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蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち (2回目感想後編)【千葉市美術館】

今日は前回に続き千葉市美術館の「蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち」をご紹介します。今回は下階の内容となります。

 前編はこちら

P1010492.jpg

まずは概要のおさらいです。

【展覧名】
 蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち

【公式サイト】
 http://www.ccma-net.jp/exhibition_01.html

【会場】千葉市美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】千葉駅(JR・京成)京成千葉中央駅(京成) 葭川公園駅(千葉都市モノレール)など
【会期】2012年4月10日(火)~5月20日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日15時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
前回は上階の第2章 第2部の途中までご紹介しましたが、今日は下階の展示の様子です。(最終日2012年5月20日の内容となります)


<第2章 第2部 曾我蕭白 -蕭白高揚->
下階は以前観た時と同じく襖絵が並ぶコーナーからです。57「竹林七賢図襖(旧永島家)」は通期で展示されているようでした。

59 曾我蕭白 「松鷹図襖(旧永島家)」 ★こちらで観られます
こちらは5面からなる襖絵です。右から3枚目に大きな鷹が描かれ、3~5枚目にかけて描かれた巨大な松にとまっています。鷹は威厳があり、右のほうを睨めつけるような感じです。解説によると、この襖絵の中には小動物が鷹から隠れていて、鷹の威厳を増すと共に観る者にはそれを見つけた時の喜びがあるとのことでした。早速探してみると右から1枚目に2羽のウサギが隠れている姿、5枚目に松に隠れて様子を伺う猿の姿がありました。確かに見つけると、いた!と嬉しくなりますw

60 曾我蕭白 「禽獣図襖(旧永島家)」
4面からなる襖絵で、右から2枚目に後ろ姿の鹿、3枚目にフクロウ、4枚目に2羽のコウモリとそれを見上げるタヌキが描かれています。解説によると鹿やコウモリ、フクロウは没骨描法で表現されている一方、タヌキの毛は細い線で描かれているそうで、違った質感を出しているとのことでした。どれも愛嬌のある姿でほのぼのした雰囲気がありました。

61 曾我蕭白 「狼狢図襖(旧永島家)」
3面からなる襖絵で、右から1枚目にまん丸の目に耳元まで口の裂けた獣が描かれています。これは狼とのことですが、異様な姿で恐ろしくもあり間が抜けた感じもしますw 2枚目には小さなカタツムリや蜘蛛が笹にとまっていて、3枚目には水辺のムジナ?が描かれていました。ムジナも大きなネズミみたいな…。カニと戯れているようでした。

62 曾我蕭白 「牧牛図襖(旧永島家)」
酒に酔って指で描いた指頭画の4面の襖絵です。指頭画というと南画の池大雅などを思い浮かべますが蕭白も描いたことがあるとは知りませんでした。右から1枚目は木に登る子供、2枚目は伏せてる牛の後ろ姿、3枚目はほぼ余白で、4枚目は犬?の後ろ姿が描かれています。指で描いているので細部はあまり細かくないですが、濃淡の表現が面白かったです。のんびりとした素朴な雰囲気の作品です。


<第2章 第3部 曾我蕭白 -蕭白円熟->
続いては2度目の伊勢滞留の後、播州を経て京で活動した円熟期の作品が並ぶコーナーです。

71 曾我蕭白 「達磨図」
これは水墨の掛け軸で、振り返るようなポーズの達磨が描かれています。刷毛で描かれた衣服は大胆で、これも酒の席で一気に描いたそうで、衣には畳の跡も残っているようです。ぎょろっとした目付きは意外とイケメンっぽいかもw ダイナミックな作風でした。

81 曾我蕭白 「山水図押絵貼屏風」
これは6曲1双の屏風で、1扇ごとに1場面ずつ山水画が押絵されています。瀟湘八景の8つの要素も入っているようで、中国風の風景が広がっています。硬そうな岩山などはどこか雪舟を思わせるかな。詩情に飛んでいて雨風や雪など気候まで感じられそうな作品でした。

この近くには以前ご紹介した82「虎渓三笑図」もありました。これは通期での展示だったようです。

75 曾我蕭白 「楼閣山水図(月夜山水図)屏風」
これは6曲1双の屏風で、右隻に西湖、左隻に金山寺という中国風の風景が広がります。水墨を基に金泥の霞がところどころにあったり、朱と白で描かれている所があります。特に花の白が目を引き華やかな雰囲気がありました。硬く緻密な筆致ですが、蕭白らしい強弱もあったように思います。


<第3章 京の画家たち>
最後は蕭白と同時代の京の画家たちのコーナーです。

108 円山応挙 「秋月雪峡図屏風」
6曲1双の色つきの屏風で、右隻はかなり低い位置に描かれた満月と、川辺の森、何かを抱えた人物の後ろ姿などが描かれています。 左隻は雪山から遠くの湖、崖の松や家などが描かれていました。画面には金粉が撒き散らされ、繊細な墨の濃淡と相まって静かな雰囲気でした。

以前ご紹介した109長澤蘆雪・曾道怡「花鳥蟲獣図巻」は場面が変えられていました。

87 伊藤若冲 「旭日松鶴図」
これは掛け軸で、松の上にとまる2羽の鶴が描かれ、右上には真っ赤な旭日も描かれています。松の枝はタコの吸盤のようで、これは代表作の動植綵絵にも描かれているそうです。鶴の羽は極細の線で描かれていて密度が高めでした。これは若冲らしい作品かな。
 参考記事:
  伊藤若冲 アナザーワールド (千葉市美術館)
  伊藤若冲 アナザーワールド 2回目(千葉市美術館)
  皇室の名宝―日本美の華 <1期> 感想前編 (東京国立博物館 平成館)

93 伊藤若冲 「寿老人・孔雀・菊図」
3幅セットの作品で、中央には後ろ向きの寿老人、右に横向きの孔雀、左に正面向きの菊の花が描かれています。(この向き方に妙があるようです。) こちらはかなり簡素化していてゆるい雰囲気に思いました。孔雀の羽にはにじみを使った筋目描きの技法が使われていました。
若冲は他にも何点か展示されてました。

105 円山応挙 「鉄拐蝦蟇仙人図」
これは応挙と名乗る前の作品で、狩野派に学んだことを示す作風で描かれています。また、応挙も蕭白と同様に中国の顔輝を学んでいたようです。作品は2幅対の掛け軸で、右に口から自分の小さな分身を吹き出す鉄拐仙人、左に蝦蟇を乗せ煙のようなものを出すガマ仙人が描かれています。衣の表現が濃い目の黒で描かれているものの、全体的には繊細な濃淡で描かれているように思いました。蕭白に比べるとだいぶのんびりした感じです。


と言うことで、私としてはこの展示は後半日程の方が面白い内容だったように思います。もう終わってしまった展示ですが、今ならば東博のボストン美術館展で蕭白の傑作が観られますので、それを観る際の参考などにして頂ければと思います。今後の鑑賞にも役立ちそうな内容でした。
 参考記事:
  ボストン美術館 日本美術の至宝 感想前編(東京国立博物館 平成館)
  ボストン美術館 日本美術の至宝 感想後編(東京国立博物館 平成館)


 参照記事:★この記事を参照している記事


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