関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

【江戸東京博物館】の案内 (2013年07月)

前々回前回とご紹介した江戸東京博物館の特別展を観た後、常設展も観てきました ここの常設はルールを守れば写真を撮ることが出来ます(企画展はNGの時もあります)ので、今回も撮ってきた写真と共にいくつかご紹介しようと思います。

 参考記事:
 江戸東京博物館の案内 (2013年01月)
 江戸東京博物館の案内 (2012年12月)
 江戸東京博物館の案内 (2012年09月)
 江戸東京博物館の案内 (2011年10月)
 江戸東京博物館の案内 (2011年06月)
 江戸東京博物館の案内 (2010年03月)
 江戸東京博物館の案内 (東京編 2009年12月)
 江戸東京博物館の案内 (絵画編 2009年12月)
 江戸東京博物館の案内 (江戸編 2009年12月)


常設の中にある企画展では「発掘された日本列島2013」という企画展示が行われていました。今回の展示は写真OKでした。

P1110588.jpg

【展覧名】
 発掘された日本列島2013

【公式サイト】
 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/project/2013/6/index.html

【会期】2012年06月08日(土)~2013年07月25日(木)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。


特別展が非常に混んでいたこともあってか、いつも以上に多くのお客さんで賑わっていました。(鑑賞に差し障るほどではありません)

今回も色々と面白い品々が並んでいましたが、以前ご紹介したものも多いので、この記事では企画展と、私が気になった常設のコーナーについてご紹介していこうと思います。


<発掘された日本列島2013>
まずは企画展を観てきました。この展示は古代から江戸時代まで、様々な遺跡で発見されたものを歴史順に俯瞰的に並べたもので、結構大型の作品などもありました。

「貝塚」
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これは縄文時代晩期(約3000年前)の上境旭台貝塚(茨城県つくば市)の貝塚。昔の人のゴミ捨て場と言った感じかな。捨てた貝が積み重なっている様子がよく分かります。

「土偶」
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こちらも上境旭台貝塚のコーナーにあった土偶。人間をデフォルメした像ですが。宇宙人説を信じたくなるくらい人間離れして見えますw 
 参考記事:国宝 土偶展 (東京国立博物館 本館特別5室)

「囲・家型埴輪」
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こちらは少し後の品で、御廟山古墳(大阪にある5世紀後半頃の古墳)から出土した埴輪。埴輪というと人型を思い浮かべますが、こうした家の形のものもあります。

「人形(ひとがた)」
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こちらは8世紀頃の下佐野遺跡から出土した人形。祭祀の場から出土したらしいので祭礼か呪術にでも使ったのかな? 神秘的な雰囲気がありました。

「築地塀剥ぎ取り」
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これは2011年に京都の教王護国寺(東寺)の東側の地塀が切りだされたもので、天井近くまで高く積み重なっています。解説によると、これは江戸時代前期に作られたのが分かるとともに、その下層には平安時代前期からの各時代の築地塀の基礎も積み重なっていたようです。まさに地層のように時代を感じさせる品でした。
 参考記事:番外編 教王護国寺 (東寺)の写真 【京都】

「伊達家屋敷出土肥前染付 磁器」
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これは江戸時代後期の品で、今の汐留シオサイトのあたりにあった伊達家の屋敷跡から出土した肥前の染付。龍や花鳥の文様があり、落ち着きのある色合いです。この他にもかなり多くの品が展示されていて、伊達家の権威を感じさせました。

「735号遺構出土 理兵衛焼」
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これは理兵衛焼(りへいやき)という高松藩の官用に使われた御庭焼(おにわやき)で、御庭焼とは江戸や国元の大名屋敷などで制作された焼物のことだそうです。江戸初期の京都の作陶から生まれたそうで、私は初めて観ました。かなり独特のデザインが面白い。


<常設>
続いては、常設のコーナーです。ここは数が多いので今回は江戸の庶民の暮らしや夏の過ごし方についてのコーナーをピックアップしてみました。

これは江戸時代の大工さんの年間収支。
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ほとんど食費と光熱費でエンゲル係数が高そう…w 意外と衣服代にはお金がかかっていないようでした。

「大江戸古着店日之出番付」
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これは古着屋さんのランキングといった感じの番付。かなりのお店が書かれていますが1723年の記録では江戸に1182人もの古着屋さんが登録されていたそうで、古着は大きな市場だったそうです。江戸庶民があまり衣服代にお金をかけてなかったのも納得w それにしても江戸っ子は何でもランキングを作りますw

続いて瓦版のコーナー。

「四谷太宗寺ゑんま大王像眼玉くり抜き事件」
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これは1847年3月6日に、四谷太宗寺の閻魔大王像の水晶でできた眼玉がくり抜かれるという事件を伝える瓦版。犯人は閻魔大王像に祈願したのにその甲斐なく子供が疱瘡で死んでしまったそうで、それを恨んでの犯行のようです。くり抜いた時に光って転落したと語られていたのだとか。ちょっと迷信っぽいけど面白い事件です。

「舶来大象図」
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これは江戸に見世物としてやってきた象に関する瓦版。こうした象やラクダ、ロバなど珍しい動物は見世物としてやってきていたようで、浮世絵などでも見世物の様子や、その時に写生した動物の絵を結構観たことがあります。江戸の人たちの興奮の様子が伺えます。

「安政二卯十月二日大地震」
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これは1855年10月2日に起きた安政江戸地震(マグニチュード6.9の直下型)の被害状況を伝える瓦版。安政の頃は全国的に大地震が連発していたらしく、この大地震に関しても何度か浮世絵で目にしたことがあります。最近も地震が多いですが、昔も苦労していたようです。
 参考リンク:安政の大地震

「大女」
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これは肥後国天草郡に住む三姉妹の体が大きいことを報じた瓦版。姉は2m4cmもあったそうで、江戸の見世物となり大人気だったようです。計測が正しいとすれば江戸の人から見たら巨人みたいだったのかも。江戸っ子の物見高い性格も推して知るべしかなw

続いては夏の過ごし方に関する浮世絵のコーナーとピックアップしてみます。

鳥居清長 「子宝五節遊 七夕」
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今も昔も変わらぬ七夕の飾り付けを描いた作品。女性を中心に子どもたちがめいめいに飾り付けしています。楽しげでこの時期に合った作品でした。

歌川国貞 「東都名所四季之内 両国夜陰光景」
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これは隅田川の河畔にある料亭での宴席の様子が描かれたもの。3枚続きで迫力ある画面となっていて、背景には両国橋も見えています。団扇を持った女性たちは涼しげで、江戸の夏の風情が楽しめました。

渓斎英泉 「浮世美人十二箇月 七月星まつり」
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団扇を持った女性の周りに七夕の短冊が舞う様子が描かれた美人画。タイトルから察するに12ヶ月あるうちの7月に該当する作品かな。翻る幾何学的な模様の着物を含め、華やかな印象を受けました。

歌川国貞 「浮世人情天眼鏡」
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こちらは湯上りの美人画。団扇には空をとぶ鯉のぼりが描かれ、青い着物を着ているなど涼を感じさせます。上に書いてある賛は山東京伝のものなのだとか。

橋本貞秀 「絵兄弟」
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ちょっと変わったタイトルのうちわ型の美人画。解説によると、美女が持っている団扇に描かれているのは琵琶湖で、扇子に描かれているのは富士山らしく、両方とも日本一であることから絵兄弟というタイトルになっているようです。浮世絵はこういう機知があるのも魅力ですね。


ということで、今回も江戸東京博物館ならではの内容となっていました。特に瓦版の展示は浮世絵などの題材にもなっている事件があったので面白く感じられました。もし江戸東京博物館行く機会があったら、特別展だけでなく常設も観ることをお勧めします。

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コメント
列島展
私も江戸東京博で展示をみることができました。予想以上のおおきな博物館で、東京は違うなぁと感じた次第です。年間収支は、自分と比べて、いろいろと考えさせられましたし、ああいう展示は面白いですね。
列島展は今回は初の宮内庁所蔵資料の公開ということで、業界的には興味深かったです。
2013/07/22(月) 21:52 | URL | 雨男博士 #-[ 編集]
Re: 列島展
>雨男博士さん
コメント頂きましてありがとうございます。
江戸東京は建物の中に街があるようなところなので、かなり広いですよねw
内容も多岐に渡っていて、歴史をちょっと勉強しただけじゃ分からないような当時の生活が伺えるのも魅力です。

おっしゃるとおり、今回の特集は宮内庁の貴重な品々でしたね。
私のような素人にはその違いに気が付かないですが、研究者の方々にも参考になるほどだったのですね。
貴重な情報ありがとうございます。
2013/07/23(火) 15:54 | URL | 21世紀のxxx者 #-[ 編集]
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