と言えば馬ですw ややぼんやりした感じで3頭の馬が描かれていて、中央の白い馬と左の馬は仲がよさそうに見えます。ぺったりとした水色の空などが明るく思えました。

雪舟 「四季山水図」 ★こちらで観られます
4幅対の掛け軸で、右から春夏秋冬の山が描かれています。中国風の切り立った山が描かれ、水墨の濃淡でゴツゴツした感じや柔らかい表現まで見事に描かれていました。これは正面に立つと特に見応えがある作品だと思います。


<第8章 川>
8章は川をテーマにしていましたが、全部ブリヂストン美術館の常設作品だったので割愛

<第9章 海>
9章は海をテーマにしたコーナーです。

藤島武二 「波(大洗)」
波が打ち寄せる岩場の海岸を描いた作品で、所々に茶色い岩が見えています。波は紫で描かれているなど夕暮れなのかな? どこか郷愁と海の力強さを感じる作品でした。

藤島武二 「屋島よりの遠望」
高い位置から穏やかな海を描いた作品です。これは瀬戸内海の屋島だそうで、美しいグラデーションの夕日と緑の海が爽やかです。手前の海岸に煙をはく煙突がありアクセントとなっているようでした。


<第10章 静物>
続いて入口付近に戻ると静物のコーナーです。

安井曾太郎 「レモンとメロン」
皿に入ったレモン、メロン、洋なしを描いた作品です。単純化されていて黒いふちが力強い雰囲気です。皿は傾いていて果物がよくみえるのですが、これはセザンヌからの影響とのことでした。色が強くて、むしろフォーヴ的な感じを受けました。

古賀春江 「素朴な月夜」 ★こちらで観られます
赤いテーブルの上に乗った果物や花瓶などの静物を描いた作品ですが、その右は街角のようでシュールな光景です。上には空飛ぶふくろう、テーブルの脇には黒い犬などもいて平坦な画風となっていました。直線が多くテーブルの円もあるので幾何学的な感じがします。

<第11章 現代美術>
最後は現代の抽象画のコーナーです。

野見山暁治 「風の便り」
水色の画面に何かが浮かんでいるようにも観える奇妙な抽象画です。筆の流れが風のような感じに思えますが、よく観ると中央は塗残しているのかな?? 色は爽やかですがどこか力強さがあるように思いました。
 参考記事:野見山暁治展 (ブリヂストン美術館)



ということで、いつも以上に楽しめる内容となっていました。石橋美術館もかなり良い作品を持っているようです。雪舟など貴重な作品もありますので、出来ればもう一度観に行こうと考えています。お勧めの展覧会です。


 参照記事:★この記事を参照している記事




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評価




鉄川与助の教会建築 -五島列島を訪ねて- 展 【LIXILギャラリー 旧INAXギャラリー】

前回ご紹介したポーラ ミュージアムアネックスの展示を観る前に、すぐ近くのLIXILギャラリー(INAXギャラリーから改名)で「鉄川与助の教会建築 -五島列島を訪ねて- 展」も観てきました。

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【展覧名】
 鉄川与助の教会建築 -五島列島を訪ねて- 展

【公式サイト】
 http://www1.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_002061.html

【会場】LIXILギャラリー  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町

【会期】2012年3月8日(木)~5月26日(土)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていてゆっくり観ることができました。

冒頭にも書いたように、今回からLixil(リクシル)ギャラリーに名前が変わったようですが、特に中は変わっていませんでした。この日は長崎の教会建築で名を残した鉄川与助という人の展示で、特に予備知識は無かったので簡単にメモを取ってきました。それを元に簡単に展覧会の様子をご紹介しようと思います。

長崎には130余りの教会があるそうで、これは全国の1割以上を占めているそうです。特にキリシタンの里と呼ばれる五島列島には50もの教会が点在しているようで、鉄川与助は1879年にその五島列島の大工の家に生まれました。教会建築の手伝いをしたのがきっかけで教会建築の虜になり、28歳の時に初めて設計・施工したようです。その後、技術を高めながら建築していき、戦前だけで30棟を建てました。現在でもその半数が現存し、その内4棟が国指定の重要文化財となっているようです。今回の展示はそうした鉄川与助が手がけた教会の写真が主な内容となります。

まず近代日本の教会の歴史についてですが、キリシタンの長い苦難の時代の後、明治期に外国人居留地に教会が建てられたそうです。その頃もまだ弾圧が続いていたようですが、明治10年頃から宣教師の活動が黙許されるようになりました。やがて明治22年に発布された大日本国憲法で信仰の自由が明記されると、信徒が増えて教会建築も活発化したようです。
その頃になると大浦天主堂から派遣されたフランス人神父らによって西洋の建築様式に基づく設計案が示され、大工たちは指導を受けながら施工されたようです。 と、そうした背景を説明があった上で鉄川与助の仕事が紹介されていました。


「旧五輪教会堂」
現存する中で日本最古の教会です。一見すると木造の民家のような感じかな。三角の窓がある以外は瓦屋根の大きな家に見えます。しかし中はアーチ状の天井を持つゴシック風の建築となっているようでした。

「冷水教会」
鉄川与助が棟梁として最初に建てた教会で、今でも現役の教会です。入口に2階建てくらいの塔があり、十字架が乗っています。それ以外は長い民家風に観えました。
この頃の教会は一見すると民家みたいな感じかな。

「旧野首教会」 ★こちらで観られます
赤レンガの堅牢なイメージの教会で、鉄川与助が棟梁として始めて手がけたレンガの教会だそうです。イギリス積みというレンガの積み方をしているらしく、重厚感があります。 かなり立派に見えますが、この教会のある島は一時は無人島となり誰もいなくなった頃もあったそうです。(今は県の有形文化財)

展示場の奥の部屋には鉄川が師事したマルコ・マリー・ド・ロの解説がありました。この人は私財を投じて教会を作ったり、貧しい人々に農業なども指導した偉人のようです。後に鉄川は石灰の使い方が一番参考になったと回顧したそうです。

「田中天主堂」
鉄川のレンガ造りの教会の代表作だそうです。威厳がある大きな教会で、装飾が施されているなど西洋の教会を彷彿とします。内部の写真を観ると2階建てで白い柱や天井が神聖な雰囲気となっているようでした。

「今村教会」 ★こちらで観られます
こちらも代表作で、入口の左右に2本の塔が建つ赤レンガの教会です。ロマネスク建築の要素を取り入れているそうで、他の協会とは違う個性があるようでした。堂々たる重厚さを感じました。

出口の辺りには石造りや鉄筋コンクリートの写真なども並んでいました。そして最後は設計図や日記、当時の写真や絵葉書、チョッキ、懐中時計などもありました。
余談ですが、孫の方からのメッセージを読むと、孫の方の建築士をやっているようです。


ということで、日本の西洋建築に関わる面白い内容となっていました。これだけの建物が当時の日本人によって建てられていたのかと驚きました。私は五島列島には行ったことがありませんが、いずれ一度は観てみたいと思わせる写真でした。
ここは銀座からもほど近く無料で観られるので、建築好きの方などは覗いてみると楽しいかと思います。

 参照記事:★この記事を参照している記事




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評価




ポーラ ミュージアムアネックス展2012 -華やぐ色彩- 【ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX】

もう2週間くらい前のことですが、以前ご紹介したアートフェア東京に行った日に、銀座のポーラミュージアムアネックスで「ポーラ ミュージアムアネックス展2012 -華やぐ色彩-」を観てきました。

P3313451.jpg

【展覧名】
 ポーラ ミュージアムアネックス展2012 -華やぐ色彩-

【公式サイト】
 http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/
 http://www.pola.co.jp/m-annex/exhibition/detail.html

【会場】ポーラミュージアム アネックス (POLA MUSEUM ANNEX)  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】東京メトロ 銀座駅・銀座一丁目駅 JR有楽町駅

【会期】2012年3月31日(土)~4月22日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日14時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
いつも通り空いていて、ゆっくり観ることができました。

さて、今回の展示は毎年この時期に行われているもので、今年もポーラ美術館の在外研修に対する助成活動で採択された若手アーティストを紹介する展覧会です。例年通り4人のアーティスト(今年は4人とも女性)が紹介されていましたのでメモを元に簡単にご紹介しようと思います。

 参考記事:
  ポーラ ミュージアム アネックス展2011 -早春- (ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX)
  ポーラ ミュージアムアネックス展2010 -祝祭- (ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX)

<徳永陶子> ★こちらで観られます
この作家のコーナーには6枚の抽象画が並んでいました。明るい色で、どこか川辺の花や飛沫を想像するような感じで、実際に意図するものは分かりませんでしたが、心地良い色合いでした。まさに「華やぐ色彩」の主題にあってる感じです。

<橋爪彩> ★こちらで観られます
この作家は写真のように精密な油彩が並んでいました。女性の脚や胴体部などが描かれた作品が多く、顔は見えないか枠に入らない感じです。どれも艶かしくも神秘的な雰囲気があり女性らしさを感じます。やけにつやつやした林檎やハイヒールの静物、骸骨の一部が花のような形のものなど、生や死も感じさせるモチーフも面白かったです。

<野口香子> ★こちらで観られます
この作家の作品は部屋の奥にありました。沢山の赤いトマトかホオズキのような小さなものが楕円形に積まれ、その上に傾いて壊れた椅子が置かれています。これも意図するところはよく分かりませんが、色鮮やかで力強く華やかな印象を受けました。椅子が不安定な感じも気になるw

<梅原麻紀> ★こちらで観られます
この作家は布やシルクスクリーン、紙などを使った作品が並んでいました。写真をプリントしたようなもの、縫い合わせて作ったようなものがあり、落ち着いた雰囲気に思えました。


ということで、今年も個性的な作家の作品を観ることができました。女性作家ならではの華やかさのある展示となっていますので、銀座に行く機会があるかたはちょっと寄り道してみると楽しいかと思います。


 参照記事:★この記事を参照している記事




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評価




カフェ・ド・クロワッサン 【府中界隈のお店】

前回ご紹介した府中市美術館に行った後、京王線の府中駅近くにある「カフェ・ド・クロワッサン」というお店でお茶してきました。

P4083527.jpg

【店名】
 カフェ・ド・クロワッサン

【ジャンル】
 カフェ

【公式サイト】
 http://chofu-fuchu.mypl.net/shop/00000027347/
 食べログ:http://r.tabelog.com/tokyo/A1326/A132602/13060831/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 京王線府中駅

【近くの美術館】
 府中市美術館


【この日にかかった1人の費用】
 780円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_3_④_5_快適

【混み具合・混雑状況(日曜日17時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
遅い時間に行ったこともあり、空いていてゆっくり観ることができました。

店内はこんな感じで、くつろげる雰囲気でした。アートスペースもあり洒落ています。
P4083529.jpg

この日はケーキセット(780円)にしました。ベークドチーズケーキと「今日のコーヒー」の組み合わせにして、この日のコーヒーはモカマタリでした。
P4083530.jpg
モーニングとかランチメニューもあるようです。

まずはベークドチーズケーキ。
P4083534.jpg
こちらは期待以上に美味しくてちょっと驚き。軽やかな甘みと風味が良かったです。美味しい^^

続いてモカマタリ。
P4083531.jpg
こちらは強めの酸味でしたが、まろやかな味でした。作る所は観てませんでしたが、サイフォン式で入れているみたいなので、そのせいかな? こちらもかなり満足でした。


ということで、静かな音楽が流れる中、美味しいケーキとコーヒーを楽しむことができました。府中には競馬を観に行ったりもするので、是非また足を運んでみたいと思います。 とりあえず主要なストレートコーヒーは制覇してみたいw



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評価




【府中市美術館】の常設 (2012年04月)

前々回前回とご紹介した特別展を観た後、府中市美術館の常設を観てきました。今回の常設は「木版画のたのしみ」と「江戸時代の花と動物」というタイトルがつけられていて、期間も決まっているようでした。

P4083514.jpg

【展覧名】
 木版画のたのしみ
 江戸時代の花と動物

【公式サイト】
 http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/jyosetu/ichiran/H23_permanent_collection/index.html

【会場】府中市美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】京王線府中駅/京王線東府中駅/JR中央線武蔵小金井駅など

【会期】
 木版画のたのしみ :2012年3月17日(土)~5月6日(日)
 江戸時代の花と動物:2012年3月17日(土)~4月8日(日)
  ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
特別展よりも空いていて、ゆっくり観ることができました。

さて、今回の常設は木版画の作品を集めた展示が中心となっていました。何点か気になった作品をメモしてきましたので、簡単にご紹介しておこうと思います。


<木版画のたのしみ>
まずは木版画のコーナーです。ここが8割くらいです。

葛飾北斎 「北斎麁画」
こちらは版本で、川岸で天秤を担ぐ人々が描かれています。その上には「目に青葉 山ほととぎす 初松魚(はつがつお)」と書いてあるのかな? 生き生きとした雰囲気があり当時の様子が伝わるようでした。

井上安治 「東京名所図」より ★こちらで観られます
絵葉書くらいの大きさの錦絵です。1枚ごとに神田明神や二重橋、築地、吉原などが描かれています。中には2枚セットで上野競馬という作品があったのですが、上野で競馬場なんてあったのかな? 叙情的な雰囲気のある作品でした。
 参考記事:
  ニコライ堂と神田明神の写真
  皇居周辺の写真 (二重橋~桜田門~国会議事堂)

谷中安規 「幻想集」
小さな作品で、餓鬼のようなものが弓矢を持って楽しそうにしている様子や、大きな目が空に浮かびその下に影が踊っているような様子などシュールで神秘的な作風です。妖しくも面白い作品でした。

前川千帆 「新東京百景 新宿夜景」
中央に高い電波塔のようなもの、左に観覧車のようなものがある塔?があり、手前では腰に手を当てて立つ男性の後ろ姿が描かれています。幾何学的なモチーフが多く、どこか郷愁を誘うような画風でした。これはかなり好みかも。

平塚運一 「雪のニコライ堂」
奥に大きなニコライ堂、手前に大通りを走る黒い車と脇の歩道を歩く人々が描かれています。薄っすらと積もった雪がどこか爽やかで詩情ある風景となっていました。

川西英 「神戸百景 出帆」
沢山のカラフルなテープが重なる、大きな船の出港のシーンを描いた作品です。色鮮やかで、油彩画かと思うほどです。構図も面白くて洒落た雰囲気がありました。

関野準一郎 「三千院(京都)」
青い瓦がたくさん並ぶ三千院の屋根が描かれた作品です。びっしりと並んでいて、模様か抽象画のように観えてきて不思議な魅力がありました。

棟方未華 「馬場大門欅並木之賦」
府中にある大国魂神社の並木道を描いた作品です。木のトンネルの中に2人の小さな女性が描かれ、のんびりしつつも木の大きさと力強さを感じます。また、白と黒のコントラストが強く感じられ、大きな作品ならではの迫力がありました。
 参考記事:大國魂神社と東京競馬場の写真

この後は抽象的な木版画が並んでいました。


<江戸時代の花と動物>
もう1つ、奥の小部屋では江戸時代の花と動物を描いた作品のコーナーです。この日の特別展と同じように亜欧堂田善や司馬江漢、谷文晁などが展示されていました。

司馬江漢 「猫と蝶図」
振り返る三毛猫と空に浮かぶ緑の蝶を描いた作品です。猫はじっと蝶を見つめていて、どこか静かな雰囲気がありました。可愛いだけでなくちょっと緊張感があるようにも思えたかな。

谷文晁 「駱駝図」
2頭のラクダを描いた作品で、毛まで細密に描かれています。ラクダにはコブがないように思えましたがこういう種類もいるのかな??

牛島憲之記念館も何点か入れ替わりがあって観たことがない作品がありました。


ということで、常設も楽しみことができました。特別展を観る機会があったらこちらも観ることをお勧めします。

おまけ:
私が行った2012/4/8は美術館前の桜がほぼ満開となっていました。
P4083505.jpg P4083515.jpg
桜のトンネルとなっています。

咲き具合はこんな感じでした。次の土日までもつかな?
P4083516.jpg P4083526.jpg


 参照記事:★この記事を参照している記事




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評価




三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る (前期 感想後編)【府中市美術館】

今日は前回の記事に引き続き、府中市美術館の「三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る」の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。

 前編はこちら

P4083509.jpg

まずは概要のおさらいです。

【展覧名】
 三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る

【公式サイト】
 http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/santo/index.html

【会場】府中市美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】京王線府中駅/京王線東府中駅/JR中央線武蔵小金井駅など

【会期】
 前期:特集「花と動物」  2012年03月17日(土)~04月15日(日)
 後期:特集「人物画くらべ」2012年04月17日(火)~05月06日(日)
  ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前編で大まかに三都の特徴についてご紹介しましたが、後編でも京、大坂、江戸の作品を比べて違いを観る構成となっていました。


<山水くらべ>
後半の部屋は山水画のコーナーからでした。京の山水は描かれた風景が画面の枠を超えて外に広がるような特徴があり、その源はやまと絵にあるのではないかとのことです。それに対して大坂は中国絵画に傾倒し、南画のスタイルの作品が多いようです。江戸は狩野探幽の影響が強く画面は基本的にさっぱりしているそうですが、18世紀後半には西洋の写実画風も入ってきて遠近法に正面から取り組んだ絵師もいたようです。

京 尾形乾山 「吉野山図」
こちらは掛け軸で、単純化された画風で山に桜や松が描かれています。すっきりシンプルな感じがしつつも雅な雰囲気もありました。

この辺には円山応挙や池大雅、長沢芦雪などの作品もありました。

大坂 林ろう苑 「春景山水図」
縦に長い山が連なる中国風の風景画で、山間には建物や歩いている人々の姿もあります。 いかにも中国から影響を受けたという感じがするかな。薄い色をつけた点を重ねる手法を使っているらしく、山の緑は点描のようになっていました。全体的に透明感がある作品です。

大坂 墨江武禅 「月下山水図」
水墨?の掛け軸で、月下の木々や山々が描かれています。西洋の技法が使われているようですが、かなり独特の表現で明暗が何段階かに分かれているようです。幻想的な雰囲気のある作品でした。

江戸 司馬江漢 「相州江之島児淵図」
2幅対の水墨で、江ノ島から富士を観た風景が描かれています。遠くの風景は空気に霞むようなのに対して手前のゴツゴツした岩の輪郭ははっきり描かれているなど遠近法が使われているようでした。司馬江漢は蘭学者でもあった人物で、狩野派、南蘋派を学んだ後に西洋風の画風を身に付けました。司馬江漢の西洋風の作品はこの後も数点出てきます。

江戸 歌川広重 「江戸近郊図」
掛け軸の表装の部分(天や中廻しの辺り)に、富士山と舞い飛ぶ沢山の鶴?が描かれていて、その中心に円形の絵が描かれています。その中には水田が広がり、右には松が生えている光景となっていました。望遠鏡で覗きこんだような趣向となっているのが面白く、こちらも遠近法が使われているようでした。


<和みと笑い>
続いては可笑しい絵や思わず微笑んでしまう絵が並ぶ和みと笑いのコーナーです。大坂は笑わせる為に描いた作品が多いらしく、何がどうしたから可笑しいという筋道が無いという特徴のようです。解説では体を張って笑わせる強引な笑いとも紹介していました。
京はほのかな深みのある和みの特徴らしくデリケートな味わいがあるようです。
江戸は馬鹿馬鹿しいことをしている場面や、動物が人と同様に振る舞うような光景を描いた理屈のある明確な笑いが特徴とのことでした。ここにはそうした作品が並んでいます。

大坂 耳鳥斎 「地獄図巻」
地獄の様子を描いた絵巻で、人形遣いの地獄、役者の地獄、芸子の地獄、台神楽の地獄、灸据え地獄、巾着切り地獄、猿回しの地獄などが描かれています。字面だけだと怖そうな感じですが、役者の地獄では大根でつつかれている亡者が描かれていて、大根役者にかけているのかな?w 芸子の地獄は顔を三味線のように弾かれている様子、巾着切りは大きな金玉を切られている様子などちょっとシュールな雰囲気となっていました。ひょうきんでちょっと脱力系な地獄絵です。

京 円山応挙 「時雨狗子図」
丸っこい2匹の子犬がお互いにくっついている様子が描かれた作品です。くりっとした顔をしていて何とも可愛らしく、観ていて和みます 上部の余白には光が注ぐような描写もあり、これが時雨の様子なのかな。これは世代や時代を超えて分かる笑いかも。

京 長沢蘆雪 「なめくじ図」 ★こちらで観られます
色紙くらいの画面の左上に、ナメクジが描かれた作品です。その後ろには一筆書きで描かれたナメクジの這った跡があり、軽妙でちょっと抽象画のような雰囲気もあります。ナメクジを描く作品自体も珍しいようですが、画面左上に出ていくような表現も面白かったです。それにしても、この一筆書きを真似しようとしても、繋がりが分からないところがあって上手くできませんでしたw

江戸 英一蝶 「投扇図」
3人の人物が鳥居の下で扇投げを競っている様子を描いた作品です。1人は投げ終わった瞬間で、投げた扇は鳥居の枠の中を通過し、それを観た1人が驚いてひっくり返っています。もう1人はいままさに投げようとしているようで今にも動きそうな姿勢をしていました。確かにちょっと馬鹿馬鹿しいことに真剣になっている感じかなw 人々の動作に臨場感がありました。

この辺には歌川国芳の「金魚づくし ぼんぼん」と「荷宝蔵壁のむだ書(黄腰壁)」などもありました。
 参考記事:
  没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 前期 感想前編(森アーツセンターギャラリー)
  没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 前期 感想後編(森アーツセンターギャラリー)
  没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 前期 感想後編(森アーツセンターギャラリー)
  没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- 後期 感想後編(森アーツセンターギャラリー)


<三都の特産>
最後は三都の特産ということで、それぞれの特徴がよく分かる作品が並ぶコーナーです。 江戸の洋風画、大坂の文人画、京の奇抜 をテーマにしているようでした。

江戸 亜欧堂田善 「自駿河台水道橋眺望(銅版画)」
絵葉書くらいの銅版画です。川沿いの木々や街並みが緻密に描かれているのですが、日本というよりは西洋の風景に見えます。画風も完全に洋画で、陰影や遠近感がありました。
この辺には司馬江漢の西洋画の模写のような作品もありました。

江戸 司馬江漢 「異国戦闘図」
馬に乗った西洋人たちが戦争している様子を描いた作品です。これは司馬江漢の西洋風の初期の作品らしく、自分で見よう見まねで調合した絵の具で描いているとのことです。これも江戸時代の日本人の作品とは思えないほど西洋画そのものといった感じでした。解説によると、これには元になった作品があると考えられるようで、1枚ではなく複数の絵を参考にしているのではないかとのことでした。

大坂 岡田米山 「界住吉図」 ★こちらで観られます
鬼のような人物が「ころころ」と書かれたものと、馬の頭と車輪がついた杖?のようなものを持っている様子が描かれています。これはごろごろ煎餅という住吉詣でのお土産だそうですが、何故これを持っているのかはわかりません。鬼はちょっと悲しげな雰囲気があるかな。 絵の上部には仏教書の一部が書かれているのですが、その内容とこの絵との関係は不明のようでした。とにかくインパクトのある作品でした。

京 狩野山雪 「寒山拾得図」 ★こちらで観られます
大きな掛け軸で、寒山と拾得の2人が描かれています。お経の巻物を持って、話し合っているようなニヤニヤしているような卑近な感じを受けます。太い輪郭で描かれていることもあり、強い存在感がありました。

京 曾我蕭白 「虎図」
やけにやせ細った虎を描いた作品です。顔は老人のようでちょっと頼りなく観えるかなw 奇抜で奇妙な蕭白らしい面白さがありました。これは前に観たことがあったかも??

隣には長沢芦雪の竜虎図もありました。

京 伊藤若冲 「兜鷹図」
兜の上にとまった白い鷹の後ろ姿を描いた作品です。こちらに振り返っていて、羽は透き通るような感じで、顔には緊張感がありました。そういえば若冲も南蘋派の影響を受けている絵師です。こちらの作品も細かい描写となっていました。
 参考記事:
  伊藤若冲 アナザーワールド (千葉市美術館)
  伊藤若冲 アナザーワールド 2回目(千葉市美術館)

京 伊藤若冲 「垣豆群虫図」 ★こちらで観られます
いんげん豆とそこに集まる昆虫たちを描いた作品です。カマキリや蝶、アブなどが平坦な感じで描かれていて、アブの目がちょっと可愛いw 結構簡略化された作風に観えました。

ということで思った以上に充実した内容となっていました。都市が違えば文化も違うのは当たり前のことですが、「江戸時代」と一括りにしてしまいがちなので、この展示でその味わいの違いを知ることができて良かったです。惜しいことに会期が短すぎて前期後期の両方を観るのは大変ですが、可能であれば後期も観に行きたいと思います。

おまけ:
今回、府中市美術館のキャラクター「むら田」によく似た「さんとくん」というキャラクターがいました。子供向けのクイズラリーのような企画も用意されています。

 参照記事:★この記事を参照している記事




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評価




三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る (前期 感想前編)【府中市美術館】

ついこの間の日曜日に、府中の府中市美術館で「三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る」を観てきました。この展示は前期・後期で大きく内容が変わるようで、この日観たのは前期の内容でした。好みの作品が多くメモも多めに取りましたので前編・後編に分けてご紹介しようと思います。

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【展覧名】
 三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る

【公式サイト】
 http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/santo/index.html

【会場】府中市美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】京王線府中駅/京王線東府中駅/JR中央線武蔵小金井駅など

【会期】
 前期:特集「花と動物」  2012年03月17日(土)~04月15日(日)
 後期:特集「人物画くらべ」2012年04月17日(火)~05月06日(日)
  ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時半頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
私の行った日時は講演会をやっていたこともあり、講演終了直後などはちょっと人が多かったですが、それ以外は空いていてゆっくり観ることが出来ました。

さて、今回の展示は江戸、大坂、京という江戸時代の3つの都市を取り上げ、それを比べることでそれぞれの特色を観るという内容となっています。特に江戸中期~後期の作品が多く、題材によって章分けされていましたので、詳しくは章ごとにご紹介しようと思います。なお、冒頭に書いたようにこの展示は前期・後期でほとんどの作品が入れ替わるので、お目当ての作品がある方は公式サイトでチェックしておくことをお勧めます。
 参考記事:出品リスト(PDF)


<冒頭>
まず冒頭に三都それぞれ1枚ずつハイライト的に作品が展示されていました。

京 円山応挙 「鶴図」
振り返るように立つ鶴の姿を描いた作品です。細やかかつ優美な姿をしていて、ここにあった大坂・江戸の作品と比べると雅な雰囲気があるように思えました。


<三都に旅する>
この章では三都の特徴について作品を通じて紹介されていました。天皇が住み寺社の多い歴史と文化の街である京、経済の中心で町人たちが自ら運営する面が強い大坂、新興都市で文化的に遅れていたけれども幕府が置かれた江戸 の3つは、その背景からか大きく文化が違い、その感性も作品に反映されているようでした。

江戸 歌川豊広 「両国夕涼ノ図」
これは肉筆の掛け軸で、河岸で散歩している白い着物の女性と黒っぽい着物の女性、その後ろに傘を持って荷物を背負う小僧らしき姿もあります。白い着物の女性は線が細くスラっとした等身で涼し気な雰囲気です。背景に描かれた橋などには遠近感があるように思いました。

京 山口正鄰 「岩倉・松ヶ崎村祭礼図」
これは2幅対の掛け軸で、岩倉村という所で7/14~7/15に行われた灯籠踊りという祭りを描いています。右幅には頭に大きな灯籠(というよりは盆栽などに観える)を乗せた女性が描かれ、頭が灯籠になったような奇妙な光景です。その周りでは男たちが音楽を鳴らして踊っているように観えるかな。 それに対して左幅では太鼓を叩いている男を中心に踊っている男女が描かれているのですが、こちらも一風変わった姿勢をしていました。解説によるとこれは法華経の題目を唱えて踊り、妙法の文字の送り火をする祭りだそうです。祭りも変わっているのかもしれませんが、絵も奇抜な感じに思えました。

大坂 中村芳中 「盆踊図」
これは掛け軸で、簡略化したゆる~~~い感じの画風で盆踊りする人々が描かれています。その表情はじつに楽しげで、観ている方にも伝ってきそうです。緩さゆえか軽やかな感じもあり、不思議な魅力の作品でした。


<特集 花と動物>
続いては前期のみの特集のコーナーです。
京には古くから伝わるやまと絵があり、土佐派や俵屋宗達・尾形光琳はそれを継承する流れにあります。江戸時代中期には円山応挙のように西洋の遠近法などを取り入れた絵師も登場しましたが、応挙もまた京の美の範疇と言えるそうです。
 参考記事:円山応挙-空間の創造 (三井記念美術館)

大坂は中国絵画への信奉が絶大で、京の優雅さとは無縁だったようです。江戸中期に来日した中国の絵師 沈南蘋(しんなんぴん)からの影響が強かったそうですが、それを平板化したような作風もあるようです。
 参考記事:
  三井記念美術館 館蔵品展 (三井記念美術館)
  博物館に初もうで (東京国立博物館 本館)

江戸は当初ほとんど伝統的な文化はなかったようですが、狩野探幽が京からやってきて幕府の御用絵師となると、元来の中国風の画風からさっぱりとした画風に転向したようです。絵師を目指す者はまず狩野派を学ぶため、探幽の影響力は強く江戸時代の終わりまで美意識の底流となったそうです。
 参考記事:東京国立博物館の案内 (2012年03月)

京 土佐光起 「布袋・松に鶴・菊に鶉図」
3幅対の作品で、中央に子供にじゃれつかれている布袋、右に松の下の鶴、左は白い菊とウズラが描かれています。非常に精密な描写からは中国からの影響も感じられますが、優美さがあるのはやまと絵の伝統からの影響かな? ちょっと楽しそうな雰囲気でした。

この隣には光琳の団扇もありました。

京 俵屋宗達 「春日野図」
これは水墨の掛け軸で、地面に伏せている鹿が描かれています。丸っこくデフォルメされていて、キャラクターのような可愛らしさがある一方、どこか雅な雰囲気がありました。濃淡の柔らかさも好みです。

京 岸駒 「牡丹に孔雀図」
牡丹と岩の上にいる2羽の孔雀を描いた作品です。沈南蘋と南蘋派を思わせる精密かつ写実的な作風で、強めの陰影で濃厚な色合いに見えます。解説によると、空間の広がりの大きさなどには独自の感性があるようで、広がりを求めるのは京画家の特徴かもしれないとのことでした。壮麗で華やかな雰囲気の作品でした。

この近くにあった京の吉村孝敬「竜虎図」も好みでした。応挙が描く竜虎図に似ています。

大坂 上田公長 「牡丹に孔雀図」
2羽の孔雀と牡丹を描いた作品です。先ほどの京の岸駒と同じような主題ですが、比較するとこちらはやや簡略化されて色が面で表現されているような感じに見えます。あっさりしていて、優雅というのとはちょっと違うかな。比べると確かに京と大坂では嗜好が違うことがよく分かりました。

大坂 森狙仙 「猿図」
大坂では森派という動物画で人気を得た一派があったそうで、この人はその中心人物です。2匹の猿が描かれ、1匹は手の毛づくろい?をしていて、もう1匹はその背中に肘を置いている姿が描かれています。フワフワっとした感じで輪郭線が無いように観えるかな。解説によると沈南蘋の精密な描写を取り入れているそうで、動物をよく観察していたようです。どこか観ていて和むような作品でした。
隣にはタヌキの絵もありました。

江戸 狩野探幽 「四季花鳥図」 ★こちらで観られます
こちらは4幅対の作品で、右から春夏秋冬の花鳥が描かれています。細やかに描かれているところもあれば簡略化されたところもあって、独特のリズムと生き生きとした感じを受けました。解説によると、探幽は豪放な画風から余白や余韻を持たせた穏やかな画風に変わったそうです。

江戸 宋紫石 「蓮池水葵図」
これも掛け軸で、池に生えるピンクの蓮の花のつぼみと、斜めに伸びる茎と葉っぱが描かれています。その茎の斜めに横切っている構図が大胆で驚きました。また、葉っぱはにじみを使った表現となっていて味わい深い色合いです。解説によると、全体的には精密で南蘋派からの影響があるようですが、上部に大きく取られた余白は江戸ならではの感性のようでした。

江戸 酒井抱一 「白梅雪松小禽図」
これは2幅対の作品で、右幅は左に向かって枝を伸ばす壺に入った白梅、左幅は右に向かって枝を伸ばす松に雪が積もり鳥がとまっている様子が描かれています。対となるような構図ですが、こちらも(特に右幅)余白の使い方は江戸っぽいのかな。琳派らしさもあって凛とした雰囲気の作品でした。
 参考記事:
  酒井抱一と江戸琳派の全貌 感想前編(千葉市美術館)
  酒井抱一と江戸琳派の全貌 感想後編(千葉市美術館)

江戸 葛飾北斎 「宝珠を搗く月兎」
北斎の肉筆の掛け軸で、大きな満月の中で餅つき?をしている擬人化されたウサギが描かれています。赤い目をしたウサギはあまり可愛くなくてちょっと怖いw 杵の中は何故かビリヤードの玉そっくりなのも謎でした。宝珠?

江戸 柴田是真 「四季の花図」
この人は漆絵などで有名な人ですがこれは漆絵ではなく、岩の近くに咲くリンドウ、桔梗、なでしこ、福寿草、すみれ等の花が描かれています。1つの画面に春夏秋冬の花が同時に咲いているようですが、特に違和感はないかな。解説によると是真は京の円山派に学んだそうですが、こちらは京とは違った野趣が漂うとのことでした。
 参考記事:柴田是真の漆×絵 (三井記念美術館)


ということで今日はこの辺にしておこうと思います。有名な絵師の作品もありつつ、知らなかった絵師の興味深い作品もあり、非常に参考になります。好きな作品と覚えておきたい作品をメモしようとしたら、ほとんどの作品になってしまいそうな勢いでしたw 後半も面白い作品が並んでいましたので、次回は残りをご紹介しようと思います。


  → 後編はこちら


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