関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

セザンヌゆかりの地めぐり 【南仏編 エクス】

まだまだネタがあるので再び南仏編の記事です。アルルやアヴィニョンの街に行った後、セザンヌの生まれ故郷であるエクス・アン・プロヴァンスに行って、セザンヌゆかりの地めぐりをしてきました。

実際にはエクス・アン・プロヴァンスに着いた次の日に行ったのですが、国鉄の在来線のエクス駅近くからバスに乗って、まずはセザンヌのアトリエに向かいました。

5番のバスに乗って15分くらいで着く「Cézanne」と直球な名前のバス停で降りるのですが、バス停からアトリエまでは100mくらいあるのに何の看板もありませんw とりあえず「Cézanne」で降りたら坂を下って行けばあります。バスの乗り方は日本と似たようなもので、バスの中でチケットを買えますが、小銭は持っていったほうが良いかな。片道券と往復券のどっちが良いか訊かれます。

そしてこちらがセザンヌのアトリエ(レ・ローヴのアトリエ) 
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季節によって閉館やお昼休みがあったりするので、訪れる場合は事前に営業時間を確認することをオススメします。(ここで貰ったパンフレットには定員18人で、訪れる際は予約をオススメすると書いてありましたが、私は予約はしないで行きました)

 日本語公式サイト:http://jp.france.fr/ja/discover/30119


入口付近から仰ぎ見るアトリエ。セザンヌ自ら設計図を描いて建設したのだとか。
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結構広い庭があるのですが、木々が生い茂っていて全体を撮るのは難しい。

ここが入口。セザンヌはここに1901年~1906年の最晩年に住んでいました。母の死後、家族の住まいを売らざるを得なくなり、新たな住居と仕事場が必要となり、ここを仕事場にしました。
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死後、1921年までここは閉ざされましたが、エクスの学識者マルセル・プロヴァンスによってセザンヌの息子から買い取られ、家財道具も保全されました。さらに1954年には解体されそうになりますが、2人のアメリカ人のセザンヌ研究者によって資金が集められ、アトリエと土地がエクス市に寄贈されたそうです。(フランス人は勿体無いとは思わなかったのかな…)

少し庭を進んだ所から。ここでセザンヌも休息を取っていたのかな。
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庭でも40枚くらい作品を描いているそうです。

1階の奥の部屋がチケット売り場兼ミュージアムショップとなっています。
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確かここで解説機の料金も払ったような記憶があります。何と日本語の解説機もありました。(解説機自体は2階で借ります)

チケットと一緒にエクスのセザンヌめぐりの地図を貰いました。
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セザンヌが通った中学とか結婚した教会とか色々あるのですが、これを観て分かる通り市街のあちこちにゆかりの地があって、エクスの街中には地面にセザンヌ関連の地であることを示すのプレートが埋まってるところもありました。セザンヌが住んだ家だけでも4軒くらいあるw エクス駅近くの観光局から徒歩で2時間かけてゆかりの地をめぐるツアーなんかもあるそうです。

気を取り直してアトリエ内部へ。
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1階は観る所がなく、こちらの階段を登って2階へ。

そしてこれがセザンヌ最晩年のアトリエです。
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屋外からの自然光を取り込めるような設計になっているようです。大型の「大水浴図」もここで完成させたのですが、かなり大きい作品なので北側の壁の端に通し穴を開けて、そこからカンバスを出し入れしていたそうです。

セザンヌのファンなら、あれだ!という見覚えのある品々がズラリ。
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この光景は当時からそれほど変わっていないはず。
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まず何と言ってもこれが気になると思いますw
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林檎とナプキン。セザンヌの代名詞的なモチーフです。流石に模型ですけど、ここで描いたと思うと雰囲気が出ていましたw

こちらにも見覚えのある3つの骸骨が。
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イーゼルなどもあります。

瓶や壺も絵に描かれていたのと同じ色形のものが並んでいました。
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この引戸の中にはセザンヌの手紙などが展示されていました。
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この他にもセザンヌが身につけていた帽子やコート、パイプ、画材道具などもありました。

ということで、セザンヌの仕事場の雰囲気を味わうことが出来ました。飾ってあるものは全部が本物というわけでもないと思いますが、名作の数々を生み出した環境を観られて大満足です。


続いて、セザンヌがアトリエから足繁く通ったテラン・デ・パントルと呼ばれる丘(画家たちの活動の場所という意味)へ向かいました。

アトリエからひたすら坂を登って行きます。歩いて約10~15分くらいかな。夏場は日陰が無くてかなり暑かったです。

道からちょっと入って、こちらの一見何も無い公園をさらに登ります。
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ここでセザンヌが絵を描いていた頃の写真なんかもありました。

そして、頂上から観る光景がこちら!
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セザンヌがこよなく愛して何枚も絵に描いたサント・ヴィクトワール山です!

サント・ヴィクトワール山のアップ。
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この写真を撮ったあたりには、9枚のパネルがあってここで描かれた絵と実景を比べることができます。

さらにセザンヌがよく描いた白壁にオレンジ屋根の家々もあります。
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こうした家はエクス近郊のあちこちで観られるのでここで描いたかは分かりませんが、後にキュビスムへと繋がる風景と言えそう。

アトリエとテラン・デ・パントルの丘はまとめて観られるので、セットで訪れるのがオススメです。本当は同様に足繁く通った石切場やジャス・ド・ブッファンの別荘(初期のアトリエ兼住居)にも行きたかったのですが、ちょっと離れていて短時間で周るのは厳しいので諦めました。

代わりに市街地に戻って、セザンヌの生家を訪れました。

ここが非常に探すのが大変でしたw

こちらが生家。
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この辺はこういう家だらけなので、外見だけではセザンヌの家かどうか区別できませんw 

上の写真の左隅あたりに通りに面した入口があるのですが、そこにはこのように書かれています。
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うーん、こんな小さい文字は探しても中々気づけないですw とは言え、とにかく見つかって良かった。中には入れないので何となく観て終わりですw

ちなみにこの家のすぐ隣あたりにエミール・ベルナールの家や近所にエミール・ゾラの家もあったと先程の地図に載っているのですが、そちらは完全に何も書かれていないのでどの建物か分かりませんでした。

おまけで、エクスの街中をご紹介。
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エクスの市街地はそれほど広くありませんが、落ち着いていて非常に綺麗なところです。この街もオプショナルツアーの発着が多いようなので、ここを拠点にあちこち行くのも良さそう。(余談ですが以前はアタック25のトップ賞がエクス・アン・プロヴァンスへの旅だった記憶がありますw)

エクスというのは湧き水が湧くところという意味らしく、街中あちこちに噴水がありました。
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最後に、これはエクスのTGV駅。私はアヴィニョンからエクスまでTGVで移動したのですが、これが大失敗でした。
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というのも、エクスのTGV駅からエクス市街まではタクシーくらいしか交通手段がなく、タクシー料金が40ユーロ(当時約5000円)もかかりました。エクス市街にはマルセイユまで30分もかからない在来線の駅があるので、もしエクスに鉄道で訪れるのであれば在来線をオススメします。


ということで、色々と失敗やハプニングもありましたがセザンヌの故郷を楽しんできました。セザンヌが描いた光景そのものを観ることができますので、セザンヌ好きの方はいつか訪れてみるのもよろしいかと思います。


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