関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

国宝燕子花図屏風〈琳派〉の競演 【根津美術館】

ゴールデンウィークの最終日に、根津美術館に行って「コレクション展 国宝燕子花図屏風〈琳派〉の競演」を観てきました。

P1100840.jpg

【展覧名】
 コレクション展 国宝燕子花図屏風〈琳派〉の競演

【公式サイト】
 http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

【会場】根津美術館
【最寄】表参道駅


【会期】2013年4月20日(土)~5月19日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況(祝日15時半頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
毎年凄く混む時期なので今年も警戒していたのですが、意外にもそれほど混むこともなくすんなり入ることができました。中に入っても大型の展示品が多いので、混雑感はありませんでした。行った時間が遅めだったのが正解だったのかも。

さて、今回は毎年この時期恒例の根津美術館の琳派のコレクションを集めた展示です。去年は特別展でしたが今年はコレクション展となっていて、根津美術館の所蔵する作品が並ぶ内容となっていました。いくつかメモを取ってきましたので、詳しくは作品とともにご紹介していこうと思います。
 参考記事:
  KORIN展 国宝「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」  (根津美術館)
  国宝 燕子花図屏風 2011 (根津美術館)
  国宝燕子花図屏風 琳派コレクション一挙公開 (根津美術館)


<コレクション展 国宝燕子花図屏風〈琳派〉の競演>
まずは今回の展示からご紹介します。

1 [伊年]印 「四季草花図屏風」 ★こちらで観られます
これは6曲1双の横長の屏風で、伊年という印があるので俵屋宗達の工房の作品と思われます。 右から左にかけて春夏秋冬となっているようで、金地を背景に牡丹や紫陽花、百合、杜若、ススキ、桔梗、野菊?など70種類近い草花が描かれています。色鮮やかで写実的な花々で、所々が透けているようでした。解説によると、これらは輪郭を用いない没骨法の技法が使われているようです。背景の金地と相まって絢爛な印象を受けました。

この近くには同じ伊年印の淡く儚い印象の作品もありました。同じ工房でも時代が違いそうです。

4 野々村仁清 「色絵山寺図茶壺」
これは側面に絵が描かれた茶壷で、山間の寺と赤や黄色に染まる山々が描かれています。所々に金が使われていて、幻想的かつ雅な雰囲気がありました。

この近くには本阿弥光悦の書などもありました。

10 「桜下蹴鞠図屏風」
これは6曲1双の屏風で、右隻には桜の木の下で貴族や僧侶たちが蹴鞠をしている様子が描かれています。高く蹴りあげて皆で見上げるような感じで、楽しげです。一方、左隻には黒っぽい垣根が斜めに描かれているのですが、それがかなり大胆で目を引きます。この構図には驚きました。作者はわかりませんが、面白い作品です。

11 「浮舟図屏風」 ★こちらで観られます
これは源氏物語に取材した6曲1隻の屏風で、冬の月夜に匂宮が思いを寄せる浮舟を連れ立って、小舟で宇治川を渡りながら歌を読み交わすというシーンが描かれています。対角線上に一直線に伸びた舟がやや大きめに描かれ、その中央に寄り添う貴族風の男女の姿があり、左下には舟を漕ぐ人物がいます。茶色い川は簡略化されていて、流れが文様のようになっていました。何故か左上の銀色の半月が水平線より手前に見えるのが気になるかなw この作品も大胆な構図が面白かったです。

13 尾形光琳 「燕子花図屏風」 ★こちらで観られます
今回のメインとなる6曲1双の屏風です。毎年ご紹介していますが、何度見ても飽きないのはリズム感のある配置が絶妙な為かな。類似した作品を色々観てから見直すと、意外と杜若が密集して見える気がしました。じっくり観ておきたい作品です。

14 尾形光琳 「夏草図屏風」
これは2曲1双の屏風で、右上から左下に向かい対角線上に春から夏の花々が並んでいます。ぎっしり並んでいるので生命力を感じると共に、ややカーブしているように見えるのが流れのように思えました。解説によると、右上の春の草花は見上げる視点、中央の立葵は正面視、左下の杜若などは俯瞰するような視点となっているそうです。色々面白い仕掛けがある作品です。

この部屋には尾形光琳の父の尾形宗謙の「新古今集和歌巻」という書もありました。光琳の父は呉服屋さんですが、書の腕前も良かったようで本阿弥光悦の字に似ているように思いました。

22 伝 立林何げい 「木蓮棕櫚芭蕉図屏風」
これは2曲1隻の屏風で、右上に木蓮、中央に棕櫚、右下には芭蕉が描かれています。全体的にほとんど単色ですが、花や葉っぱにやや色がつけられているようです。また、木蓮の幹や芭蕉の葉っぱには「たらしこみ」のような滲みを使った技法が観られました。かなり簡略化されていて、色が少ないので地味な印象もしますが、独特の味わいがありました。作者ははっきりしないようですが、尾形乾山の弟子の立林何げいに帰属するのではないかとのことです。

この辺は尾形乾山の画と皿などもありました。1点のみですが江戸琳派の酒井抱一の作品もあります。

25 鈴木其一 「夏秋渓流図屏風」 ★こちらで観られます
こちらは酒井抱一の弟子の鈴木其一の6曲1双の屏風で、右隻は夏、左隻は秋の情景であるものの、画面は連続して山の中の渓流が描かれています。緑と青は原色に近く、背景の金地と共に非常に色が強い印象を受けます。また、川辺には百合の花がリアルに描かれている一方で、熊笹は簡略化されているなど、様々な表現が観られるように思いました。色とデフォルメに驚かされる作品です。


<仁清と乾山-都の華やかなやきもの->
今回は2階の展示室も琳派にちなんだ展示が行われていましたので一緒にご紹介しようと思います。尾形乾山(尾形光琳の弟)とその師の野々村仁清の作品が並んでいました。

26 尾形乾山 「銹絵玉取獅子摘四方香炉」 ★こちらで観られます
これは香炉で、方形の台の上に唐獅子が乗っていて、鞠で遊んでいる様子が表されています。側面には白黒の銹絵で牡丹(唐獅子とセットでよく描かれる)が描かれ、文章も書かれています。乾山の銹絵は結構見る機会がありますが、こんなに大胆な作品は他に中々無いんじゃないかな? この品は昨年に1世紀ぶりにアメリカから帰ってきたらしく、今回は特別に出品されているようです。これは必見です。

14 野々村仁清 「御深井写菊透文鉢」
これは側面が花弁の形にくり抜かれた透文の鉢です。ぐるっと単純化された花弁が並んでいて、それが上下しているような感じでリズム感があります。若干歪んだ形も優美な雰囲気でした。


ということで、去年に比べると若干地味でしたが、久々に観る作品もあって楽しめました。今回は上の階の展示と合わせて観られるのも良かったです。この日、もちろんもう一つの楽しみである庭園散策もしてきましたので、次回はそれについてご紹介します。


 参照記事:★この記事を参照している記事

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評価




コメント
No title
こんばんは。
琳派いいですね~。大好きです(*^^*)
これだけあったら、観るのに半日くらいかかりそうです。
2013/05/13(月) 22:32 | URL | いろもりカラス #-[ 編集]
Re: No title
>いろもりカラスさん
コメント頂きましてありがとうございます。
こちらの展示は点数が少ないので40分くらいで観ましたが、
素晴らしい作品ばかりなのでじっくり観ても飽きないと思います。
私も琳派の意匠化と宮廷美術の流れを受けた雅な雰囲気が非常に好きなので、楽しめました^^
2013/05/13(月) 23:42 | URL | 21世紀のxxx者 #-[ 編集]
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