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ミケランジェロ展―天才の軌跡 (感想後編)【国立西洋美術館】

今日は前回の記事に引き続き、国立西洋美術館の「ミケランジェロ展―天才の軌跡」の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。

  前編はこちら


P1120641.jpg

まずは概要のおさらいです。

【展覧名】
 システィーナ礼拝堂500年祭記念 ミケランジェロ展―天才の軌跡

【公式サイト】
 http://www.tbs.co.jp/michelangelo2013/
 http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2013michelangelo.html

【会場】国立西洋美術館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)

【会期】2013年9月6日(金)~11月17日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日11時半頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前編では2章までご紹介しましたが、後編は下階と出口側の上階についてです。後半は彫刻作品なども展示されていました。


<第2章─ミケランジェロとシスティーナ礼拝堂>
下階にはシスティーナ礼拝堂のコピーなどが展示され、実物の凄さを知る内容となっていました。まずはシスティーナ礼拝堂の天井画にある湾曲した逆三角形の区画に描かれているデルポイの巫女(5人の巫女の中で最も若く美しい)の原寸大の陶板複製があり、人間の2倍くらいの大きさとなっていました。半端無くでかい…w その近くには天井画の全体を縮小したコピーがあるのですが、デルポイの巫女はほんのわずかな一部でしかないので、その大きさが伺えました。これは一度実物を観てみたいものです。

この辺には天井画の詳しい区分けや、フィレンツェやローマのミケランジェロ関連の地図なども展示されていました。

そしてその先の部屋は4Kで撮った高解像度の映像があり、システィーナ礼拝堂の内部を流していました。極大しても細かい描写となっていて、ただただ驚くばかりです。


<第3章─建築家ミケランジェロ>
再び上階に戻ると、3章は建築家としてのミケランジェロの功績についてのコーナーです。ミケランジェロの建築に対する関心の萌芽は大規模な霊廟として計画した教皇ユリウス2世の墓碑の初期構想に表れ、それはシスティーナ礼拝堂天井画における建設的構造の騙し絵風描写に応用されたそうです。しかし実際の建築家としての仕事はまずメディチ家の教皇レオ10世の元で実現したそうで、ここにはそうした建築にまつわる品が並んでいました。

43 ミケランジェロ・ブオナローティ 「ユリウス2世の霊廟に使用する大理石のスケッチ」 ★こちらで観られます
これは石工たちに大理石の切り出しを指示する為のスケッチです。定規を使って描いているらしく、図面みたいな感じに見えるかな。細かく文字も書かれ寸法や形体についてかなり几帳面に指示しているようです。解説によると、この大理石の支払いについて教皇に会いに行った際に結局会えなかったらしく、ミケランジェロはその扱いに激怒してフィレンツェを去ってしまい、計画は中止になったそうです。やはり大きなプロジェクトになると制作以外のマネジメントでもめるケースもありますね…。

この辺にはファサードの計画案や円柱の装飾デザインなどもありました。建築というよりは装飾の設計といった感じです。また、少し先には手紙があり、複数のプロジェクトに関わっていて経費や石材の運搬に問題を抱えていらしく、何かの仕事をお望みならば制作を自由にさせて欲しいという嘆願が書かれているようでした。

53 ミケランジェロ・ブオナローティ 「サン・ジョヴァンニ・デイ・フィオレンティーニ聖堂の平面図計画案」 ★こちらで観られます
これは84歳の頃に設計した聖堂のプラン(実現はしなかった)で、八角形や半円を組み合わせた幾何学的な平面図となっています。この隣には初期の平面図もあったのですが、それはもっと簡素で、かなり華やかな印象になっているように思いました。ミケランジェロの建築家としての技量が一番よく分かる作品で、万能ぶりが伺えました。
なお、この聖堂は結局17世紀に入って別の建築家の手で完成されたのだとか。

この他にも門の設計なども展示されていました。


<第4章─ミケランジェロと人体>
最後はミケランジェロの中でも特に評価の高い人体像についてのコーナーです。ミケランジェロの芸術の根幹を成すのは人体への関心だったようで、それはつまり像を作ることだったようです。その表現はマニエリスム(人体を曲げたり引き延ばす表現)に影響を与えたようで、ここにはそうしたミケランジェロの人体像が並んでいました。

54 ミケランジェロ・ブオナローティ 「階段の聖母」 ★こちらで観られます
これは15歳の頃に制作された浮き彫り彫刻で、階段の脇で幼子キリストに母乳を与えている聖母が表わされています。背景には階段にいる天使の姿もあり、これがタイトルの由来のようです。マリアは遠くを見るような顔つきで考え事をしているように見えるかな。意外にも柔らかい彫りで薄布が表現されていて、解説によるとこれはドナテッロが得意とした極薄肉浮彫(スティアッチャート)という技法が用いられているそうです。しかし、マリアはかなり立体的に見えるのが不思議で、そうした存在感を出している点がミケランジェロの特質が既に現れている証のようでした。それにしてもこれを15歳で…。これにはかなり驚かされました。

この近くには人体の素描などもありました。古代彫刻に学んでいる様子が伺えます。

60 ミケランジェロ・ブオナローティ 「キリストの磔刑」 ★こちらで観られます
これは最晩年に作られた木彫のキリストの磔刑像で、腕は無くぐったりした感じの姿で表されています。顔などはハッキリしていないし細部まで彫られていないのですが、それでもボリューム感があり劇的な印象を受けるのが流石です。解説によると、これは等身大以上の巨大な木像のための習作だったと考えられるそうで、甥のレオナルドに贈るためのものだったのではという説もあるようでした。

59 ミケランジェロ・ブオナローティ 「クレオパトラ」 ★こちらで観られます
これは素描作品で、毒蛇に胸を噛ませて自害するクレオパトラの胸像となっています。肩に蛇が絡みついているものの、首を傾げるようなポーズとなっていて自害の割りには穏やかで色気が感じられました。解説によると、これは親しくしていたカヴァリエーリ(同性愛が疑われている相手)に贈るために制作したそうです。緻密で繊細な陰影がつけられていて、まるで石膏像がそこにあるような感じでした。
さらにこの作品は裏面も観ることができるようになっています。裏面には苦悶の表情を浮かべるクレオパトラが描かれ、歯をむき出しにして苦しむ姿が恐ろしげです。これは表面は夢想的な静謐さであるのと対照的に、裏面は敗北と死を目前にした憔悴した深い内面の動揺と苦悶を表しているとのことでした。これは表裏で比べながら観ると、精神性が感じられました。


ということで、素描と資料が中心の展覧会でしたが、最後の最後で見応えのある品が並んでいました。ミケランジェロは後世にも大きな影響を与えた芸術家ですので、この機にその仕事の数々を知っておくと良いのではないかと思います。会期末頃には混むのが予想されますので、気になる方はお早めにどうぞ。


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