関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』… 【ブリヂストン美術館】

前回ご紹介したカフェに行った次の日に、すぐ近くのブリヂストン美術館へ行って「色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…」を観てきました。(カフェに行った日は閉館時間を過ぎてしまい入れませんでしたw)

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【展覧名】
 コレクション展 色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…
 併設:追悼 ザオ・ウーキー

【公式サイト】
 http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibitions/

【会場】ブリヂストン美術館
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・日本橋駅・都営浅草線宝町駅


【会期】2013年6月22日(土)~2013年9月18日(水) 
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていてゆっくり鑑賞することができました。

さて、今回の展示は大きくわけて2つの内容となっていて、1つはタイトル通りの内容で、もう1つは今年(2013年)に亡くなったザオ・ウーキーの追悼展示となっています。とは言え、いずれも常設中心の展示ですので、今回は私が「初めてみる作品」(他の美術館の所蔵品など)と、「最近入れ替わって展示されたと思われる作品」を中心にいくつかご紹介しようと思います。(代表的なコレクションというわけではありません。代表的なものは公式ページで確認できます)
 参考リンク:現在展示中の収蔵作品


<色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…>
まずは今回のテーマの展示です。所々に絵の具の歴史などについてのキャプションがあり、色に関する各時代の取り組みなども分かるようになっていました。作品自体はほぼいつもどおりの内容かな。

エドゥアール・マネ 「裸婦」
これはチョークの素描で、座って頭の後ろに手を回して髪を直すような裸婦が描かれています。顔はやや描き込まれていますが、他は輪郭線だけで結構簡素に描かれています。しかし形態をよく捉えていて、簡素だからこそマネの力量が伝わってくるように思いました。

モーリス・ド・ヴラマンク 「風景」
これは水彩の風景画で、手前に道が斜めに走り奥に家々が描かれています。濃い目の色で水彩とは思えないほどの強さですが、水彩ならではの透明感もあります。素早く描かれた感じも面白い作品でした。

オディロン・ルドン 「夢想(わが友アルマン・クラヴォーの想い出に) Ⅴ 月世界の巡礼」
こちらは今回の展示のタイトルにもなっているルドンの白黒の版画集です。アルマン・クラヴォーというのはルドンの創作の元となる様々な事物を教えた植物学者で、このシリーズはルドンが敬愛するクラヴォーが自殺した翌年に作られました。聖ヴェロニカがキリストの汗を拭った際に、ベールに顔が写ったという奇跡を題材に、キリストはクラヴォーの顔で描かれています。今回注目したその中の1枚では、右上に輝く月?のようなもの、左下には馬に乗ったフードの人物が描かれ、その人は月を観ているのかな。人と月は白っぽく、馬は黒いなど明暗によって物の形や空間を表していました。幻想的な作品です。
 参考記事:
  オディロン・ルドン ―夢の起源― 感想前編(損保ジャパン東郷青児美術館)
  オディロン・ルドン ―夢の起源― 感想後編(損保ジャパン東郷青児美術館)

アンリ・マティス 「ジャズ」 ★こちらで観られます
これも今回の展覧会名に入っているマティスのリトグラフで、音楽とは関係なくサーカスや民話、旅行などの思い出を題材にしています。元々は切り絵で、助手がグワッシュで紙に色をつけてマティスがハサミで切り抜いて作ったそうで、印刷の際にはマティス自身が再現性にこだわって様々な印刷法を試したそうです。そのこだわりの為か完成までに3年もかかったらしく、最後まで苦労したのは紫色だったようです。また、元々は「サーカス」というタイトルになる予定だったそうですが、即興性がジャズの精神と一致する為にこの名前になったそうです。
そのジャズは全20枚あるのですが、私が好きなのは「Ⅸ形体」(女性の体とそれが反転したような作品)や、「ⅩⅤナイフ投げの男」などで、今回のポスターになっているのは「Ⅷイカロス」です。いずれも非常に簡素ながらも色彩と形が軽やかで、楽しげな雰囲気があります。しかしよくよく見るとサーカスの事故を思わせたりするのも興味深い作品でした。
 参考記事:マティス Jazz (ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX)
マティスは所蔵品が一気に観られる部屋となっていてそれだけでも楽しめました。


<併設:追悼 ザオ・ウーキー>
続いては今年の4月に92歳で亡くなったザオ・ウーキーの追悼企画です。ザオ・ウーキーは1921年に北京で生まれ、出身校である杭州美術学校で教鞭をとった後、1948年に27歳でパリに渡りました。(1964年にフランス国籍を取得) パリではパウル・クレーを知り、その記号的な題材の扱い方を模倣したそうで、その後の1957年には渡米してフランツ・クラインやマーク・ロスコ等アメリカ抽象表現主義の作家と知り合いました。1960年代は中国の書を思わせる不定形が画面に現れ、やがて動的な筆致が画面全体に広がるようになったそうです。1980年代以降は色彩を空間に解き放つかのような作品を制作したそうで、ここにあったのは恐らく晩年の作品じゃないかな。ブリジストン美術館は国内最大のザオ・ウーキーの作品コレクションを持っている(と思われる)ようで、ここにはそうした作品が並んでいました、

ザオ・ウーキー 「無題」
墨で描かれた作品で、左下のあたりに濃淡で描かれた抽象的なもの(岩山みたいなものに見えました)があり、右下には賛らしきものがあります。「石橋主人??趙無?筆」と書かれていました。(?は読めない部分) この美術館と関係がある品かな? それにしてもザオ・ウーキーって中国人だったとは知りませんでした。

この辺にはいつも展示されている「07.06.85」(深海の底を思わせる作品)もありました。1985年の作品です。

ザオ・ウーキー 「風景2004」
これは全体的に黄緑色の画面で、右の方に山らしきものがあり、中央からやや左のあたりはオレンジがかっていて夕焼けを思わせます。緑の筆跡は恐らく山の植物を表しているのかな? 他の作品と比べると何となく風景だなという具象性が感じられました。色合いの深さが印象的な作品です。


<色を見る、色を楽しむ。ールドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』…>
最後は日本の洋画家の作品が並ぶ部屋となっていました。

猪熊弦一郎 「女の肖像」
これは水彩で、座っている白いワンピースの女性が乗り出すように右の方を観ている様子が描かれています。周りには赤い花などがあり、単純化が進みどことなくマティスを思わせる色形かな。女性の服のせいか夏を思わせる作品でした。

川上涼花 題名失念…
丘とその上に立つ黄色い葉をつける木を描いた作品です。一見してナビ派風で、樹の下の辺りには赤が使われるなど大胆な色使いです。筆跡も大きく、色が強く感じられました。


ということで、久々にジャズを観ることが出来て楽しめました。コレクション展なだけに今回ご紹介しなかった常設作品も見応えありますので、ここに訪れたことがない方は1度は観に行ってみるとよろしいかと思います。


 参照記事:★この記事を参照している記事
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