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白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ (感想前編)【Bunkamuraザ・ミュージアム】

前回ご紹介したカフェでお茶した後、Bunkamuraザ・ミュージアムで「白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ」を観てきました。充実した内容でメモも多めに取ってきましたので、前編・後編にわけてご紹介しようと思います。なお、この展示は前期・後期で展示替えがあるようで、私が観たのは前期の内容(既に終了)でした。

P1080323.jpg

【展覧名】
 白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ

【公式サイト】
 http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_hakuin/index.html

【会場】Bunkamuraザ・ミュージアム
【最寄】渋谷駅/京王井の頭線神泉駅


【会期】
 前期:2012年12月22日~2013年01月21日
 後期:2013年01月22日~2013年02月24日
  ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日17時半頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
お客さんは多かったですが、混んでいるというほどでもなく快適に観ることができました。

さて、今回の展示は江戸時代の僧である白隠慧鶴(はくいんえかく)の個展となっています。白隠は臨済宗の中興の祖でもあり、500年に1人の英傑と讃えられ、現在の臨済宗の僧侶たちの系譜を遡ればすべて白隠に行き着くほどの重要な存在だそうです。白隠は沼津で生まれ、幼い頃にお寺で聞いた地獄の話におののいたのがきっかけで、15歳の時(1685年)に出家したそうで、青年期は全国を行脚し厳しい修行をしていたそうです。そして42歳で悟りを開き、それ以降は民衆を救うために全国を行脚し、説法をしたり仏の教えを説くために書画を描いたそうです。その作品の多くは各地の寺院や個人のコレクションとして散在し、一般の観客の目に触れる機会は少なかったのですが、今回は大作を中心に100点あまりが展示されて史上最高の白隠展となっているようでした。構成はテーマごとに分かれていましたので、詳しくは各章ごとに気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。


<出山釈迦>
まずは苦行をやめて山を出る釈迦を描いた作品のコーナーです。白隠が描く釈迦のほとんどは山中で修行する姿か出山の釈迦らしく、白隠自身も苦しい修行を経験していたために自らの姿と重ねたのではないかとのことです。ここにはそうした釈迦を描いた作品などがありました。

1 白隠慧鶴 「隻履達磨」
こちらは冒頭にあった作品で、後の方に達磨のコーナーもあるので、ハイライト的な作品として冒頭にあったのかもしれません。
これは右手で靴を持ち、ぬっと現れたかのように描かれた達磨の肖像です。頭が大きく目がギョロっとしていて、これは達磨が亡くなって3年後に西域を旅する人の前に現れたとされる達磨のようです。その時、旅人が尋ねると、達磨はインドに帰る所だと告げたそうで、後に旅人が中国の墓を調べた所、中にはもう片方の靴だけ残っていた… という話です。非常に太い輪郭の服を着ていて、顔は色が薄めですが靴とピアスの色は濃くなっていました。解説によると、これは幽霊なので身体を薄くしているそうです。また、よく観ると下書きの細い線も残っていて、それはわざと残しているとのことでした。異様な迫力があり、さっそく白隠の世界に引きずり込まれましたw

このテーマの達磨は以前に他の作品を観た記憶がありました。
 参考記事:細川家の本棚から ~中国古典籍の世界~ (永青文庫)

2 白隠慧鶴 「出山釈迦」
ガリガリで肋骨が浮き出ているほど痩せた釈迦の姿を描いた作品で、髪やヒゲも伸び放題といった感じです。しかし背景には光輪があり、眼は穏やかそうな印象を受けます。細かく淡い顔の表現に対して、衣は非常に大胆な太い輪郭線が使われていて、それがますます対比的で釈迦の顔がか細く観えました。解説によると、こうした白隠の釈迦図では賛が短いのが特徴で、仏祖への屈折した思いの反映ではないかとのことでした。

この隣にも出山釈迦図が並んでいて、鱗のような毛が描かれているのが特徴的でした。


<観音>
続いては白隠の描く題材の中でも特別な存在である観音についてのコーナーです。白隠の描く観音はほとんどが瞑目しているか極端に伏目がちになっているそうです。また、その顔はやや下膨れで中年女性のような容貌で、いつも決まった表情をしているそうです。白隠にとって、観音は母の面影ではないかとのことで、ここにはそれを感じさせる作品も並んでいました。

6 白隠慧鶴 「蓮池観音」 ★こちらで観られます
蓮の花が咲く池の畔で、肘をついてそれを眺めている?観音が描かれた作品です。非常に繊細に描かれていて、一見して他の作品との作風の違いを感じます。優美な雰囲気があり、こちらの作品には下書きも残っていないそうです。こうしたことからも観音は特別な画題だったと考えられ、観音は絹に描かれることもしばしばあったそうです。また、右にある賛には、「民衆を救うはずの菩薩が別世界で骨休めしているとは!」と叱責するような内容が書かれているとのことでした。

この辺には頬杖をついた同じポーズの観音を描いた作品もありました。また、近くには13「地獄極楽変相図」という地獄と極楽を描いた作品もありました。

14 白隠慧鶴 「南無地獄大菩薩」
これは非常に太く強い黒で書かれた書です。南無地獄大菩薩と書かれているのですが、最後の薩の字はスペースが足りなくなったのか、結構窮屈な感じがしますw この言葉は地獄こそ菩薩だという考えを示しているそうで、これは白隠の対極主義の現れと考えられているそうです。白隠は晩年に地獄も極楽も表裏一体という局地に達したのだとか。

書(墨蹟)に関しては展覧会の最後のコーナーにもあるのですが、最後の文字が窮屈になるのは白隠の癖なのかも…w また次回に詳しくご紹介しようと思います。


<達磨>
続いては白隠が最も大量に描いた画題である達磨のコーナーです。達磨は禅宗の開祖であるためか、現存で300点以上の作品を残しているそうで、ここにも様々な作風の達磨像が並んでいました。

18 白隠慧鶴 「半身達磨」
これは35歳ころに描いた最初期の作品です。腕を組む達磨の像で、白隠にしては繊細な感じをうけます。チラッと横を見る視線などが神経質そうに見えるかなw 解説によると、悩める白隠の様子が伝わってくるそうで、衣の線などは一見豪快に観えて臆病に描かれているとのことでした。また、賛の書風も上手く見せようとしているとのことです。まだ悟りの前の作品だけに俗っぽいのかな?w

この隣にも30代の作品がありました。こちらも繊細かつ神経質そうな印象を受けます。また、近くにあった40代の時の達磨も貧相な感じかな…。白隠は遅咲きで60代ころから本格的に絵を描くようになったそうで、豪放な晩年のイメージとのギャップのせいか、若いころの作風は弱々しい感じすら受けました。

15 白隠慧鶴 「半身達磨」 ★こちらで観られます
これは最も有名な作品で、真っ黒を背景に 縦長の頭の達磨が朱色の衣を着た姿で描かれ、その朱と黒のコントラストが鮮やかに感じられます。大きな目、広いおでこ、大胆で流れるような衣のひだなど、豪放かつ闊達で まさに傑作と言える作品です。解説によると、左上にある白字の賛「直指人心、見性成仏」はロウを塗って墨を弾いているのではないかとのことで、その意味は「まっすぐに自分の心をみつめて、仏になろうとするのではなく、本来自分に備わっている仏性に目覚めなさい」というものだそうです。また、この作品には落款が無いのも特徴とのことでした。

この隣にはこれとよく似たモノクロの達磨像がありました。そちらの落款により、83歳の作であるとわかり、先ほどの作品も同様に83歳の作と考えられるようです。84歳で亡くなっているので、最後までこうした傑作を描いたエネルギッシュな人だったのかな。

25 白隠慧鶴 「眼一つ達磨」
これはやや薄めの墨で描かれた、目が一つ目小僧のようになった達磨?の肖像です。その周りは賛で埋め尽くされているのですが、研究者でもまだ解読できていないそうです。…というか、簡素化しすぎて読めない字ばかりですw 愛嬌のある作品ですが、何でこんな変わった達磨を描いたのだろうか…w


<大燈国師>
続いては大徳寺の開祖の大燈国師を描いた作品のコーナーで、白隠は禅宗の祖師の中でも大燈国師に対してとりわけ愛着を持っていたそうです。大燈国師は悟りを開いた後も京の五條の橋の下で 物乞いに混じって20年も暮らしていた人物で、ここにはその様子を思わせる作品が並んでいました。

31 白隠慧鶴 「大燈国師」
ボロボロの服を着て左手で袋を持ち、右手は印を組むような手つき(親指と人差し指・中指を合わせるような手つき)で手を差し出しています。髪はボサボサで目は鬼気迫るものがありました。解説によると、これは天皇が大燈国師を召抱えようとした際、役人が大燈国師を探すために好物の瓜を並べたところ、禅問答をしてくる物乞いがいて、それで大燈国師だと分かったそうです。これはそのシーンを描いているらしく、その手つきも何らかの意味が考えられるようですが、不明のようでした。なお、この手つきは他の作品でも見られるので、ちょっと気になります。

この辺には白隠の使った団扇やキセル、筆なども展示されていました。

35 白隠慧鶴 「自画像」
これは袈裟をまとった姿の自画像で、頭は坊主で目が怖いw 何処となく不動明王を連想する姿に観えました。解説によると、白隠の没後に弟子が書いた賛があり、2幅描かれたうち1幅は弟子に与え、残ったもう1幅がこの作品で、没後に見つかったとのことでした。


ということで、今日はここまでにしようと思います。予想以上に楽しめる展示で、後半もますますユーモア溢れる作品がありました。次回は後半の展示についてご紹介しようと思います。


  → 後編はこちら



 参照記事:★この記事を参照している記事

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