関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

オープン・スペース 2017 未来の再創造 【NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)】

前回ご紹介した東京オペラシティアートギャラリーの展示を観た後、同じ建物内にあるNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で「オープン・スペース 2017 未来の再創造」を観てきました。

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【展覧名】
 オープン・スペース 2017 未来の再創造

【公式サイト】
 http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2017/open-space-2017-re-envisioning-the-future/

【会場】NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
【最寄】初台駅

【会期】2017年5月27日~2018年3月11日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
お盆前の土曜日に行ったのですが、子供向けの企画展も行われていることもあり予想以上にお客さんがいました。とは言え、夕方になると家族客が一気にいなくなって快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は毎年模様替えを行っているICCの常設で、3月まで長い会期で行われているものです。科学技術を使った体験型の作品ばかりで、子供が科学に興味を持つきっかけとなりそうなものが多いので家族連れが多いのも納得です(私も子供の頃から地元のこういう施設に入り浸ってましたw) 今回はいくつか異なる会期の企画展も同時に行われていましたので、それぞれ分けてご紹介しようとと思います。

<オープン・スペース 2017 未来の再創造>
まずはタイトルにもなっている常設についてです。中は写真が撮れるところと撮れないところがありましたので、撮れたところは写真を使ってご紹介しようと思います。

緒方壽人(Takram)「Oto-megane」 ★公式サイト
まず入り口に謎の白いモニタが3つあります。
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これは裸眼では何も見えません。何やら楽器の音のようなものは聞こえます

実はこれは偏光レンズを使って観ると映像が観られます。
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この虫眼鏡みたいなのが備え付けてあります。ディスプレイにあるフィルムと虫眼鏡は同じ性質のフィルムで、2枚が揃うと観られる仕組みのようです。

こんな感じの映像でした。
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カメラにも写るのがちょっと意外。


カイル・マクドナルド「群衆を書き尽くす」 ★公式サイト
これは監視カメラに映ったロンドンの映像を観て、そこに映った人や物を選択してコメント(タグ)を付けて投稿するような作品。この人は何してるとか、この車はどうだとか、今まで書き込まれたタグが画面のあちこちに表示されます。私もいくつかタグ付けしてみましたが、英語のタグなどもあって投稿しているのはここだけでないのかも。フランスの作家,ジョルジュ・ペレックの『パリのひとつの場所を書き尽くす試み』という作品にちなんでいるとのことですが、監視社会への警鐘のように思えました。


徳井直生+堂園翔矢(Qosmo)「The Latent Future-潜在する未来」 ★公式サイト
こちらは今話題のAIを使った作品で、現在流れているネットの情報から、「ありえる/ありえた」かもしれないニュースが生成されるものです。私はデータサイエンティストの領域の仕事をしているのでこれは中々興味の湧くものでした。恐らくテキストマイニングして重回帰分析や主成分分析のような処理をしているのだと思いますが、出て来る結果よりも似た情報を3Dで銀河のように可視化している方が面白かったです。(ユークリッド距離を3次元的に表してるのかな?)


nor 「herering」 ★公式サイト
こちらは壁に向かって動くと、自分の動きが光と音によって表されるインタラクティブな作品。動きによって音楽的な感じになったりして、ちょっとしたテクノみたいw これは子供にも大人気でした。

三原聡一郎 「  鈴」 ★公式サイト
こちらは写真を撮ることができました。不規則に鈴がなる謎の作品。
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実はこれ、ガイガーカウンターとなっているようで、放射線を検出すると鳴るようです。連打されるとちょっと怖いかもw 自然界にも割と放射線がありますが、普段見えないし感じないのでこうして可視化されるのが面白いです。

他にも色々とありましたが、割愛。(公式サイトでもそれらの概要を観ることができます。)勿論、無音室やジャグラーといった不動の常設作品も健在です。


<リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC>
続いてはNTT研究所の取り組みを紹介するコーナーについてです。
 公式サイト:http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2017/research-complex-ntt-r-and-d/

こちらは未来予想をしているコーナー。
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未来の体は貸し借りできるようになる といった予想などが書かれていました。攻殻機動隊の世界みたいになりそうw

こちらは振動を伝える電話。
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2人1組の体験型で、お互いが押した擬音が体のセンサーに反応して伝わるというものでした。ここは混んでたので人がやってるのだけ観てきましたw


<エマージェンシーズ!031>
こちらの内容は、この記事を書いた時点で既に終了してしまっていますが、写真がとれました。

 公式サイト:http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2017/emergencies-031-gushiken-yusuke/
 期間:2017年5月27日~8月13日

具志堅裕介 「ミキキキキミミ」
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これはヘッドフォンを付けて画面に出てくる文字を観ていると、だんだんその文字が聞こえている音の擬音に思えて来るというものです。結構単純なのは確かにそう思えるのですが、この写真くらい長いと作者との主観の相違が大きいかもw とは言え発想が面白い作品でした。


<ICC キッズ・プログラム 2017 オトノバ 音を体感するまなび場>
こちらは子供向けの音を体感する企画展となっていました。夏休み期間限定となります。

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 公式サイト:http://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2017/icc-kids-program-2017-oto-no-ba-sound-digging-with-the-senses/
 期間:2017年7月15日~8月31日

会場はこんな感じで、すべて体験できます。
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この部屋は撮影可能でした。

和田永 「ストライプト・セッションズ(ボーダーシャツァイザー)」 ★公式サイト
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これはストライプの服を身に着けて体験する作品。

体験方法はこんな感じ。
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きゅ~~~という音がするのが、近づいたり動いたりすると野太くなったり高くなったりします。ラジオの局あわせしてるような感じかなw 分かりやすくて面白いです。


スズキユウリ 「響き花の植物園」 ★公式サイト
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これは体験してもよくわからなかったのですが、ラッパの口みたいなのがパイプを通っていて、そのパイプを通して伝わる音の違いを感じるという意図のようでした。


パフューマリー・オルガンせいさくプロジェクト 「パフューマリー・オルガン」 ★公式サイト
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こちらは手前のオルガンを弾くと、それに呼応して各音に対応した小瓶の蓋があいて香りが漂うというもの。

こんな感じで小瓶がセットされています。
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どれも良い香り。

音階と香りの対応はこんな感じ。
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自分で弾いた曲がどんな香りか試すことができます。ごく一部の人しか持たない「共感覚」を体験できた気分ですw

金箱淳一 「タッチ・ザ・サウンド・ピクニック」 ★公式サイト
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これは音を遮断し、手に持った音を振動に変える装置を持って音を感じるというもの。割と色んな震え方をしていて、ヘッドフォンを外すと何がどういう震え方をするかちょっと分かるかも。

金箱淳一 「ラタタップ」 ★公式サイト
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これはエリア内で楽器を使って大きな音を立てると、地面に音のキャラクターが出て来るというもの。より大きな音をたてるとデカイ玉のようなキャラクターも出てきました。この部屋で子どもたちが一番夢中だったのはこれかも。



ということで、多種多様な作品を楽しむことができました。とかくアートは歴史や文化など文系的な要素が多いですが、こうした理系的アートも知的好奇心を刺激してくれて面白いと思います。 いくつかは夏限定の企画ですので、気になる方はお早めにどうぞ。


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評価




静かなひとびと 【東京オペラシティアートギャラリー】

前回ご紹介した展示を観た後、東京オペラシティアートギャラリーの常設も観てきました。今回は「収蔵品展059 静かなひとびと」というタイトルで期間も設けられていました。

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【展覧名】
 収蔵品展059 静かなひとびと 寺田コレクションより

【公式サイト】
 https://www.operacity.jp/ag/exh200.php

【会場】東京オペラシティアートギャラリー
【最寄】初台駅

【会期】2017/07/08(土)~ 09/03(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

この展示はオペラシティ周辺の造園にも携わった収集家の寺田小太郎 氏のコレクションを基にしたもので、約100点あまりの現代日本の作家の作品(主に絵画)が集められたものです。タイトルの「静かなひとびと」は寺田小太郎 氏の人となりを表したものでもあるようで、「植物と私は同格」と語ったり自然に任せて木々の命を見守るなど、独特の哲学を持っていたようです。コレクションも静けさが漂うものが多くこの展示にぴったりのタイトルのように思えました。特にメモしていませんが、簡単に気に入った作家などをご紹介しようと思います。

有元利夫
まず最初の辺りに有元利夫 氏の作品が何点かありました。フレスコ画のような質感で、どことなくアンリ・ルソーを思わせる素朴さがあり、超現実的なところがあり といった感じの独特の画風が面白い。どことなく親しみがわくのも特徴です。
 参考記事:有元利夫展 天空の音楽 (東京都庭園美術館)

五味文彦
超リアルな写実を描く五味文彦 氏も2点だけありました。静物のガラスの表現などは写真のようにも思えますが、単にリアルなだけでなく絵画的な構図がありつつもガラス器の重なりを表現しているのが面白かったです。(記事冒頭の写真は五味文彦 氏によるものです)
 参考記事:現代の写実。ホキ美術館名品展 感想前編(ホキ美術館)

長谷川潔
この画家は点数が多く、水彩やドライポイント中心でした。裸婦や少女などが簡潔かつ優美な線で描かれていて、藤田嗣治の作品を観た時と似た感覚を覚えました。しかし顔はルネサンスのボッティチェッリなどを想起させ、優美なポーズもそれを連想させるかな。いずれの作品も女神のような高貴さと静けさをたたえていました。

この近くには加藤清美という画家の作品も結構ありました。

河原朝生
この画家の作品が最も好みかな。平坦で単純化された部屋を描いた大型作品など10点程度が展示されていました。デ・キリコの形而上絵画のようでありながら、深い暖色系のせいか温かみを感じる画風で、不思議と心休まるような感じです。この画家の個展を是非やって欲しいw

この辺りには河内良介という画家による鉛筆で描いた細密な作品などもありました。

小杉小二郎
この画家も単純化された風景をシュールな雰囲気で描く画風で、静物や風景画などがありました。特に「六区のメトロ駅」という作品はどこか寂しげな雰囲気で、駅や大きなトンネルの入り口や比率が小さすぎる人など、不思議な光景が広がります。怖いわけでもなく、何処か懐かしい心象風景といった感じでした。

この近くにはミロスラフ・ムッシャという画家の作品などもありました。

難波田史男
この画家は水彩の作品が数点ありました。具象のような抽象のような画風で、強いて言えばパウル・クレーに似た雰囲気に思えます(最近観たヴォルスもちょっと近いかも?) 水彩の淡めの色彩感覚が楽しげで、踊るような躍動感がありました。

奈良美智
この画家は説明不要かなw 悪戯っぽい顔した少女の肖像がとてもユニークで、どこか憎めない愛らしさがあります。ファンも大変多い画家です。

他にもユニークな画家の作品が何人も並んでいました。やはりテーマに沿ってシュールで静かな作品が多かったように思います。

<project N 68>
常設展の後の廊下には「project N」というコーナーがあります。こちらは東京オペラシティアートギャラリーのコレクションの中心画家である難波田龍起 氏の意志を継いで、若手作家の育成・支援を目的としたコーナーです。今回は森洋史 という画家の作品が並んでいました。
 公式サイト:https://www.operacity.jp/ag/exh201.php

森洋史
この画家の作風を一言で言うならアニメ風パロディかな。レオナルド・ダ・ヴィンチの受胎告知やフェルメールの真珠の耳飾りの少女、他にもモネやクリムト等などの有名作をアニメの女の子みたいに描いています。また、そうしたパロディの中にスーパーマリオやマクドナルドのドナルドなど現代のアイコンを混ぜ込んでいたりして、カオスな感じw 背景には「せっそうがない…ただのパロディのようだ…」とドラクエからの引用らしき言葉もあったりします。さらにそれらをオプアートのような多重にぼかす効果をしていたりと色々混ぜ込んでいるように思うのですが、これらは「イメージの亡霊」を表現しているそうです。ちょっとやり過ぎな感じもしますが、割と細部まで記憶に残っているので印象深い画家と言えそうです。


ということで、多彩なコレクションを見ることができました。特に河原朝生と有元利夫の作品はもっと観たい気持ちにさせられました。オペラシティに行く機会があったら、常設展も是非どうぞ。


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評価




荒木経惟 写狂老人A 【東京オペラシティアートギャラリー】

先週の山の日に、初台の東京オペラシティアートギャラリーで「荒木経惟 写狂老人A」を観てきました。この展示および当記事には過激なヌード写真も含まれていますのでご注意ください。

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【展覧名】
 荒木経惟 写狂老人A

【公式サイト】
 https://www.operacity.jp/ag/exh199/

【会場】東京オペラシティアートギャラリー
【最寄】初台駅

【会期】2017年7月8日(土)~ 9月3日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
それほど混むこともなく、快適に鑑賞することができました。

さて、この展示はアラーキーこと荒木経惟 氏の個展で、1000点を超える新作が並ぶ内容となっています。タイトルの「写狂老人A」は70代半ばの葛飾北斎が「画狂老人卍」を号したことに擬えていて、同様に旺盛な創作を続ける荒木経惟 氏に合ったものと言えそうです。先日、写美でも荒木経惟 氏の展示を観てきましたが、写美は奥さんとの関係を深掘りしていたのに対して、こちらは最近の多彩な作品があり、中でも「人妻ヌード」などアラーキーが得意とるすエロスがやや多めとなっているように思います。この展示は撮影可能となっていましたので、各章ごとに写真を使ってご紹介していこうと思います。
 参考記事:荒木経惟 センチメンタルな旅 1971-2017- (東京都写真美術館)

<1. 大光画> ★この章の紹介
まずは大型作品が並ぶコーナー。初っ端から人妻たちのヌード写真(白黒)がずらりと並んでいます。恐らく40代以上の女性たちのヌード写真で、お腹が出ていたり肉が垂れてるなどあまり見たいものではないですw 割と挑発的なポーズの写真もあったりしてちょっと私にはキツいものがありましたが、笑顔で撮られている女性が多く楽しんで撮られている感じがありました。老いても太っても自信を持ってさらけ出す姿を女性から引き出すアラーキーは凄い…。この性と生への眼差しはロートレックやシーレに通じるものがあるように思いました。解説では「美とは何か?」というアンチテーゼと言えるとのことで、確かにそうかも。

この章には何故か楳図かずお氏とのツーショットもありましたw
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<2. 空百景> ★この章の紹介
こちらは空を撮った写真のコーナー。こちらも新作です。

隣の花百景と共に壁面を埋めるように並んでいます。
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この空は自宅から撮ったものらしく、富嶽百景にちなんだタイトルになっているようです。
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写美の展示でも空の作品を見ましたが、こちらはより多彩な空の様子が並んでいるように思えます。


<3. 花百景> ★この章の紹介
続いては花を撮った写真のコーナー。こちらも新作で、伊藤若冲の百花図に触発されて撮ったそうです。

沢山の花が並んでいます。
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白黒ならではの強いコントラストと立体感があるように思えますが、ちょっとグロテスクなくらいの「生」も感じました。花と聞いて思い浮かぶ可憐なイメージではなく、懸命に生きている感があるような。


<4. 写狂老人A日記 2017.7.7> ★この章の紹介
こちらは2017年7月7日に撮った白黒写真がずら~~~っと並んでいます。この日は奥さんの命日らしく、淡々と進む日常と死の両面を想起させる一日の様子といった感じの作品でした。

時系列順に並んでいるようで、最初の方には草間彌生 氏を撮った写真なんかもありました。
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その他にも、渋谷や新宿界隈の風景や広告、様々な食物、空、人形や花を使った静物など様々なものが写されています。1日でどれだけ活動しているんだ??という疑問が真っ先に来るくらい大量の写真があって驚きました。特に何でもない日常が視線が独特で切り取られていて面白い。


<5. 八百屋のおじさん> ★この章の紹介
この章は小部屋になっていて、スライドで初期作品(電通に勤務していた頃)の「八百屋のおじさん」を流していました。この作品は制作から半世紀経って初公開となるそうです。

おじさんのナイス笑顔w 
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気さくな人柄が伝わってくるようで、素晴らしいシリーズです。


<6. ポラノグラフィー> ★この章の紹介
こちらは2002年から制作し続けているポラロイドによる作品を映像で紹介していました。ちょっと写真は撮り忘れましたが、エロティックな人形を使った静物などは2017.7.7の章でも観られた作風と同様に思えました。

こちらはこの章の前にあった卓に置かれた作品。この後出てくる「切実」と同様の技法のように思えます。
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この卓には過去の写真集もあったので、しばらくそれらを観てきました。


<7. 非日記> ★この章の紹介
こちらも小部屋でのスライドショーで、2014年のカルティエ現代美術財団でのプロジェクトから発生したデジカメのシリーズを流していました。

3画面同時に写っているので観るのが結構大変w
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日記であって日記に非ず という意味のようですが、日常の風景が撮られていたように思えます。ちょっとタイトルの真意は分かりませんでした。


<8. 遊園の女> ★この章の紹介
こちらは遊女をモチーフにしたコーナーで、ヌード多めの妖艶な内容となっていました。

縄で縛られていたりエロティックな感じの作品もあります(念のため小さめの写真にしておきます)
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笹紅つけて江戸時代の遊女っぽいけど一般女性とのこと。熟女の人妻って感じかな。


<9. 切実> ★この章の紹介
こちらは切り取った2枚の写真をくっつけるコラージュ作品のコーナー。「写真は真実」であり、それを切り取るから「切実」という意味や「切ない真実」という意味を重ねているそうです。

無数の作品が並んでいます。
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この組み合わせを考えるのも大変そう。

特に気に入ったのがこちら。
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お互い違うものを1つの円にしているのが面白かったです。


最後に今まで出版された荒木氏の写真集がいくつか並んでいました。
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センチメンタルな旅の1000部限定の私家版なんてのもありました。


ということで、ヌード多めでしたが多彩な作品を観ることができました。性や生を主題にしているようにも思えましたが、どことなく死も連想させるところもあったように思えます。ちょっと大人向きの展示だと思いますが、アラーキー好きな方は是非どうぞ。


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評価




東京国立博物館の案内 【2017年08月】

前回ご紹介した東京国立博物館 平成館の展示を観た後、本館で常設を観てきました。写真も撮ってきましたのでそれをいくつかご紹介しようと思います。

 ※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)

 ※当サイトからの転載は画像・文章ともに一切禁止させていただいております。


酒井道一 「夏草図屏風」
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酒井抱一の雨華庵の4代目であった酒井道一による酒井抱一の同名の作品の模写。本物そっくりでかなりの出来栄え。

松林桂月 「渓山春色」
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ジャンルで言えば文人画に入ると思いますが、瑞々しく躍動的な感じが独特で面白い。

宮垣秀次郎 「切子銅赤色被せガラス鉢」
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この力強い色合は薩摩切子です。現存する薩摩切子は150点程度という貴重な品です。

前田青邨 「神輿振り」
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神輿を担いだ僧兵が描かれていて、これは1177年の延暦寺の僧兵による京都への乱入に題材しているようです。前田青邨の出世作らしく構図が特に面白く感じました。

岸田劉生 「麗子微笑」
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岸田劉生がよく描いた娘の肖像。デューラーの影響が出ている頃の作品のようですが、どこか寒山拾得みたいな妖しい雰囲気があるのが岸田劉生っぽいw

菱川師宣 「歌舞伎図屏風」
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元々は六曲一双のようですが、右隻のみの展示でした。華やかな歌舞伎舞台の賑わいが表れています。

「男衾三郎絵巻」
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醜女を嫁にした武芸一途の男衾三郎に対し、宮仕えの女を嫁にして武芸を怠った兄の二郎が山賊に襲われ死んでしまうシーン。(武士は武芸が一番重要ってことらしいです。)群像に迫力があります。

無銘 伝元重 「刀 長船元重」
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恐らく備前長船の一派の元重の作と考えられている刀。刀の見方は非常に難しいので詳しくは分かりませんが、刃先が美しいのが目に止まりました。

狩野養川院(狩野惟信)「石橋山・江島・箱根図」
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タイトルから察するに源頼朝が大敗した石橋山の戦いに関する作品かな。赤旗の武士は平家かと。両脇に比べて真ん中は緊迫感がありました。

「二天王立像」
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邪鬼を踏みつけて立っているけどやや優美な雰囲気。

「近江八景蒔絵料紙硯箱」
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近江八景すべてを表している蒔絵。様々な表現が駆使されていて驚く逸品。

讃窯・仁阿弥道八 「三彩狸置物」
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狸の坊さんの置物。何故このような主題になったのかは分かりませんがユーモラスで可愛いw

「染付堰流水文皿」
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鍋島の皿。鍋島はすべて完成度の高い焼き物ですが、この図様と色合いが非常に好みでした。

「行道面 持国天」
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行道面はお寺での供養の儀式で使う面のことらしく守護神の面が使われるそうです。力強い形相で魔を払ってくれそう。

1階では「びょうぶとあそぶ」という複製屏風に関する展示を開催していました。
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 展覧会名:親と子のギャラリー びょうぶとあそぶ 高精細複製によるあたらしい日本美術体験
 公式サイト:http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1867
 期間:2017年7月4日(火)~ 2017年9月3日(日)

こちらはインスタレーションで長谷川等伯の「松林図屏風」の世界を表現したもの。
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気のせいか、良い香りがしてましたw あまりこういうのは面白いとは思えない。

こちらは複製された「松林図屏風」と、映像を組み合わせた作品。
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遠目から観ると本物にしか思えないくらい精巧です。演出よりも複製の出来栄えが面白いw

こちらは尾形光琳の「群鶴図屏風」の複製。
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オリジナルはアメリカのワシントンDCにあるフリーア美術館所蔵で、創始者のフリーアの遺言で所蔵品の持ち出しが出来ないため、オリジナルを日本で観ることはできません。高精細の複製は素人目には本物のように見えますが、言われてみれば質感は最近っぽいなと何となく分かる程度かな。

ということで、今回も常設を楽しむことが出来ました。ブログを休止していた間もちょくちょく行っていましたが、この2~3年ですっかり外国人観光客の定番ルートとなった感じがします。外国人にも自慢できる品々だけに、我々日本人もこうした作品を通してしっかりと日本の美を知っておきたいところです。

 参考記事:
   東京国立博物館の案内 【建物編】
   東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
   東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
   東京国立博物館の案内 【2009年08月】
   東京国立博物館の案内 【2009年10月】
   東京国立博物館の案内 【2009年11月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】 その2
   東京国立博物館の案内 【2010年02月】
   東京国立博物館の案内 【2010年06月】
   東京国立博物館の案内 【2010年11月】
   博物館に初もうで (東京国立博物館 本館)
   本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2011年02月】
   東京国立博物館の案内 【2011年07月】
   東京国立博物館の案内 【2011年11月】
   博物館に初もうで 2012年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館140周年 新年特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2012年03月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放 2012】
   東京国立博物館の案内 【2012年11月】
   博物館に初もうで 2013年 (東京国立博物館 本館)
   東洋館リニューアルオープン (東京国立博物館 東洋館)
   東京国立博物館の案内 【2013年04月】
   東京国立博物館 平成25年度 秋の特別公開 (東京国立博物館)
   東京国立博物館の案内 【2013年12月】
   博物館に初もうで 2014年 (東京国立博物館 本館)



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評価




タイ ~仏の国の輝き~ 【東京国立博物館 平成館】

記事にするまでちょっと間が空きましたが、7/30に東京国立博物館で日タイ修好130周年記念特別展「タイ ~仏の国の輝き~」を観てきました。

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【展覧名】
 日タイ修好130周年記念特別展
 タイ ~仏の国の輝き~

【公式サイト】
 http://www.nikkei-events.jp/art/thailand/
 http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1848
 http://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/category/87/

【会場】東京国立博物館 平成館
【最寄】上野駅

【会期】2017年07月04日(火)~08月27日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
意外にもそれほど混むこともなく快適に鑑賞することができました。たまに人だかりが出来ている作品もありましたが、特に列を作ることもなく自分のペースで観ることができました。
さて、この展示はタイトル通りタイをテーマにした内容で、特にタイにおける仏教美術を中心に紹介していました。メモなど取らなかったのでちょっとうろ覚えなところもありますが、構成に沿って各章ごとに簡単にご紹介していこうと思います。


<第1章 タイ前夜 古代の仏教世界>
ここはまず最初に12世紀末頃の「ナーガ上の仏陀坐像」がお出迎えしてくれました。これは仏陀が修行している時に蛇の神ナーガが己の体を傘の代わりにして風雨から仏陀を守ったという逸話を主題にしたもので、7つの頭を持つ蛇が光背のようになっているのが非常に面白い仏像です。展示の最初からタイの仏教美術の粋を見せて貰った感じです。

そしてこの章ではタイの歴史の始まりをテーマにしていました。様々な国や民族が複雑に入り乱れていてこの展示を観ただけで歴史を把握するのは難しいですが、7世紀にタイにあったドヴァーラヴァティーという国から唐まで使者が来ていたという記録があるようです。かつてはこの国の存在を示す証拠が無かったのですが、銀貨が出てきて証明されたらしく、その銀貨なども展示されています。また、ドヴァーラヴァティーも仏教国だったのですが何故か法輪が厚い信仰の対象になったらしく、巨大な法輪が展示されていました。これが中々に装飾が細かく、大きさも相まって威厳が感じられます。(FFのボスにこんなのがいた気がする…w) 法輪は車輪が転がるように教えが広まることを示すそうですが、これほど法輪ラブな国は古今東西でもこの国だけじゃないかなw
他には8~9世紀始めころのプレ・アンコール時代と言われる時期の仏像などもありました。その時代の呼び名から分かるようにカンボジアの影響が強かったようで、カンボジアのクメール族が信仰していたヒンドゥー教の神が、タイにも伝わっていた様子が分かります。シヴァとパールヴァティーが合体した像とか、もはや仏では無いのもありましたが、日本に限らず仏教は各地の宗教と習合し取り込んでいるので、このような受容は割と納得できました。

ちなみにタイの仏教は上座仏教と呼ばれる出家して修行するスタイルの仏教で、大乗仏教が主流の日本とは異なります。現在でも成人すると出家して托鉢している僧はタイの街に沢山いるそうです。
 参考リンク:上座部仏教のウィキペディア


<第2章 スコータイ 幸福の生まれ出づる国>
こちらは「幸福の生まれ出づる国」を意味する「スコータイ」という1238年にタイ族がひらいた王朝についての章です。この王朝ではスリランカから来た上座仏教を厚く信仰していたようで、その仏像などが並んでいます。
この時代の仏像を観ると、日本の仏像と違って面長で、頭の上につぼみのような炎?があるのに驚きます。また、体も平面的というか滑らかな感じで、日本にある仏像とは趣が異なります。しかし微笑みを浮かべているアルカイックスマイルなどは古代日本の仏像に共通しているようにも思えました。割と日本と対比すると同じ所もあれば違う所もあって面白いです。
ここには一歩踏み出すような「仏陀遊行像」もありました。優美な姿でちょっと腰をくねらせて歩く姿が印象的です。これはこの章でも見どころじゃないかな。


<第3章 アユタヤー 輝ける交易の都>
ここは恐らく今回の展示でも最も豪華絢爛な作品が集まった章です。タイでは14世紀半ばから400年ほどアユタヤーという国が栄えたそうで、海洋貿易の拠点として中東や西洋とも盛んに交流をしていました。その貿易で莫大な富を築いたのですが、ここにはその輝かしい時代を象徴するような精巧で完成度の高い金色に光る仏具が並んでいました。いずれもラーチャブーラナ遺跡にある仏塔から出てきた出土品で、仏像、舎利塔、象の形の置物、金靴、金冠などなどどれも素晴らしい技術で作られています。この時代には上座仏教でありながらインドのバラモンの制度を取り入れるなど集権的な制度が整えられたそうで、そのせいか仏具もここまでの時代の作品に比べて一気にクオリティが上がったように思えました。


<第4章 シャム 日本人の見た南方の夢>
ここは日本とタイの繋がりについてのコーナーです。歴史に詳しい方はご存じかも知れませんが、江戸時代が始まった直後くらいに沼津藩の家臣だった山田長政は1612年に朱印船でタイ(シャム)に渡りました。山田長政は現地で日本人町を作っただけでなく、スペインとの戦いで武勇を上げアユタヤーの王の信頼を得て王女と結婚したという伝説もあるようです。しかし後に政争に巻き込まれて暗殺され、日本人町も反乱の恐れがあると焼き払われてしまうのですが、ここにはそうした時代の遺物が展示されていました。当時の世界地図や、渡海の朱印状、タイで作られた漆器など山田長政の時代の日本とタイの繋がりを感じさせる品々があります。この後の章に出てくるタイで作られた日本刀のように日本からタイへの影響もあれば、タイから日本に伝わった更紗のような品もあるようで当時の文化交流の様子が伺えました。


<第5章 ラタナコーシン インドラ神の宝蔵>
最後はラタナコーシン(インドラ神の宝蔵 という意味)という章で、タイとビルマ(ミャンマー)の戦争でアユタヤーの町が灰燼と化した後の復興の時代についてです。タイはアユタヤーの復興のために新しい都を現在のバンコクに置きクルンテープ(天人の都)と呼んでいたそうです。ここには19世紀頃の仏画や日本刀を模した装飾刀、象の上に座る為の鞍など多彩な品があるのですが、この展覧会で最も注目すべき「ラーマ2世王作の大扉」という作品がありました。この作品だけは撮影が可能なので、写真を撮ったのでご紹介。

とにかくデカいのに細かい! 5.6mもあるそうです。
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様々な動植物が彫られているのですが、欄間のようにくり抜いてあります。一歩間違えば崩壊しそうな繊細さ。

裏面も撮影可能。裏面は鬼神が描かれています。
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こんな巨大で見事なものを国王自ら作れるの?とちょっと疑いの目で観てしまうレベルw 中の方はくり抜いてあって、どうやって作っているのかも不思議に思えるのですが、他に同じようなものを作らせないために国王は使用した道具を全てチャオプラヤー川に捨てさせたという逸話もあるそうです。いずれにせよこれだけのものを観られるのは滅多にない機会だと思いますが、修復に日本も尽力しているそうでこうした機会に恵まれたのかもしれません。こちらはこの夏でも必見の作品だと思います。


ということで、タイの歴史と仏教についての展示となっていました。同じ仏教でも仏像の表現が日本とは異なっているのが面白かったです。造形も豊かで特にラーマ2世王作の大扉には圧倒されました。会期も残り少なくなってきていますので、ご興味ある方はお早めにどうぞ。

おまけ:
この日はちょうど上野公園でタイ・フェスティバルが開かれていました。
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私は地元でタイ料理を食べてから行ったので買いませんでしたが、タイ料理の屋台などもあり美味しそうな香りがしていました。


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評価




藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた! 【東京藝術大学大学美術館】

先週の土曜日に東京藝術大学大学美術館で 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた! を観てきました。この展覧会は前期・後期で展示品が変わるようで、私が観たのは前期の内容でした(この記事を書いている時点で既に後期の内容となっています。)

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【展覧名】
 東京藝術大学創立130周年記念特別展
 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!

【公式サイト】
 http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2017/collection17/ 
 http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2017/collection17/collection17_ja.htm

【会場】東京藝術大学大学美術館
【最寄】上野駅

【会期】
 第1期:2017年7月11日(火)~8月6日(日)
 第2期:2017年8月11日(金)~9月10日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
それほど混むことなく快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は1887年に東京美術学校として始まり130周年を迎えた東京藝術大学の粋を集めたコレクション展で、過去の卒業生たちの作品なども展示されているという幅広いジャンルの内容となっています。卒業生の作品は開校当時の横山大観や下村観山などだけではなく、現在も活躍している/これから活躍が期待できる作家まで、様々です。そうした多岐に渡る作品がテーマごとに章分けされていましたので、簡単に各章についてご紹介していこうと思います。(特にメモなどは取ってきませんのでちょっとうろ覚えの所もありますw)

<名品編>
まずは地下の展示室に名品のコーナー(一部は3階だったかも)があり、ここは飛鳥時代の仏像、平安時代の鏡、狩野永徳や池大雅など過去の巨匠、高橋由一や浅井忠、狩野芳崖など近世の画家といった感じで日本美術のダイジェストのような感じでした。(狩野永徳や狩野芳崖の悲母観音などは前期しか無いようですが、逆に後期は俵屋宗達や尾形光琳、伊藤若冲など人気の巨匠の作品が観られるようです)
他にも全員ビッグネーム揃いと言った感じで流石は日本最高峰の芸大といった感じですが、ここで一番観たかったのは小倉遊亀の「径」でした。左から順に傘を持つ母親、子供、犬が並ぶ様子がリズミカルで微笑ましい作品です。割と見る機会はありますが、何度観ても心が和みます。

<パンドラの箱>
ここは今回のタイトルのパンドラの箱についての豆知識みたいな感じかなw 原典では箱というよりは瓶みたいなものだったようですが、似た響きの匣にすり替わって行ったそうです。その小瓶や、何故かマルセル・デュシャンのレディ・メイド(既製品)のトランクなどが展示されていました。ある意味、マルセル・デュシャンは芸術の歴史のパンドラの箱を開けてしまった人かもな…等と考えながら観ていました。

<美校の仏教彫刻コレクション>
ここは白鳳時代や天平時代に作られた仏像(の破片)などが展示されていました。これはそれほど見どころに思えなかったので、ちょっと記憶にないw

<「平櫛田中コレクション」展示活動の歩みと関連作品>
ここは自身が彫刻家であり東京美術学校で教授として後進を育てた平櫛田中のコーナーです。平櫛田中は優れた彫刻を生徒達の参考になるように集めていたようで、ここにはそうしたコレクションと自身の作品がありました。特に素晴らしいのは平櫛田中の「活人箭」で、これは弓を引いたポーズの禅僧を彫ったもので、「この矢は人を殺す矢か、活かす矢か」と禅問答して矢を捨てさせたという故事に主題したものです。これを観た岡倉天心(東京美術学校の開設者で平櫛田中の師)は平櫛田中を高く評価するようになったそうです。
 参考リンク:三平開胸 コトバンク

<卒業制作-作家の原点>
ここから3階に移動し、近代絵画から現代アートまで並ぶ展示室になります。タイトル通り卒業制作が並び、まずは横山大観、山口蓬春、和田英作といった東京美術学校時代に卒業した巨匠たちの卒業制作絵画などが並びます。しかし進んでいくと割と知られていない卒業生の作品も多くあり、絵画だけでなく彫金や牙彫(一時期だけ牙彫を教えていたらしい)など様々な作品があり、この章の最後の方には首都高を擬人化した女の子のキャラクターの動画などもありました。(一見すると萌えアニメみたいだけど、そこは芸大だけあって様々なスケッチなど入念な準備が伺える制作過程も併せて展示されていました) 中々カオスな空間になっていますが、これだけ幅広い人材を排出してきたのだというのが一目で分かるかも。

<現代作家の若き日の自画像>
ここは現在活躍している作家たちが残していった自画像が並んでいます。松井冬子 氏などは現在の作風を予見させるようにも思えましたが、村上隆 氏などは思ったよりも渋い感じの自画像でした。 ある意味「らしさ」を感じたのは会田誠 氏で、キャンバスに文庫本が4冊貼り付けてありましたw 本のタイトルは失念しましたが、よっぽどの愛読書なら確かに自画像と言えるかも。こういう発想は流石です。 また、ちょっと名前を忘れましたが、無数の携帯(ガラケー)に自分の写真を表示させたものをうず高く積み上げている作品などもインパクトがありました。

<真似から学ぶ、比べて学ぶ>
この章は何故設けたのか意図がよくわからなかったのですが、鈴木春信の画風を真似て描いた司馬江漢の美人画や、狩野芳崖の悲母観音の下図、菱田春草による徽宗皇帝が描いた絵の模写などがありました。芸術は真似から始めると言いますが、それを言いたいわけでも無さそう。

<石膏原型一挙開陳>
ここは日本で彫刻指導をしたヴィンチェンツォ・ラグーザや、高村光太郎らの石膏の原型などが並んでいました。ヴィンチェンツォ・ラグーザなんて実際の人から型を取ったんじゃないかと疑いたくなるくらいリアルな人物像ですw 結構数もあって見応えのあるコーナーでした。

<藝大コレクションの修復-近年の取り組み>
ここは最近の作品修復を紹介するコーナーで、どこをどう直したという解説付きでヴィンチェンツォ・ラグーザの騎馬像などがありました。彫刻作品などは、持ち物が失われてしまうパターンは多いのかもしれません。 ここで驚きだったのは青木繁の傑作「黄泉平坂」が展示されていたことで、とても得した気分になりました。

<新収蔵品紹介>
ここは平櫛田中の大谷米太郎像のみでした。後期はそれも変わるようです。

<藤田嗣治資料>
ここは晩年はレオナール・フジタとしてフランスに帰化した藤田嗣治のコーナーです。戦時中に軍に協力して絵を描いていたのが戦後になって批判されたこともあり、フランスに帰化するために旅立ったのですが、その頃の手紙などが並んでいました。

<記録と制作-ガラス乾板・紙焼き写真資料から見る東京美術学校>
これは東京美術学校の時代の写真やガラス乾板が並ぶコーナーです。セントルイスやシカゴの万博への出品の様子なども写っていました。


ということで、東京藝術大学が守り・育ててきた様々な芸術を一気に観られる展示でした。ただの名品展ではなく最近の作家も紹介されているのが目新しかったですが、幅が広すぎてちょっとカオスかもw いずれ、それぞれ個別に紹介されるような展示を観てみたいと思わせる内容でした。




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評価




ル・コルビュジエ 「ラ・シテ・ラディユーズ(ユニテ・ダビタシオン)」 【南仏編 マルセイユ】

この夏に旅した南仏編もこれでラストです。最後はマルセイユにあるル・コルビュジエが設計し世界遺産にもなっている「ラ・シテ・ラディユーズ(ユニテ・ダビタシオン)」についてです。

 日本語公式:http://jp.france.fr/ja/news/114201



2016年に上野の国立西洋美術館が世界遺産に登録されたというニュースをご存知の方も多いと思いますが、あれは国立西洋美術館が単体で登録されたのではなく、フランスの建築家ル・コルビュジエの建築作品の1つとして登録されたものであり、フランスには多くのル・コルビュジエの建築作品が残っています。そして、このラ・シテ・ラディユーズも世界遺産の1つとなっていて、何と現役のアパルトマンとして今も住民が住んでいます。
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ラ・シテ・ラディユーズとは「輝く都市」という意味でフランスではこのように呼ばれていますが、ユニテ・ダビタシオン(集合住宅)という呼び名の方で世界遺産には登録されているようです。最近ではマルセイユ観光局によるツアーも組まれているようですが、私は前回のマルセイユ観光同様に現地の方に案内して頂きました。

 参考リンク:
  マルセイユ観光局のツアーの紹介
  「ユニテ・ダビタシオン」のwikipedia
  「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」のwikipedia

 参考記事:
  ル・コルビュジエと20世紀美術 感想前編(国立西洋美術館)
  ル・コルビュジエと20世紀美術 感想後編(国立西洋美術館)
  ル・コルビュジエと国立西洋美術館 (国立西洋美術館)
  
建物のアップ。この色使いがちょっとモンドリアンの絵みたいで面白いw ル・コルビュジエはピュリスムというキュビスムの発展系のような作風の絵画を残した画家でもあるので、色彩感覚や幾何学性はお手の物だったと思われます。
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この建物は1945年の戦後復興期に建てられたもので、337戸(1600人)もの世帯が入れるようです。

こちらは正面。大通りに面しているので、車からも観られます。
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ちょっと離れて観ると3階ごとに区切りができてるのが分かります。本当は4棟作られるはずだったそうですが、1棟しかありません。他の都市にもいくつかユニテ・ダビタシオンは作られましたが、マルセイユのユニテ・ダビタシオンが最も評価が高く、むしろル・コルビュジエの最高傑作と言う人もいるのだとか。

土台部分は鼎の足みたいになっています。
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横から観ても面白い作り。下が空いているからといって車を停めるわけではなさそうでした。(車は建物の周りに置いてありました)

こちらが入り口。
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長方形と四角を組み合わせているのが面白い。

この建物の中には飲食店やホテルもあるので、中に入ることもできました。

写真がボケてて申し訳ないですが、先程の入り口の部分は中から観るとこんな感じ。
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ちょっとステンドグラス風です。

入り口付近の壁には貝の化石が埋まっていました。
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天然の化石のようですが、こういう遊び心も楽しい建物です。

何階だか忘れましたが(3階か4階?)、このフロアに飲食店などが入っていて、中を見学できました。
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他に郵便局や幼稚園、ホテルなどもこの建物内にあるそうです。(左記に挙げたものでも実際に観ていない施設もあり、入れ替わりがあったりしたとのなので現役の店舗は変わって行くかもしれません) まさに1つの街がそのまま建物になったような感じ。

逆側を観るとこんな感じ。
DSC04783.jpg
ちょっと変わった寸法になっているのが特徴です。その理由は「モデュロール」にあります。また、この写真だとわかりづらいですが各家庭に宅配ボックスがあるそうで、パン屋さんが朝に配達したりしてたようです。

この建物についての説明が書いてあるポスターがありました。右の絵が「モデュロール」を示しています。この建物はル・コルビュジエの建物の中でも最も厳格に「モデュロール」を守っているようです。
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「モデュロール」は人の身体と黄金比を元に寸法していく手法で、上野の国立西洋美術館でも体感できます。私は180cm丁度くらいの身長なので、モデュロールの基準である身長183cmの人が手を伸ばすと296cmになるという計算ピッタリであることが確認できました。

外から見えていた縦のシマシマ部分はこちらとなります。
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夕日に照らされて非常に美しい廊下となっていました。

これは他の階だったような気もしますが、本屋さんもありました。
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この後、屋上にも行ってみました。既に見学できる時間を過ぎていて本来なら観られない(住民しか開けられない鍵がかかっている)状態でしたが、たまたま通りがかった住民の方のご厚意で見学することができました。普段はそうも行かないと思いますので、もし行くならツアーで行くと良いかと思います。

こちらが屋上。
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この感じ、ちょっと見覚えがあるかもw やっぱり上野の西洋美術館に通じるものがあるように思えます。

こちらはプール。
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住民の方たちが寛いでいました。まさに住民の特権ですねw

屋上の壁には謎の四角い開閉口が沢山並んでいました。
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これは通気口なのだとか。

ちょっとした部屋のようなものもありました。
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この辺をうろちょろしていたら、たまたま取材にきていたフランス国営TV2にインタビューを受けましたw 勿論フランス語は分からないので日本語で答えて、案内してくれた方が翻訳して話してくれました。(その方がかなり詳しいので代わりに答えて貰った感じです) ル・コルビュジエの何処が好き?日本で有名なの? みたいなことを突然訊かれたので一応それっぽく答えたけど現地で放送されたかは不明ですw

最後に屋上からの眺め。
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南仏らしい光景が広がります。近くにスタジアムなども見えました。この日は音楽祭の日だったのであちこちから音楽祭のリハーサルみたいな音が聞こえました。


ということで、予想以上に色々と見て回ることができて感激でした。今回の南仏旅行では風景や芸術を沢山楽しむことができましたが、ここは特に思い出深い地になりました。前回の記事でも書きましたが、マルセイユは新旧様々な建物があるので、建物好きな方が南仏を訪れる際はマルセイユを選択肢に入れることを検討してみてはと思います。

以上で南仏編は終了です。記事が飛び飛びになっているので、下記にリンクをまとめておきます。

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  マルセイユの写真と案内 【南仏編 マルセイユ】
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評価




マルセイユの写真と案内 【南仏編 マルセイユ】

今日も南仏のマルセイユについてです。今回はマルセイユにある名所や美術館(中には入っていない所)をご紹介しようと思います。



まずは国鉄マルセイユ・サン・シャルル駅
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ここにはエクス・アン・プロヴァンスから普通列車で行きました。もちろんTGVも乗り入れる大きな駅ですが、何故かニースからアヴィニョンに行く時に乗ったTGVはここに止まりませんでした(この駅はどん詰まりになっているので終点になる列車しかこないのかも)
この写真の奥に改札があり、そこを右手に曲がった辺りにマルセイユ空港へのバスターミナルもあります。

こちらも駅の写真。
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駅前から繁華街に向かう方面には、長い長い階段があります。 ここをトランクを持って下りましたが中々大変でしたw しかし実はこの写真の左側の方に迂回できる坂道があるので、空港へのバスターミナルに向かう時にはそちらを利用しました。港方面に歩いていくなら駅の西側にある凱旋門経由が楽かも。

街中にはトラムも走っています。都会だけあって長い!
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私がマルセイユに行った日はちょうどフェット・ドゥ・ラ・ミュージックという音楽祭(毎年6/21)だったこともあってか、夜中の0時過ぎまで走っていました。(時刻表では終電過ぎだったけど遅延なのか臨時なのか…w) 目抜き通りを走っているので移動に便利です。

マルセイユの街並み。アップダウンがあるのが海沿いの街らしいかな。7月に行われたツール・ド・フランスでもマルセイユの坂を登っていたようです。
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マルセイユは他の南仏の観光地と違って、商業都市としての側面が強く雑多な雰囲気が漂います。アフリカや中東から来ていると思われる人なども多く、様々な人種が集まっていました。それもあってか下町あたりはちょっと治安が気になる感じの所もありました。(裏通りなどはちょっと異臭がしますw) しかし、気さくに声をかけてくるおっちゃんとかいたり活気があってフランス版の大阪みたいな街かも。

こちらはマルセイユの港にある建造物。奥のほうには観覧車もちらっと写っています。
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これは著名な建築家ノーマン・フォスターによるデザインで2013年にできました。マルセイユは「2013年のヨーロッパ文化首都」となったことで、こういった新しい文化施設がいくつかあります。とりあえず日陰になってるので休憩できましたw

こちらはマルセイユの港。マルセイユは昔から貿易で栄えた街で、数々の物語や小説などにも出てきます。
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この写真の丘の上に建っているノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院はマルセイユのあちこち見えます。黄金のマリア像がまさに守り神的な感じ。

港の入り口あたりには要塞もあります。
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このサン・ニコラ要塞の近くにはナポレオン3世妃の別荘だったファロ宮(中には入れない)と、ファロ公園という眺めの良い公園があるようです。

対岸にも要塞。こちらはサン・ジャン要塞。
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この写真には写っていませんが、左の方に海があり海際の広場でスケートボードなどをしている人が集まっていました。

先程の要塞を右に曲がって北方面に歩くと、こんな現代的な建物があります。
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これは2013年に出来たヨーロッパ地中海文明博物館で、アルジェリア人建築家リュディ・リチオッティのデザインだそうです。中には入りませんでしたが、地中海文明の歴史と交流がテーマの博物館のようです。

ヨーロッパ地中海文明博物館からすぐ近くに美術館もありました。
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こちらも2013年にできた「プロヴァンスの視点美術館」 フランスの画家の企画展をやっているようでした。

ちなみに、この他にも前回ご紹介したカンティーニ美術館、日本の隈研吾が設計したプロヴァンス現代美術センター(ここも行きませんでした…)などもあります。また、東京オリンピックで話題になったザハ・ハディドによるCMA CGMタワーなどもあり、新旧の芸術の発信地となっているようです。

こちらは先程の美術館のすぐ近くにあるサント・マリー・マジョール大聖堂。
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とにかくでかい!w 海に面して美しい聖堂でした。

ここまでは歩きで回っていたのですが、ここからは妻の恩人で現地に住んでいる方に車を出して頂いて見て回りました。

まずは先程の港から見えていたノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院に行きました。港からだと車で20分くらいかな。
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 日本語公式サイト:http://jp.france.fr/ja/discover/102103

現地の人たちは子供が出来たりすると、ここに来て祈るようです。割と宗派の垣根を超えて集まるらしくマルセイユのお母さん的な存在となっているのだとか。閉館時間までいたら右端あたりに写っている跳ね橋が上がるところが観られました。

中はこんな感じ。かなり荘厳な作りです。
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13世紀から現在の場所にあったようですが、建物は19世紀中頃に建てられアンリ=ジャック・エスペランデューという建築家が設計しました。ローマ=ビザンチン様式でフランスでは珍しい様式となっています。

中を観ていると面白いものがありました。船の絵や船の模型、中には飛行機の模型なんかも吊り下げられています。
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これは航海の無事を感謝して奉納されたもののようです。日本の神社でもこういうのあったような…。 洋の東西問わず、似た感覚なのかもしれません。

閉館?の時間が来て追い出されましたw 教会ですが公開時間が決まっているので事前に確認したほうが良さそうです。

この教会からはマルセイユの街が一望できます。
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これは先程の港や要塞などが写っている方向です。

ちょっと西の方向を向くと、イフ島が見えます。
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この島はかつて牢獄があったそうです。アレクサンドル・デュマ・ペールによる小説「モンテ・クリスト伯」(巌窟王)で主人公が無実の罪で捕まり、脱獄を図ったのがここだとか。実在の人物ではマルキ・ド・サドなんかが収監されていました。

南側の方向はまた違った雰囲気。
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こちら側は富裕層が海を楽しむエリアになっているようです。

ちょうど夕日が綺麗な時間でした。
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そのうち絵に描こうと思っています。

先程の南側の海辺をドライブして貰いました。
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非常に気持の良い海岸です。


ということで、マルセイユの街と風景を堪能してきました。古い建物もあれば新しくできたものもあり、非常に活気に溢れた街という印象でした。あまり観光のイメージが無かったけど、美術館も多いし、もっとゆっくり観て回りたかったかな。
次回は南仏編の最終回で、マルセイユにあるル・コルビュジエによる建物をご紹介します。

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評価




カンティーニ美術館 【南仏編 マルセイユ】

再び南仏編で、この夏の旅で最後に訪れたマルセイユ編です。マルセイユはフランス第二の都市で「2013年のヨーロッパ文化首都」にもなったため、色々新しい美術館ができたようですが、時間の都合で美術館はカンティーニ美術館だけ観てきました。

 フランス語サイト:http://culture.marseille.fr/les-musees-de-marseille/musee-cantini



この美術館は元々、マルセイユの彫刻家ジュール・カンティーニの邸宅だったそうです。
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かなり立派な邸宅なので有名な彫刻家だったのかな? 私はジュール・カンティーニを知らないのでここに作品があるのかと思いましたが、見当たりませんでした。それほど点数は多くないのですが、主に1900年以降から現代の作品まで幅広いコレクションがあります。この美術館も撮影可能でしたので、詳しくは写真を使ってご紹介しようと思います。
 参考リンク:ジュール・カンティーニのウィキペディア(フランス語)

まずは絵画作品から。こちらはジャン・デュビュッフェ
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デュビュッフェの作品は結構点数がありました。こういう画風もあるとは知りませんでしたがグチャグチャで勢いは感じますw やっぱアンフォルメルとかアール・ブリュットは苦手です…。

スペインの現代芸術家アントニ・タピエス
DSC04494.jpg
これも抽象的で何を描いているのか分かりませんが、絵の具に石灰のようなものを混ぜているのが特徴かな。

こちらはオーストリアの画家オスカー・ココシュカ。マルセイユを描いた作品のようです。
DSC04500.jpg
ココシュカはウィーン分離派展とかでよく観ますが、分離派とはまた違った独特の画風が好み。この色彩感覚も面白いです。

時代が前後しますが、フォーヴィスムのコーナーもありました。

こちらはアルベール・マルケ
DSC04503.jpg
仲間がフォーヴィスムだったのでフォーヴィスムにカテゴライズされがちですが、明るく爽やかな画面は独自のスタイルのように思います。割と水辺の作品が多いイメージなので、これはまさに特徴がよく出てるんじゃないかな。

こちらはアンリ・マティス
DSC04510.jpg
これがマティスと言われても中々ピンと来ないかも。1901年の作品なのでフォーヴィスムと呼ばれる前のものです。

こちらはアンドレ・ドラン
DSC04515.jpg
ドランの作品はフランスの美術館でよく見かけるのですが、流石に本場だけあって日本より当たりの割合が高いかも。これぞフォーヴって感じです。

こちらはラウル・デュフィ
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フォーヴからセザンヌ風に移行していた時期の作品。海のあたりのタッチなんかはセザンヌっぽさが出てます。

さらに時代が戻って。こちらは新印象主義のポール・シニャック
DSC04533.jpg
マルセイユの港を描いた作品で、紫がかった点描はシニャックらしさを感じさせます。

続いて現代美術のコーナー
DSC04535.jpg
ここには2名の日本人作家の作品もありましたので、そちらをご紹介。

こちらはパリ在住の松谷武判による作品。
DSC04539.jpg
接着剤を使った絵のような彫刻のような…。有機的な形と色が何となく海をイメージさせました。
 参考リンク:2010年の松谷武判展の紹介ページ

こちらは田中敦子による作品。海外での評価が高い画家ですが2005年に亡くなってしまいました。
DSC04548.jpg
抽象的で何を表現しているかは分かりませんが、明るい色合いと軽やかさが楽しげな雰囲気でした。

こちらは館内の階段
DSC04553.jpg
装飾とデザインが面白かったので思わず撮りましたw

続いてシュルレアリスムなどがあった部屋
DSC04554.jpg

こちらはマックス・エルンスト
DSC04560.jpg
よく観ると鳥っぽいものが描かれているのがエルンストらしいかも。

こちらは作品情報を撮り忘れましたが、ジョセフ・コーネルで間違いないと思います。
DSC04568.jpg
箱の中に独自の世界観を表現しているのが大好きです。

こちらは2016年に亡くなったばかりのシャーリー・ジャフィという画家の作品。
DSC04573.jpg
抽象画は苦手ですが、色づかいと幾何学模様が直感的に面白い作品です。

私が現代アートをあまり理解できないので近代絵画を中心にご紹介していますが、割と現代アートの割合が高い美術館です。

作者は分かりませんがガラス作品などもあります。
DSC04587.jpg

こちらも作品詳細を撮り忘れましたが、シュルレアリスム的で面白い作品。
DSC04616.jpg

こんなだだっ広い部屋もありました。
DSC04622.jpg
部屋の真ん中にあるのは赤いガラスの球体が集まって紋章のようなマークになった作品。何を意味しているかは分かりません…。

現代アートの部屋は謎の作品が多いw
DSC04636.jpg
映像作品もありました。


ということで、近代絵画と現代アートが主なコレクションの美術館でした。ガイドブックなどを読むとバルテュスやカンディンスキーのコレクションがあるとか書いてありましたが見当たらなかったので、もしかしたら入れ替えや貸出だったのかもしれません。現代アートは苦手なのでちょっとそこは理解できないところもありましたが、概ね楽しめる美術館でした。


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川端龍子 -超ド級の日本画- 【山種美術館】

この展示は8/6に観てきました。特に混むこともなく快適に鑑賞することができました。

DSC05249.jpg

【展覧名】
 特別展 没後50年記念
 川端龍子 -超ド級の日本画- 

【公式サイト】
 http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html

【会場】山種美術館
【最寄】恵比寿駅

【会期】2017年6月24日(土)~8月20日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
この展示は没後50年となる日本画家 川端龍子の個展で、初期から晩年にかけて様々な作品が並んでいました。3章と5項に分かれている構成となっていましたので、簡単に各コーナーごとにご紹介していこうと思います。

<第1章 龍子誕生 ―洋画、挿絵、そして日本画―>
まずは初期の洋画時代のコーナーです。川端龍子は日本画家として有名ですが、画業の始まりは洋画で文展に入賞するなど洋画家としてスタートしました。そしてアメリカにも留学したのですが、そこで得た成果はピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌと東洋絵画だけであったと語り、帰国後に日本画家へと転向したそうです。ここにはその洋画が2点だけあり、日本神話をテーマにした幻想的な作品が展示されていました。

また、川端龍子は生活の糧として挿絵を手がけていて、時流に沿った題材を描く特徴はこの頃から育まれたようです。ここにはそうした挿絵が並び、相撲の取り組みの絵なども迫力がありましたが、特に「少女の友」という雑誌の付録のすごろくが大型で力の入った作品となっていました。子供向けの挿絵といえどもスケッチを何枚も重ねて絵柄を推敲していたようです。


<第2章 青龍社とともに ―「会場芸術」と大衆― >
日本画に転向して独学で学んだ後、30歳で再興院展に初入選し、やがて同人に推挙されるなどすぐに頭角を現したようです。その頃の不動明王を描いた作品が展示されているのですが、これは「会場芸術」と揶揄されたそうです。と言うのも、その頃の院展は繊細な画風が主流だったようで、大きくてダイナミックな川端龍子の作品は家や茶室に飾るのには不向きであると考えられました。そうした方向性の違いもあり、やがて再興院展を脱退し自ら「青龍社」を設立します。青龍社は川端龍子の死と共に1966年に解散しますが、公募展として戦時中も開催されるなど当時は画壇の一大勢力として大きな影響力があったようです(私の好きな田中一村も所属していました) その方向性は自らかつて揶揄された「会場芸術」を標榜し、大衆のための芸術を発表し続けていきました。

ここにはそうした「会場芸術」が何たるかがよく分かる作品が並んでいます。戦時中に中国で偵察機から観た光景を描いた「香炉峰」(戦闘機が透けて風景が見える)や、鳴門の渦を描いた「鳴門」、昭和の狩野永徳とも呼ばれたのが頷ける唐獅子と牡丹を描いた作品、空襲で野菜がぶっ飛ばされている様子を描いた「爆弾散華」、金閣寺の放火事件を題材に燃え盛る様子を描いた「金閣炎上」など、どれも動きがあって色彩も強めの大型作品です。
一方で、戦後に来た象と戯れる子供たちを描いた「百子図」や今回のポスターでもある「草の実」(暗闇を背景に金銀プラチナで草を描いた作品)など、叙情性のある作品もありました。金閣炎上や百子図あたりは「ニュース絵画」と批判もされたようですが、それも新聞の挿絵を描いていた川端龍子らしさの1つと言えそうです。


<第3章 龍子の素顔 ―もう一つの本質― >
ここまで、割とダイナミックな絵が続いて来たので川端龍子の人柄もそうなのかと思ってしまいますが、この章はそうしたイメージとは別の、子供好きで俳句好きで熱心な仏教徒であった川端龍子の素顔に迫るコーナーとなっています。(多少、構成と展示順が異なりますが、構成に沿ってご紹介)

[鯉]
ここは旅館で鯉を観て着想を得た2枚の作品が並んでいました。静かな雰囲気で、これまで観たものに比べるとだいぶ小さめですw

[身近なものへの視線]
ここは孫が作った紙袋に川端龍子が絵を描くという合作?などがありました。川端龍子は父親と確執があり、子供も早く亡くした為に家族を非常に大切にしていたらしく、画室に子供がいないと寂しくて描けないと言って探して連れてきたというエピソードもありました。普段は無口みたいですが子供は好きだったようです。他には年賀状などもありました。

[龍子の俳句]
川端龍子は俳句雑誌「ホトトギス」の同人であったほどの俳句好きで、奥の細道を自らも旅したそうです。ここには短冊に自作の俳句と絵が入った作品が並んでいました。情趣溢れる短冊で、私は大作よりもこっちのほうが好みかもw


この辺で第一会場は終わりなのですが、第一会場の最後の辺りに第2章に属する「八ツ橋」が展示されています。この作品だけは写真を撮ることができました。
DSC05262.jpg
川端龍子は琳派を独学で学んだらしく、この作品は尾形光琳の作品からの直接的な影響が見て取れます。他の作品でもたらし込みの技法なんかも使っているので、かなり研究していたのかも。


[大観・玉堂・龍子の合作]
このコーナーは第二会場にありました。横山大観とは再興院展の頃に確執が出来ていたようですが、その後 川合玉堂を交えた3人で松竹梅をテーマにした合作(1人1枚)を制作する機会がありました。(道は違えど川端龍子は横山大観から貰った作品を毎年元旦に飾るなど、敬愛の念は持っていたようです。) ここには川端龍子の描いた「梅(紫昏図)」 と、その2年後に同様のテーマで描いた 「竹(物語)」がありました。竹は竹取物語を題材にしているようで、竹から金の光が出ているのが面白い構図となっていました。

[龍子と信仰]
このコーナーは第一会場で1点だけですが、十一面観音を描いた作品がありました。川端龍子は熱心な仏教徒で家にもお堂があったようです。静かで厳かな雰囲気の作品でした。


ということで、川端龍子の様々な側面を観ることが出来たと思います。私は正直それほど好きな画家ではなかったのですが、一気に観られて満足しました。 もう会期の残りも少ないので、気になる方はお早めにどうぞ。




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■2012/1/27
NHK BSプレミアム 熱中スタジアム「博物館ナイト」の収録に参加してきました
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■2011/11/21
海の見える杜美術館の公式紹介サイトに掲載されました
  → 詳細
  → 掲載場所

■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
  → 詳細

■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
  → 絵画
  → 関東 > 絵画

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