関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

川豊 【成田界隈のお店】

前回ご紹介した成田山新勝寺に行った際、参道にある「川豊」という鰻屋さんで少し遅目のお昼を摂りました。

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【店名】
 川豊

【ジャンル】
 鰻・川魚

【公式サイト】
 http://www.unagi-kawatoyo.com/
 食べログ:http://tabelog.com/chiba/A1204/A120401/12000709/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 成田駅・京成成田駅

【近くの美術館】
 成田山書道美術館

【この日にかかった1人の費用】
 3500円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_③_4_5_快適

【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
非常に混んでいて、お店の前で整理券を受け取って30分ほど待ち(待っている間に新勝寺の一部を観てました)、さらに店内で30分くらい待ったかな。鰻にありつけたのは整理券を貰ってから1時間15分くらい経った頃でした。昼時でも無いのに凄い人気で、夕方も混んでいました。

さて、このお店は成田でも有名な鰻屋さんで、明治43年から続く老舗のようです。成田には近くに利根川や印旛沼があるため江戸の頃から鰻が名物らしく、現在では鰻と飛行機を合わせたゆるキャラが町のあちこちのペナントに描かれているくらいのシンボルとなっています。 このお店はそんな成田の中でも一際の存在のようで、成田駅から新勝寺に行く途中にあるので誰もが目にするのではないかと思います。

1階もあるのですが、私は2階に通されました。中はこんな感じ。
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老舗だけあって建物はちょっと古く、階段が急だったりします。席もそんなに広くはありません。しかし接客が丁寧で、混雑していても気配りが良かったです。

私はこの日、特上重(3800円)と肝吸い(100円)を頼みました。
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人気だけあって脂が乗って香りも良かったです。ちょっと肉薄でタレが多かったかな。私は全ての食物の中で鰻が最も好物なので鰻にはこだわりがあるのですが、確かに美味しいもののこれだけ待つのは長すぎだったのではないかとも思います。

こちらは肝吸い
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こちらはやや薄めの味付けでした。

連れは上重(2800円)と肝吸い(100円)を頼んでいました。上と特上では量が違うようです。

帰りに1階の店先で鰻をさばいている所を見物しました。
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鮮やかな手つきでさばかれ、串を通して焼かれていました。


ということで、非常に人気のお店で名物を頂くことができました。ちょっと労力がかかるのが難点ですが、名物でもあるので新勝寺に行く際にチェックしてみるのも良いかと思います。

おまけ:
この辺は昔ながらの情緒が残る町並みで、どこのお店も鰻のメニューがあるようでした。
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評価




成田山新勝寺の写真

ついこの間の土曜日に、成田山新勝寺に紅葉見物を兼ねて成田詣に行ってきました。(写真は2013年11月23日の紅葉の状況です)

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【公式サイト】
 http://www.naritasan.or.jp/

【施設名】
 成田山新勝寺

【最寄】
 成田駅/京成成田駅


紅葉の時期ということもあってか結構混みあっていて、駅からお寺まであちこちで行列ができるなど賑わいを見せていました。

さて、このお寺は関東でも特に名高い所ですが、私は初めて訪れました。成田空港駅から1駅なので近年では外国人にも人気らしく、江戸時代の絵にもちょくちょく出てくる歴史的な観光地です。紅葉も結構有名らしいので、今回はそれと合わせて足を運んでみました。

このお寺の縁起についてですが、939年に平将門が新皇を名乗った平将門の乱の頃、朱雀天皇の勅命を受けた寛朝大僧正(宇多天皇の孫)が、弘法大師(空海)が敬刻開眼した不動明王を捧持して成田の地に奉安し、護摩を焚いて戦乱が静まるように祈願したことに始まるようです。21日間祈願し、ついに平将門が敗北して関東に再び平和が訪れたのですが、寛朝大僧正が都に帰ろうとすると不動明王からこの地に留まるようとお告げがあったらしく、この成田山新勝寺が開山されました。そしてこのお寺は民衆から厚い信仰を受けるようになり、江戸時代になると一般庶民の旅も盛んとなって「成田詣」と呼ばれる参詣で人気を博しました。今でもお正月や節分の時期は多くの人で賑わうのですが、紅葉の時期も人気のようですね。
 参考記事:成田へ-江戸の旅・近代の旅- (旧新橋停車場 鉄道歴史展示室)

最初の写真の総門をくぐるとこちらの仁王門があります。
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その名の通り、門の両脇に密迹金剛、那羅延金剛の像があり、わらじなどがかけられていました。その裏には広目天、多聞天の像もあります。

仁王門をくぐると早速 紅葉した木々が見えました。
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結構急な階段があるので登るのが大変です(エレベーターもあります)が、左右を見渡す余裕があれば綺麗に色づいています。

まずは正面の大本堂でお参りしてきました。
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行った時はちょうど護摩を焚いている時でした。中には中央に大きな不動明王像が見えます。 なお、この大本堂の脇には護摩の受付もあるので、願い事がある方は護摩を炊いて貰えるようです。

こちらは大本堂の脇にある三重塔。
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1712年に建立された25mもある塔で、荘厳な装飾が施されていました。

続いては敷地の左側にある出世稲荷という所へ行きました。向かう途中にも紅葉した木々があります。
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こちらは出世稲荷。
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お稲荷さんなので、近くに油揚げ(200円)を売っているお店があり、私も1つお供えしてきました。出世は要らないけどお金に縁が欲しい…w

こちらは出世稲荷の近くにあった寄付した人たちの石碑。何だか味があります。
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再び大本堂方面に戻ってこちらは1858年に建立された釈迦堂。
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厄除お祓いの祈祷所らしく堂々たる建築です。

続いて大本堂の裏手にある光明堂。
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こちらは1701年に建立で大日如来、愛染明王、不動明王が奉安されているすです。この裏には奥の院の洞窟もあるのだとか。 また、近くには額堂、開山堂といった建物もありました。

この辺は結構、紅葉が綺麗です。
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行くのがちょっと遅かったので段々夕日に染まってきていますw

こちらは平和大塔。
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写真だと小さく見えますが、むちゃくちゃ大きな塔で高さ58mもあります。一番下は資料館になっていて、新勝寺の歴史や関係の深い人々について紹介されていました。歴代の市川團十郎から篤い信仰を受け、関連の歌舞伎も披露されたようです。

平和大塔の横の紅葉とそのアップ。
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ちょうど見頃のようでした。夕日に当たって一層綺麗に見えます。

すっかり日が暮れてきましたが、平和大塔の下にある成田山公園で今回の目的の1つである紅葉見物をしてきました。
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ここは西洋風ですが、この先は和風の庭園となっています。ここからぐるっとお寺の敷地を反時計回りに一周する感じで大本堂の右側へと向かっていきます。

少し進むと水辺がありました。
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ここは西日が入りづらいので15時半以降はちょっと暗めでしたが、非常に綺麗な所です。
緑、赤、黄色と色の移り変わりが目を楽しませてくれます。
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もうちょっと早い時間に行けばもっと綺麗だったのかもw 
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もう薄暗い時間に行ってしまいました。

ちなみにこの庭園内には書道美術館もあるようでしたが、残念ながら既に閉館時間となっていました。
 参考リンク:成田山書道美術館


ということで、もうちょっと早い時間に行けばもっと良かったと思いますが、お寺も紅葉も楽しむことができました。今年(2013年)は紅葉の見頃ももうすぐ終わってしまいますが、ちょっとした小旅行にもなるし見どころも多いのでお勧めの紅葉スポットです。

 


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評価




【川崎市岡本太郎美術館】の案内

前々回前回とご紹介した日本民家園に行った後、同じ生田緑地にある川崎市岡本太郎美術館も観てきました。

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【公式サイト】
 http://www.taromuseum.jp/

【会場】川崎市岡本太郎美術館
【最寄】向ヶ丘遊園駅/登戸駅


【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
お客さんは結構いましたが、快適に鑑賞することができました。

さて、この美術館は日本の現代アーティストの中でも最も著名なアーティストである岡本太郎の作品を集めた美術館となっています。生前に本人から寄贈された作品が1700点以上所蔵されているようで その一部を常設としていて、他に企画展として他のアーティストの作品を展示するようです。

今回は急ぎ目だったので特にメモを取らずに観てきたのですが、常設展は絵画作品・彫刻作品、過去のプロジェクトに関する展示、椅子などが並んでいました。以前ご紹介した岡本太郎展で観た作品も多々置いてあり、その記憶が甦ってきました。「傷ましき腕」など初期の頃の作品などもあります。
 参考記事:生誕100年 岡本太郎展 (東京国立近代美術館)

基本的に館内は撮影禁止なのですが、撮影可能な場所が1箇所だけありました。
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こちらの椅子のコーナーは実際に椅子に座って記念撮影することができます。
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この手の椅子に座ってみたかったw 思ったより座り心地が良いかな。手前の顔のような椅子は何度か座ったことがあるのですが、ゴツゴツしていて座り心地はよくありません。 生きていることを実感できるという意図があるようです。
 参考記事:
  岡本太郎の50年 (岡本太郎記念館)
  生命の樹 (岡本太郎記念館)
  顔は宇宙だ。 (PARCO FACTORY パルコファクトリー)

もちろんこれ以外にも多くの作品があり全部観るのには1時間くらいかかりました。(企画展も別途あります)


ということで今回も岡本太郎の作品を楽しむことができました。お土産には岡本太郎作品のガチャガチャもあって、これは久々に回してみたくなりました。 生田緑地には様々な施設がありますが、こちらもおすすめのスポットです。




…今日はメモも無く内容が薄かったので、2本立てですw 川崎市岡本太郎美術館に行った際、併設の「カフェテリアTARO」にも寄ってお茶してきました。

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【店名】
 カフェテリアTARO

【ジャンル】
 カフェ

【公式サイト】
 http://www.itca-1975.co.jp/taro/index.html
 http://www.taromuseum.jp/cafeshop/cafeshop.html
 食べログ:http://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140506/14010415/
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 向ヶ丘遊園駅/登戸駅

【近くの美術館】
 川崎市立日本民家園
 川崎市岡本太郎美術館
 かわさき宙(そら)と緑の科学館

【この日にかかった1人の費用】
 1100円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_3_④_5_快適

【混み具合・混雑状況(日曜日15時半頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
こちらも結構お客さんはいましたが、特に待つことなくお店に入ることができました。結構地元の方が散歩で寄っているようです。

店内はこんな感じ。
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全面ガラス張りで明るいカフェです。テラス席もあり外は犬連れのお客さんがいました。 ちなみにここは横浜美術館のcafe小倉山と同じ会社が経営しているようです。
 参考記事:Cafe 小倉山 (桜木町界隈のお店)

この日、私は『TARO』限定 太陽のパルフェ(680円)とゆずソーダ(400円)を頼みました。
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行ったのは結構前のことなので細かいことは忘れましたが、甘さとベリーの酸味が合っていて美味しかったのは覚えています。ゆずの方も香りが良かったかな。

連れはケーキとアイスティーにしていました。
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ということで、爽やかで開放的なお店で美味しいティータイムをとることができました。ここは生田緑地なので緑も多く、店内からは屋外の岡本太郎作品なども見えるのでお茶しながら楽しむことができました。もしこの美術館に行くことがあったら寄ってみることをお勧めします。


 参照記事:★この記事を参照している記事




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評価




そば処 白川郷  【日本民家園内のお店】

前回ご紹介した日本民家園に行った際、園内の合掌造りの家の中にある「そば処 白川郷」というお店でお昼をとりました。

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【店名】
 そば処 白川郷

【ジャンル】
 蕎麦

【公式サイト】
 http://www.nihonminkaen.jp/shokuji.htm
 ※営業時間・休日・地図などは公式サイトでご確認下さい。

【最寄駅】
 向ヶ丘遊園駅/登戸駅

【近くの美術館】
 川崎市立日本民家園
 川崎市岡本太郎美術館
 かわさき宙(そら)と緑の科学館


【この日にかかった1人の費用】
 650円程度

【味】
 不味_1_2_3_④_5_美味

【接客・雰囲気】
 不快_1_2_③_4_5_快適

【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【総合満足度】
 地雷_1_2_3_④_5_名店

【感想】
意外と混んでいて、ほぼ満席といった感じでした。この時は特に待つことはなかったのですが、お昼時はどうかな??

さて、このお店は園内の信越の村にある旧山下家住宅の1階にあります。19世紀前半に飛騨白川郷に建てられた歴史ある建物で、神奈川県指定重要文化財となっています。

中はこんな感じ。
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電気が多いのでそれほど古い感じはしないかもw 低いテーブルで座布団に座って食事します。

私はこの日 冷やし山菜蕎麦(650円)を頂きました。
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これが予想以上に美味しくて、腰があり香りも良かったです。国産のそば粉を使った自家製麺なのだとか。山菜の方も味が濃くて風味がありました。

連れはとろろ蕎麦(630円)を頼んでいました。
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こちらも蕎麦ととろろがよく合って美味しかったようです。


ということで、思った以上に美味しい蕎麦を頂くことができました。このお店の2階は資料館にもなっているので、寄った甲斐がありました。もし日本民家園に行かれる際にはお勧めのお店です。



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評価




【川崎市立日本民家園】の写真 (2013年10月)

もう1ヶ月以上前ですが、10月の上旬に川崎市多摩区にある川崎市立日本民家園に行ってきました。

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【公式サイト】
 http://www.nihonminkaen.jp/

【会場】
 川崎市立日本民家園

【最寄】
 向ヶ丘遊園駅/登戸駅


【感想】
この施設はかなり広大なので、混んでいるという感じはしませんでした。しかし桜や紅葉の時期、文化の日などは混雑することもあるそうです。

さて、この施設はその名の通り古民家を集めた建物園のようなところで、生田緑地に23軒もの建物が並んでいます。同じ神奈川県内には三渓園もありますが、こちらは民家・商家のみで、江戸時代から戦前あたりの時期の建物となっています。旧所在地は各地(大半は東日本)に渡っていて、各地域の特徴に合った機能的かつ個性的な建築となっているのが魅力で、それぞれの中に入って見学することもできます。写真を撮ることもできましたので、詳しくは写真を使っていくつかご紹介していこうと思います。
 ※当サイトからの画像および文章の転用は一切禁止とさせて頂いております。

 参考記事:
  三渓園の写真 (2013年6月 外苑編)
  三渓園の写真 (2013年6月 内苑編)
  江戸東京たてもの園 の写真 その1
  江戸東京たてもの園 の写真 その2
  江戸東京たてもの園 の写真 その3
  二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年 (パナソニック 汐留ミュージアム)


これは入口の地図。こんなに建物があります。大きく分けて、宿場、信越の村、関東の村、神奈川の村、東北の村となっていました。
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この地図ではわかりませんが、敷地内はアップダウンが多いので、結構な運動になりますw お年寄りには若干大変かもしれません。

これは入口付近にある「旧原家住宅」
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3世代の家族と使用人7~8人が住んでいた立派なお屋敷で、大正2年に建てられました。肥料や油の問屋を営んでいたお宅のようです。

中はこんな感じ。
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様々な道具も昔のように残っています。奥座敷や広間もあり、洋風を取り入れているところもありました。


<宿場>
少し進んで行くと宿場町になっています!w
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こちらは旧鈴木家住宅。福島で江戸時代(19世紀初頭)に建てられました。
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お勝手と座敷になっているところで、ここに寝るのかな。
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この写真で私が立っている場所は馬を繋げる場所になっていて、馬ごと家の中で泊まるようでした。

これは井岡家住宅。奈良にあった(17世紀後半~18世紀初頭)商家で、「油」という看板が目につきました
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中はこんな感じ。
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私が行った日は暑かったのですが、中に入ると涼しく快適でした。ここは畳の部屋が多かったかな。ボランティアの方が色々と説明してくれます。

こちらは旧三澤家住宅。長野県で19世紀中頃に建てられました。
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板葺き屋根が特徴的な建物で、この地方は良質な木材に恵まれていたので、その地域性が出ているようです。この家は薬屋さんだったようで、門構えと前庭付きの式台が許されているのは家の格が高かったことを示しているようでした。


<信越の村>
続いては信越地方の建物が集まった地域です。

こちらは長野にあった水車小屋
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かなり大きめの水車で目を引きました。中の様子も観ることができます。

これは有名な岐阜と富山の境辺りの合掌造りの旧江向家住宅
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豪雪地帯ならではの急勾配をもつ屋根が特徴です。この辺には何軒か合掌造りの家があり、1軒は食堂になっていました。(次回ご紹介しようと思います)


<関東の村>
小さなトンネルを抜けると関東の村となっていました。

これは山梨にあった広瀬家住宅(17世紀末)
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とにかく大きい!w 切妻屋根で、軒が低く壁が多いという外見的な特徴と、四つ建と呼ばれる柱の構造に特徴があるようでした。


<神奈川の村>
続いてはご当地神奈川県にあった建物が集まった地域です。

これは神奈川県秦野市にあった北村家住宅で、材木への記載から1687年築と判明しているようです。
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中はこんな感じ。
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竹簀子と板の間を使って部屋を分けていたようです。


<東北の村>
続いては東北の村が集まる地域です。

これは山形県の菅原家住宅(18世紀末)
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入口の上にある高窓は養蚕のためのハッポウというものらしく、非常に特徴的です。周りの壁が頑丈そうに見えるのは豪雪対策のようでした。

これは岩手県の工藤家住宅(18世紀中頃)
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これは岩手各地にあった「曲り家」で、L字に曲がってるのが特徴です。馬と一緒に暮らす家ですね。
 参考記事:遠野の写真 (番外編 岩手)


<船越の舞台>
最後はどこの分類でもないのですが、船越の舞台という建物がありました。

これが船越の舞台。三重県志摩の漁村にあった舞台で、歌舞伎芝居などが行われたようです。
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写真で見るより結構大きな建物です。ボランティアの方が非常に親切に解説してくれました。毎年11/3にはここで実際に舞台が行われるそうです。

これは建物の地下部分。
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ここはいわゆる奈落で、これを回すと上の舞台が回転する仕組みになっています。

これが舞台。先ほどの回転部分が円になっているのが分かります。
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この他にも様々な仕掛けがあり、地方の漁村にこれほどまでの劇場があったのかと驚かされました。

こちらは舞台裏。
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今までの興行の記録などもありました。相当な実力者が取り仕切っていたようです。


ということで、非常に面白い建物が並んでいました。一口に民家と言っても千差万別で、地方の特色が出ているのが面白いです。日本の伝統建築の奥深さも知ることができるし、お勧めのスポットです。神奈川県民は遠足で行く場所のようですが、それ以外の県の人は中々気が付かない穴場かも??


おまけ:
ここは紅葉も綺麗な所のようです。もしかしたら今頃は綺麗なのかな?(憶測ですが)
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評価




Drinking Glass-酒器のある情景 (感想後編)【サントリー美術館】

今日は前回の記事に引き続き、サントリー美術館の「Drinking Glass-酒器のある情景」の後編をご紹介いたします。前編にはガラス酒器の成り立ちなどについても記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。

  前編はこちら

2013-11-03 18.14.14

【展覧名】
 Drinking Glass-酒器のある情景

【公式サイト】
 http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_4/index.html

【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅


【会期】2013年9月11日(水)~11月10日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前編では「捧ぐ」「語らう」「誓う」といった用途についてご紹介しましたが、後編は残りの2つの章と現代の作家の章についてです。


<Ⅳ 促す>
ガラスの装飾技術そのものが発達するにつれ自由な造形が生み出されると、様々な暗示や政治的思想、国家の繁栄などを願うものが彫られた品や、メッセージ性の強い品が登場したようです。また、技巧を駆使した杯は客人を驚かせるステイタスシンボルにもなり、周囲へのアピールとなりました。ここにはそうした政治・教訓・自負心などを促す役割の酒器が並んでいました。

54 「レースガラス蓋付ゴブレット」 ヴェネチア 16世紀
これは白い模様がレース編みのように表された「レースガラス」の大きめのゴブレットで、編みこまれた模様が軽やかかつ可憐な印象を持たせています。これは白いガラスと透明のガラスを合わせて作られるのですが、実際に使うものというよりは飾るためのものだったようです。何度見ても技術の高さに驚かされる逸品でした。
 参考記事:あこがれのヴェネチアン・グラス ― 時を超え、海を越えて (サントリー美術館)

この近くには船の形の器もありました。

64 「神聖ローマ帝国双頭鷲文フンペン」 ボヘミア 1677年
これはフンペンというビールジョッキをさらに縦長にしたような器で、双頭の鷲が側面に描かれています。この紋章は神聖ローマ帝国のもので、羽にはその属国であった公国や城都などの紋章が連なり、迫力と威厳があります。解説によると、神聖ローマ帝国は当時 争いと分裂を繰り返していたようで、これによって帝国の存続を促す意図があったようです。また、この近くにはフンペンが4つ並んでいたのですが、16~18世紀にかけてビールやワインを飲み回すために使っていたようです。一気に飲み干したらしいけど、どれも数リットルは入りそうな大きさで、そちらも驚きでした。

この近くにはゴールドサンドイッチというガラスとガラスの間に金の装飾を挟み込んだ酒器などもありました。

95 「狩猟文リキュールグラスセット」 スペイン 19世紀
これは小さなグラスや2本の瓶が並ぶリキュール・グラスのセットで、薄い黄緑色で草が表され中央には白い鹿が描かれています。当時の狩猟はステイタスシンボルだったようで、これはそれを誇示する役目もあったようです。可憐で軽やかな模様が好みの作品でした。

上階の展示はこの辺りまでで、続いては下階です。


<酒器の今>
階段下は酒器の今ということで、現代の日本の6人の作家の作品が並んでいました。

179 松島巌 「虹彩水玉文有脚杯」
これは小さな脚付きの器で、金色、赤、紫、緑などに光る表面となっていて、絵なのか模様なのかは分かりませんが、色合いが雅な雰囲気です。解説によると、この方は古代エジプトのコアガラスに魅せられ古代の技法に独学で取り組んでいるそうで、古代オリエントの技法を使いながら蒔絵や料紙を思わせる日本的な美意識の作品を作っているようです。ここにはずらっとそうした作品が並び、レース文様など優美な器もありました。

177 小川郁子 「切子 酒器 一式」
緑や青、赤といった色を使った切子の器(カットグラス)が並ぶ一式です。この方は江戸切子の職人のもとで9年修行したそうで、現代的な感性と江戸の伝統の両面を感じさせる作風です。その色合いが美しく、輝いて見えるかな。女性らしい感性もあるようで華やかな雰囲気の作品でした。


<Ⅴ 祝い、集い、もてなし、愉しむ>
酒といえば宴がつきものですが、宴には多様な酒器が使われるようです。客人を招いた際に特別に使われるもてなしの酒器や、余興に使われる酒器、夏の宴席に使われる清涼感のある酒器など、ここには様々な宴の酒器が並んでいました。

116 「鹿形パズルゴブレット」 ドイツ 17世紀末 ―18世紀
杯の中に長い柱があり、その上に鹿が乗っかっている鹿型のゴブレットです。これは普通に飲もうとすると鹿の細工に鼻がぶつかって飲めないようで、台座の付け口の穴を塞いで鹿の口を吸うと、サイフォンの原理で飲めるようになるという仕組みのようです。余興に使われたそうで、特殊な作りが興味深い作品でした。

隣には乙女が杯を持ち上げてスカートが杯になっている品もありました。

126? 「水色徳利」 日本 18世紀後半 ―19世紀前半
これは水色というよりはやや緑っぽい色の徳利で、首が極細でしずくのような優美な曲線の胴をしています。色合いとともに涼しげで何とも言えない気品があります。江戸時代には美人を表すのに「びいどろの徳利を逆さにしたような」という例えがあったそうで、これはまさに江戸の美女のような美しさでした。

128? 「紫色急須・猪口」 日本 18世紀後半 ―19世紀前半
これは紫色のガラスの急須と、小さな六角形のおちょこのセットで、どちらも落ち着いた色合いで艶やかな雰囲気があります。その形も凛としていてかなり好みでした。江戸のガラス器は格調高く涼しげな印象を受けます。

この近くは江戸時代の作品が並び、サントリー美術館でも人気の122「藍色ちろり」123「藍色縁杯」や、薩摩切子の160「薩摩切子藍色被船形鉢」157「薩摩切子紅色被栓付瓶」 161「薩摩切子紫色被ちろり」といった作品なども並んでいました。

147 「練上手徳利・脚付杯」
これは「練上手」というマーブルガラスの一種の技術で作られた徳利で、黄色、赤、緑など様々な色が交じり合っています。その色合いの変化が面白く、1つとして同じにはならないようです。形もスラっとした徳利で、変わった色と共に楽しめました。

167 「金赤リキュールグラスセット」 バカラ社、フランス 20世紀初頭
これはガラスの箱に入った赤い地に金の装飾が施されたグラスセットです。バカラ社によって作られたらしく、薔薇のような色が高貴な印象です。これは食後に使われたもののようですが、見ているだけでも贅沢な気分になれる品でした。

170 エミール・ガレ 「葡萄文栓付瓶」 フランス 1900年
これは赤い地にビー玉みたいなものがいくつもハマったやや緑がかった透明の蓋が付いた瓶です。玉は葡萄の実を思わせ、葉やつたが胴を取り巻いているようにも見えるかな。解説によると、側面にボードレールの「毒」という詩の一部が書かれているようで、背面にそれっぽい文字が刻まれていました。

この近くにはアールデコ風の作品もありました。


ということで、見た目が綺麗なだけではなく造形や機能の美しさも備えた作品を観ることができました。一言にガラスの酒器といっても文化によって様々な形態を持っていることがよく分かり参考になりました。この美術館は年に1度くらいはこうしたガラス器のコレクションの展示を行うので、またしばらくしたら観る機会があると思います。その時を楽しみに待とうと思います。


 参照記事:★この記事を参照している記事



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評価




Drinking Glass-酒器のある情景 (感想前編)【サントリー美術館】

先週の日曜日に六本木のサントリー美術館で最終日となった「Drinking Glass-酒器のある情景」を観てきました。この展示は既に終了していますが、今後の参考としてご紹介しておこうと思います。メモも多めに取ってきましたので、前編・後編に分けて書いて参ります。

2013-11-03 16.01.25

【展覧名】
 Drinking Glass-酒器のある情景

【公式サイト】
 http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2013_4/index.html

【会場】サントリー美術館
【最寄】六本木駅/乃木坂駅


【会期】2013年9月11日(水)~11月10日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
最終日だけあって結構お客さんは多めでしたが、自分のペースで観ることができました。

さて、今回の展示はガラス製の酒器がテーマで様々な地域・時代の作品が並んでいました。ガラスの歴史は4000年前にさかのぼり、当初は不透明な素材だったようですが紀元前8世紀以降に透明へと移行し、中が透けて景色を楽しめるようになるとワインやビールなどの酒器として使われ発展したようです。展示ではその用途によって章分けされていましたので、各章ごとに気に入った作品と共にご紹介しようと思います。


<Ⅰ 捧ぐ>
4000年以上前に始まったガラスは、西アジアやエジプト、エーゲ海のミケーネなどで作られるようになったようです。艷やかで熱で加工しやすいのでラピスラズリやトルコ石などの輝石を目指して作られ、ファラオの身を飾る装身具や葬送品に使われました。そしてガラス器は紀元前16世紀半ばにメソポタミアやエジプトで王族のもとに作られ、権力者への捧げ物となったようです。また、酒は人の穢れを払い神への畏敬を表す場面と共にあり高貴な方たちの儀礼などにも使われるようになりました。ここにはそうした捧げ物としての酒器が並んでいました。

02 「獅子頭形杯」 アケメネス朝ペルシャ 前5-4世紀
これはライオンの頭を持った角杯で、こうした杯は元々金属で作られていたようですがガラス器も作られるようになったようです。ほとんど透明感はなく顔のあたりは緑色に光っています。当時は動物の体の中に注がれた液体にはその動物の持つ特別な力が漲っていると考えられていたようで、それを得るために獅子の形になっているのかな。見事な造形で技術の高さが伺えました。

この隣には鹿の形の作品もありました。

17 「カットガラス碗」 ササン朝ペルシャ 3-7世紀
これはお椀のような形のガラス器で、3~7世紀のササン朝ペルシャで作られたようです。かなりボロボロで当時の様子は分かりませんが、側面には亀甲のような文様が入っていてこうした品は周辺諸国からの貢物へのお礼として作られたようです。日本の正倉院などにも似たものがあるようで、この近くには同様の器が数点並んでいました。ボロボロなのは土に埋まっていた間に銀化してしまったそうで、当時は透明感があったそうです。当時の文化の伝播も伺える品のようでした。


<Ⅱ 語らう>
紀元前13世紀頃になるとギリシアでは既にワイン文化が普及し、水で割って飲むのが一般的だったようです。その為、混酒器や注酒器、酒杯、貯蔵器、運搬器など主に陶器によって様々な種類の器が作られたそうで、古代ローマにも紀元前1世紀頃に急速にワイン文化が普及しました。また、紀元前50年頃には恐らくシリア・パレスチナ地方で吹きガラスが発明されるとガラス器がスピーディに作ることができるようになり、市民生活に身近なものとなったようです。陶器や金属器の酒器はガラス器にも影響を与えたようで、ここには酒宴など語らいの場で使われた器が並んでいました。

24 「脚付杯」 西アジア 前4世紀
これはエメラルドグリーンの大きめの杯で、脚がついているものの取っ手などはありません。(当時はまだ手をつけるのは難しかったそうです。) この頃ワインを水で割る為の器として「混ぜる」という意味の「クラテル」という器も生まれたようで、これは厳密にはクラテルではないものの、側面には計量に使ったような線もあり、その使い方を想像させました。中々綺麗な色合いの器です。

25 「カット装飾碗」 東地中海沿岸地域もしくは西アジア 前4世紀
これは無色透明のやや底の浅い杯で、「フィアラ」と呼ばれ寝っ転がって酒を飲むのに使われたそうです。底には16枚の花びらが2重に広がるようにカットが施されていて、かなり技術があったようです。なお、当時は寝っ転がってワインを飲みながら語り合う文化があったようで、それはそれで驚きでしたw


<Ⅲ 誓う>
今も昔も酒は誓いの場面に使われ、世界各国の婚礼の場では共に酒盃を交わし愛を誓います。また、仲間内でも友情を確かめ合うなど人間同士の誓いに使われてきました。一方、酒は神への信仰心や忠誠を誓うものとしても使われてきたようで、ここにはそうした誓いに使う酒器が並んでいました。

45 「スターラップ二重グラス」 ボヘミア 18世紀初頭
透明なガラス器の側面に紋章のようなものが描かれ、その下には逆さになっているもう1つの杯がくっついた変わった形の品です。これは旅や狩猟で出立する人の成功を祈って別れ際に酒を酌み交わすためのもので、一方で飲んでから相手に渡しもう一方の方で飲んでいたようです。まさに儀式的な品で、酒器が単なる器ではなかったことが伺えました。

この近くには女性像を型取り、持ち上げた杯とスカートが呑口になっている作品もありました。この辺りはサントリー美術館の所蔵品だけど久々に観た感じ。

46 「鳥動物文ティアードゴブレット」 ボヘミア 18世紀
これは大小の2つの杯が2段になっているゴブレットで、婚礼で使われた品のようです。大きな下段を新郎が飲み小さな上段は新婦が飲んでいたらしく、下段の側面には鹿、鳩、鶏に説教する狐が表されています。解説によると、これらはそれぞれ意味があるようで、闇を駆逐する光、平和、偽善(偽善に騙されるな)という教訓が込められているそうです。一方、新婦の方の上段はハートの上に向き合う2羽の鳩が表され、平和と愛を示しているようでした。2人の門出を祝いつつ教訓も与える可憐な品でした。

この近くには江戸時代の切子三ツ組盃・盃台などもありました。これも婚礼に使われた品で、三三九度の語源にもなっている品です。

50 「フリーメイソン文ゴブレット」 イギリス 1868年 ★こちらで観られます
こちら無色透明のゴブレットで、側面に定規とコンパスに囲まれた目の文様が刻まれています。この文様は秘密結社フリーメイソンのシンボルマークで、結社への忠誠を誓う言葉も書かれているそうです。ちょっと妖しげな感じですが、神秘的で儀式的な雰囲気がありました。


ということで、長くなってきたので今日はここまでにしようと思います。ガラスの酒器に絞っても様々な文化や時代の作品があるので情報量の多い展示だったと思います。この後にも近代の名品が並んでいましたので、次回はそれについてご紹介していこうと思います。


  → 後編はこちら



 参照記事:★この記事を参照している記事



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評価




映画「清須会議」(ネタバレなし)

最近忙しくて中々記事が書けず、更新が滞っております…。次の記事を準備中なので、先に昨日観てきた映画「清須会議」についてご紹介しておこうと思います。

2013-11-16 14.30.14

【作品名】
 清須会議

【公式サイト】
 http://www.kiyosukaigi.com/index.html

【時間】
 2時間30分程度

【ストーリー】
 退屈_1_2_3_④_5_面白

【映像・役者】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【総合満足度】
 駄作_1_2_3_④_5_名作

【感想】
公開したばかりということもあり、多くのお客さんが集まっていました。これは結構なヒットになるのかも。

さて、この映画は「ステキな金縛り」以来の三谷幸喜氏が手がけた作品で、織田信長が本能寺の変で討ち死にした後の後継者を決める「清州会議」を舞台とした物語となっています。その為、主要な登場人物は歴史上の人物で、話自体も史実に則ったものとなります。ネタバレするまでもなく、その後の歴史はよく知られていると思いますが、この会議がどのように行われたのかは私は全く知らなかったので、公開前から楽しみにしていました。
 参考記事:
  種田陽平による三谷幸喜映画の世界観 (上野の森美術館)
  映画「ステキな金縛り」(軽いネタバレあり)

三谷幸喜氏の作品はコメディ要素が強いと思いますが、この作品はむしろ歴史マニアの側面のほうが強く出ていて、駆け引きやそれぞれの人物を描くことに力を入れている感じがしました。所々で笑いを誘うところもありますが、前作の「ステキな金縛り」ほどコメディ中心ではないかな。かと言ってシリアスな時代劇というわけでもないのですが、信長周辺の人々についてや各人物の背景などについて説明的なところはそれほど多くないので、公式サイトで分かる程度の事前知識があったほうがより楽しめると思います。

今回の見所の1つは主演級の役者たちの共演で、これは特に柴田勝家役の役所広司 氏の演技が目を引きました。真面目で一本気なのにどこか抜けている感じで、柴田勝家と三谷作品のイメージが重なったようなキャラクターに仕上がっていました。腹黒い秀吉との対決に不安を覚えつつ応援したくなりますw 他の武将や織田家の人々を含めて26人もの人物が出てくるのに、どれも鮮明の思い出せる個性を出していたのは史実や小説の土台があるとしても見事だったと思います。

ということで、今までの三谷作品の面白さもありつつ、今までに無かった要素と方向性が見られたように思います。私はあまり歴史に詳しくないので、そう言えばこの人達ってこの後どうなったんだろ?と映画を見終わった後に色々調べたくなりました。 私としては今までの三谷映画の中では一番興味深い作品でした。



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評価




山寺 後藤美術館コレクション展 バルビゾンへの道 【Bunkamuraザ・ミュージアム】

この前の土曜日に、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「山寺 後藤美術館コレクション展 バルビゾンへの道」を観てきました。

P1130363.jpg

【展覧名】
 山寺 後藤美術館コレクション展 バルビゾンへの道

【公式サイト】
 http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/13_yamadera.html

【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅


【会期】2013/10/20(日)~11/18(月) 
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
お客さんは結構いましたが、自分のペースで観ることができました。

さて、今回の展示は山形県にある山寺 後藤美術館が持つ洋画の展示となっています。山寺 後藤美術館は700点のコレクションがあり、その中核を成すのはバルビゾン派だそうで、今回はバルビゾン派に至るまでの道を辿るように、17世紀の宗教画から19世紀の風俗画まで、250年のヨーロッパの絵画の歴史を俯瞰するような内容となっています。去年の春頃にも山寺 後藤美術館の展示を観た覚えがありますが、今回はさらに点数が多めで約70点の作品がテーマごとに分類されていました。詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介しようと思います。
 参考記事:ヨーロッパ絵画に見る 永遠の女性美 (ニューオータニ美術館)


<神話・聖書・文学>
まずはかつて一番格上の画題とされた宗教画や歴史画のコーナーです。15世紀末に盛期に達したルネサンス絵画は19世紀に至るまでヨーロッパ美術の規範で在り続けたそうで、古代ギリシア・ローマの神話と聖書や聖人たち基づく主題を描くことが絵画の志向の役割であると考えられていたようです。特に17世紀以降ヨーロッパ各国に王立や帝室のアカデミーが設置されるとこの役割は規則として定められ、神話・宗教・歴史の出来事・英雄を描く絵画が「歴史画」と総称され最も重要な使命となり、アカデミーは主題を規定するだけでなく様式・技法に至るまで画家に制約を課したようです。教育の場や展覧会でもそれは徹底され、自由な創造性を奪うことにもなりましたが、一方ではアカデミックな作品には長い修練の後に習得した技法を駆使して精緻に描き上げられた確固たる様式があり、主題を読み解く楽しみもあるそうです。ここにはそうしたヨーロッパで長く主流を務めた作品が並んでいました。

5 バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 「悲しみの聖母」
これは青いフードを被ってやや上を見ている聖母マリアが描かれた作品で、目には大粒の涙があり、十字架の上で犠牲となったイエスを見上げ悲嘆に暮れている様子のようです。この構図は似たような作品が結構あるように思いますが、こうした描き方がアカデミーの典型なのかもしれません。柔らかな光が体を包み、悲しげながらも神秘的な雰囲気がありました。
 参考記事:聖母像の「到来」 (東京国立博物館)

10 フランチェスコ・サルヴァトール・フォンテバッソ 「東方三博士の礼拝」
これは馬小屋の前で生まれたばかりのイエスを中心に、マリアとヨセフ、東方三博士たちや何人かの牧童、家畜たちの姿が描かれた作品です。空からは放射線状の光が降り注ぎ、顔に羽が生えた天使たちも舞っています。 全体的に結構粗削りな感じの筆致で、茶色~赤っぽい色合いとなっているのが大胆な印象を受けました、また、小屋の屋根や背景の山、三博士の背中などが左上から右下への斜めの対角線を強く意識した配置になっていて、この構図にも驚きました。この時代にこういう作品があったというのが面白いです。

この辺にはエジプトへの逃避やキリストの洗礼など聖書関連の作品が並びます。

18 ジャン=ジャック・エンネル 「荒れ地のマグダラのマリア」
これは洞窟で岩を背にして足を伸ばして横たわる裸婦を描いた作品で、その脇にはマグダラのマリアを示す香油の壺が置かれています。手を組んで目をつぶり、微笑んでいるようにも見えるかな。真横からの構図はあまり観たことがなかったので面白く感じました。解説によると、(この絵には香油壺や洞窟などマグダラのマリアを示すものはありますが)物語や神話を題材としながらも説明的要素がほとんど省略されて裸婦そのものが中心となった絵画は、19世紀のサロンで飛躍的に増えたとのことでした。

17 アレクサンドル・カバネル 「デスデモーナ」
これはじっとこちらを観て手を組んでいる白いドレスの女性が描かれた作品で、頭には髪飾りがついています。解説によると、主題はシェイクスピアの「オセロ」のデズデモーナという女性で、不貞を働いたというデマによってこの後 夫に殺されてしまうそうです。懇願するようにこちらを見つつも既に表情には絶望の色が伺えるとのことでしたが、私には睨んでいるように見えました。作風とは独特の緊張感がある作品です。


<美しさと威厳>
続いては肖像画のコーナーです。肖像画は近代以前の画家にとって暮らしを営むための重要な手段だったそうで、注文主やその家族への賛辞として制作され、女神や妖精などの愛らしい雰囲気が漂う姿が求められたようです。ヴィーナスなどの女神に見立てて描く女性像も流行する一方、男性は威厳をたたえ身分や地位を観るものに感得させることが求められたようです。そして19世紀に入ると産業革命が起き新しい中間層が生まれ風俗画が好まれ流行し、こうした新興階級の需要を汲み上げたのが画商たちでした。美術品市場が成立すると、画家たちはパトロンの顔色を伺う必要がなくなり注文主の肖像ではない人物像も描くようになったようです。ここにはそうして描かれた愛くるしい少女像や神秘的な女性像などが並んでいました。

35 ジョン・エヴァレット・ミレイ 「クラリッサ」 ★こちらで観られます
これはサミュエル・リチャードソンの小説の主人公の女性を題材にして自分の娘をモデルに描いた作品です。胸前の開いたピンクのドレスと豪華な帽子を被った女性で、手には手紙を持っているのですが、破いているように見えます。遠くを見るような顔がちょっと不機嫌そうに見えるかな。ミレイというとラファエロ前派時代の精緻な画風を思い起こしますが、これは晩年の作品のようで結構筆致は粗めに見えます。しかし、気品ある雰囲気は健在で、背景が暗いこともあって女性は明るく見えました。

この近くには以前ご紹介した「エコーの声を聴く」「少女と鳩(模写)」「愛しの小鳥」などもありました。

41 ジョアッキーノ・パリエイ 「夜会」
これは貴族たちのパーティーを描いた作品で、ドレスの女性2人が廻るように踊り、その横では椅子に座った男とそれに耳打ちしている男、右の方には音楽を演奏している者達の姿があり、左の出入口には身分の高そうな中年女性が到着して出迎えを受けているようです。全体的に華やかですが、騒々しくてどこかいかがわしくもあり、動きや感情が多く感じられました。これは各人のストーリーを想像させて面白いです。


<風景と日々の営み>
続いては今回のメインとも言えるバルビゾン派とその追随者、同時期のレアリスト(現実主義者)などの作品が多数展示されていたコーナーです。風景画は19世紀に入って急速に隆盛したジャンルで、当時は産業の発達によってパリの人口は一気に数倍に拡大し、都市を結ぶ鉄道網の発展など急激な変化があったようです。都市で暮らす中産階級も大いにストレスを感じていたようで、田園へのノスタルジーが高まり富裕層は田園や農村を描いた作品を好んで買うようになったようです。ここにはそうした作品が並んでいました。

56 ポール・ユエ 「春の朝」
ポール・ユエはロマン派の画家でドラクロワと生涯に渡る友情を築いた人物です。この絵には森の中の河とその河畔が描かれていて、舟が浮かび数人が漕いでいるようです。河畔にも白鳥や のんびりと草むらに寝転がった女性など全体的に穏やかな光景となっています。ぼんやりとした空気が漂うような画風で、細部まではあまり描かれておらず粗いタッチはむしろ後の印象派を彷彿とさせます。解説によると、この画家は光の効果によって奥行きを生み出す空間表現や明暗のコントラストに優れていたようで、フランス各地の森や農村などを題材にした作品を残したそうです。自然観察や空間の扱いはバルビゾン派にも影響を与えたようで、この作品からもそれが感じられました。

61 テオドール・ルソー 「ノルマンディーの風景」
平原を描いた作品で、牛が水を飲んでいて画面の上半分を占める空はどんよりした雲が覆っています。筆跡が残った厚塗りとなっていてボリュームある画面かな。牛の近くには人影らしきものがあり、のんびりとした雰囲気がありました。遠くまで見渡せる広々した光景です。

この近くにはコローの作品などもありました。

55 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 「サン=ニコラ=レ=ザラスの川辺」 ★こちらで観られます
これは今回のポスターにもなっている作品で、川岸の樹の下で2人の女性が休んでいる?光景が描かれています。やや灰色がかった空にぼんやりした木々の葉っぱなどからはコローらしい空気感が感じられます。柔らかく詩情溢れる画面となっていました。

65 アントワーヌ・シャントルイユ 「黄昏」
河で水を飲む牛達と牛飼いが描かれた作品で、周りはかなり薄暗く地平線のあたりが黄色くなり夕暮れ時のようです。非常に郷愁を誘われる牧歌的な光景で、暗めの色合いが好みでした。解説によると、シャントルイユはコローの教えで戸外で制作し、ドービニーたちと交わってバルビゾン村で制作したそうです。明るい色調で自らの印象に忠実な絵画を残し、印象派の先駆者とされているとのことでした。

この辺はバルビゾン派から影響を受けた画家たちの作品が並んでいました。

71 ギュスターヴ・クールベ 「波」
これは岩場に打ち寄せる波を描いた作品で、海の上にはヨットも描かれています。さらにその上には覆いかぶさるように雲が広がっていて、荒々しいタッチで力強い印象を受けます。解説によると、これはエトルタの海を描いたものですが、実際にはクールベが亡命したスイスで描いたそうで、記憶にもとづいているようです。しかしそうとは思えないほどに迫力のある画面となっていました。

62 シャルル=エミール・ジャック 「月夜の羊飼い(帰路)」
これは暗い画面の中、沢山の羊と羊飼いが歩いている様子が描かれています。画面中央あたりには輝く月があり、柔らかくも強い光を発しています。羊飼いはそれを見ているようで、月光に羊たちが照らされて神秘的な光景となっていました。


<静物>
最後は19世紀にヨーロッパ各国で描かれた静物のコーナーです。静物は古代ローマの頃から描かれている画題ですが、それがそのまま後世に繋がっているわけではないそうで、盛んに描かれるようになったのは17世紀になってからで、特にプロテスタントだったオランダとベルギーがその中心でした。オランダでは偶像の宗教画の代わりを静物がつとめたようで、そこには教訓やヴァニタス(空虚・虚栄)といったこの世の虚しさや、死への備えなどを表しているようです。ここにはそうした作品が並んでいました。

45 モデスト・カルリエ 「花といちごのある静物」 ★こちらで観られます
大きなピンク色と白の牡丹の花が東洋風の花瓶に入っている様子が描かれた静物画で、その脇には皿に盛られたイチゴもあります。背景は緑で赤やピンクが一層明るく見えて一見すると華やかな印象を受けますが、手前には散った花びらやイチゴ、ポトリと落ちた牡丹の花などもあり儚さを感じさせるモチーフもあります。解説によると、イチゴはマリアを象徴するそうで、命の誕生と死を暗示しているのではないかとのことでした。

49 ジェルマン・テオデュール・リボ 「ざくろのある静物」
これは剥かれたオレンジとザクロ、りんご、ぶどう、ガラスの容器に入ったぶどう酒などが描かれた作品で、これらにはキリスト教的な寓意があるようです。ザクロはキリストの復活、オレンジや林檎は受難、ぶどうとぶどう酒はキリストの血を象徴しているそうで、何か教訓が込められているのかもしれません。大胆な筆使いで描かれ重厚な色合いで、背景が暗いこともあってオレンジとザクロが特に明るく見えました。


ということで、以前観たものも多かったですが、満足することができました。やはりバルビゾン派の頃から絵画は一気に面白くなったのだなと実感できたかなw もう会期も残り少ないですが、西洋絵画の流れを抑えたい方は是非どうぞ。


 参照記事:★この記事を参照している記事




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評価




生誕100年!植田正治のつくりかた (感想後編)【東京ステーションギャラリー】

今日は前回の記事に引き続き、東京ステーションギャラリーの「生誕100年!植田正治のつくりかた」の後編をご紹介いたします。前編には評価され始めた時期のコーナーについても記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。

  前編はこちら

P1130374.jpg


【展覧名】
 生誕100年!植田正治のつくりかた

【公式サイト】
 http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/now.html

【会場】東京ステーションギャラリー
【最寄】東京駅、大手町駅など

【会期】2013年10月12日(土)~2014年1月5日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前半は有名な作品などが中心でしたが、後半はあまり知られていない晩年の作品などもありました。
 参考記事:植田正治写真展 写真とボク (埼玉県立近代美術館)


<小さい伝記 回顧と反復1970年代~80年代>
「童歴」が再評価を受けた後、植田正治は1974年から「小さい伝記」と題した雑誌連載を始め、それは12年間に渡って続きました。その長期連載はまるで自分自身の半生を編集するように新作と旧作、日記と昔語りが入り交じる複雑な構成だったようです。また、70年代には植田正治の活躍と注目度は一気に高まった時期でもあるようで、この頃は回帰と反復が特徴のようです。風土に根付いた写真と共に中断していた演出写真も再開して、自分のスタイルを組み合わせながら新作を発表し、時には先輩たちがかつて試みた芸術写真の技法も取り込んだようです。さらに80年代からはファッション写真を開始し、植田正治の演出スタイルは世間にも広く受け入れられたようです。ここにはそうした70~80年代の人気が決定づけられた時期の作品が並んでいました。

3-21 植田正治 「[小さい伝記]より」
これは下を向いている子供?の後ろ姿を撮ったもので、壁に影が2重になって写っています。透けているので両方影だと思うのですが、ぼんやりしていて上階で観た演出の写真とは違った作風に思えました。それでも何処か植田正治風に見えるのが不思議。

3-01 植田正治 「[音のない記憶]より」
これは1972年(59歳)で初めての海外旅行で行ったヨーロッパで撮った写真で、1974年刊行の2冊めの本格的な写真集「植田正治 小旅行写真集 音のない記憶」に収録されたものです。背の高い木々と空に浮かぶ三日月が撮られていて、縦長で木と月の間が広いので天高い感じを受けます。木々はシルエットのように並んでいて神秘的な雰囲気もありました。解説によると、この写真集は日本で撮影したものよりクラシカルな重厚感があるそうで、この辺には確かにクラシカルな雰囲気の作品が何点か並んでいました。

ちなみに植田正治は旅嫌いで山陰から出ることもあまりなかったそうです。

3-24 植田正治 「[白い風]より」
こちらはカラーの作品で、横一直線に走る一本道と、その両脇の茶色い畑?(砂漠?)が撮られていて、中央にはトランクを持った人が歩いています。こちらは3冊目の写真集「白い風」の1枚で、ソフトフォーカスによるカラー写真が収められ、特殊なレンズを用いて「ベス単フードはずし」と呼ばれる かつての芸術写真でよく使われた手法で撮影しているようです。その為か全体的にぼんやりしていて、現実の風景のような夢のなかのような曖昧な感じがして面白かったです。

この辺には「白い風」の作品シリーズが並んでいましたカラーでぼんやりした感じなのは共通しているかな。子供を撮った写真などもありました。

3-27 植田正治 「[砂丘モード]より」 ★こちらで観られます
これは再び白黒の作品で、砂漠の中でやや斜めに立つタキシード姿の男性が撮られています。顔には黒いお面のようなものをつけ、頭の上には黒い帽子が浮かんでいます。これは上階で観た演出写真と似ていて、背景も砂漠なのでシュールな感じがよく出ています。ちょっと寂しいような怖いような興味をそそる作品かな。
この辺には同じく「砂丘モード」のシリーズが並んでいて、解説によると1983年に妻が他界して失意の中にいた植田正治は、広告ディレクターとなっていた次男の充から励ましを込めてファッション写真の撮影の提案を受けたそうで、そうして制作されたキクチタケオのコレクションカタログは大きな反響を呼んだそうです。砂丘という舞台はファッション写真との相性が抜群だったようで、それ以降 植田正治はブランドやファッション誌のグラビア撮影に精力的に取り組み、一般への知名度も大幅に向上したそうです。

この近くには合成写真の資料などもありました。また、その先には映像があり、1985年の「ARB」というロックバンドの「after'45」という曲のプロモーションビデオが流れていました。これは植田正治が撮ったプロモで、砂丘にメンバーが立っていたり旗を振ったりといった感じの内容でした。私は植田正治に動画作品があるというのを初めて知りましたが、植田正治風の作品であるものの、写真に比べてシュールさは薄らいでいる感じがしました(髪が風になびいたりすると急に現実っぽく見えるせいかも)


<植田正治劇場 ボクのスタジオ 1990年代~2000年>
最後は晩年のコーナーです。90年代にはすでに国内外で高い評価を受けていた植田正治ですが、その頃には鮮やかなカラー写真や多重露光による合成写真などそれまでの作品の枠に留まらない手法に旺盛に取り組んでいたようです。自宅のテーブルに作った極小の空間でオブジェを組み合わせた写真や、花の接写など、この時期は至近距離の作品も際立っているようで、それまでの対象から距離をとってたっぷり間を取る特徴から大きく変化したそうです。また、この時期はカラー写真が多い反面で、黒々とした画面も表れ、ごく私的な印象も強まったそうです。ここにはそうした今までとは違った作風の作品が並んでいました。

4-02 植田正治 「GITANES/シリーズ[幻視遊間]より」
これは砂漠のような所に黒いシルエットの人形?が無数に置かれ、その後ろには惑星のようなものが浮かんでいる作品です。合成かセットを使ったものかは分かりませんが、月面の光景のような感じで、今までの作風を踏襲しつつ新しい試みに挑戦しているのが伺えました。

4-05 植田正治 「[幻視遊間]より」
これは真っ黒を背景にカラーで筍を撮った写真です。筍は皮と共に転がっていて、影が無いので浮かんでいるような感じにも見えます。筍は鮮やかな色合いのため、自然ではない陰影がシュールに思えました。

4-09 植田正治 「[日本びいき]より」
これは東京タワーを見上げる写真で、空にはうろこ雲が浮かんでいます。東京タワーはそびえるような感じですが全体的に茶色っぽいせいか、どこか寂しげに見えるかな。東京に旅行に来た時に撮ったのかな?? この辺には国会議事堂やスクランブル交差点を撮った写真などもあり、これまでの作風とはまた違った感じがしました。

4-21 植田正治 「[花視る]より」
これはピンクのチューリップ?を接写した作品で、かなり大きく部分的に撮っているので何の花かは私にはわかりません。その構図の為か、どことなくオキーフの絵画を彷彿するかな。植物の持つなめらかな線や色合いが美しく写っていました。

最後には2000年7月に他界する直前に撮られた境港の空港付近を撮った写真もありました。野原の草花を撮った写真で、日常の光景といった感じでした。



ということで、後半はまだまだ知らなかった植田正治について詳しく知る機会となっていました。私自身 写真についてはほとんど知りませんが、植田正治は写真自体が面白いので多くの人が楽しめる内容ではないかと思います。ここは非常に交通の便も良いのでお勧めの展示です。


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