関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

イタリア美術とナポレオン展 【大丸ミュージアム・東京】

もう終わってしまいましたが、シルバーウィークの最終日に東京ではたった2週間半しか開催されなかった「イタリア美術とナポレオン展」を観てきました。

P1080036.jpg


【展覧名】
 イタリア美術とナポレオン展 ~コルシカ島 フェッシュ美術館コレクション~

【公式サイト】
 http://www.daimaru.co.jp/museum/tokyo/index.html
 http://news.pia.jp/pia/news_image.do?newsCd=200909110000&imageCd=0

【会場】大丸ミュージアム・東京
【最寄】東京駅
【会期】2009年9月10日(木)~28日(月)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日18時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
この展覧会はサブタイトルにあるようにコルシカ島(ナポレオンの故郷)にあるフェッシュ美術館が所蔵するコレクション展となっていました。フェッシュというのはナポレオンの母方の叔父であるジョゼフ・フェッシュ枢機卿のことで、相当の美術愛好家だったようです。以前は16000点もコレクションを持っていたそうですが、その後の政変などを経て流石に散逸してしまったのだとか…。それでもイタリア美術に関してフランス内ではルーブルに次ぐ規模のコレクションを持っているそうです。この展覧会でもボッティチェッリの作品など日本では中々観られない作品がありました。もう東京開催で終わってしまったようですが、せっかくなので感想を書いておきます。っていうか会期短すぎで勿体無い!

いつもどおり章ごとに作品をご紹介します。この辺は私にとって疎いジャンルなので、説明が欲しいところなのですがあんま詳しい説明はなかったかも。いつもより理解できていないと思いますがご愛嬌でお願いしますw

<第1章 光と闇のドラマ - 17世紀宗教画の世界>
マティアス・ストーメル 「イサクの犠牲」
横たわる裸のイサク(男の子)を短剣で刺そうとしている老いたアブラハムの手を、背後の天使が抑えている絵です。イサクに強い光があたって明暗がくっきりしていました。大胆でドラマチックな感じがするので、これはバロックかな?

サンドロ・ボッティチェッリ 「聖母子と天使」 ★こちらで観られます
ボッティチェッリが25歳の頃の作品。幼子イエスを抱くマリアとイエスを持ち上げるような天使が描かれています。マリアの視線は慈愛に満ちていていました。イエスもマリアを見上げていて 何かを訴えているように見えました。後ろの天使は何故か画面よりもはるか遠くを見るような視線で、絵の中に世界が広がっているようです。解説によると、この絵は師匠のフィリッポ・リッピの影響が出ているらしく、この絵と同じ構図の師匠の絵の写真もありました。どんぐり眼をしたイエスに観られるように、身近な生き生きとした子供を描くあたりがルネサンスらしいようです。ボッティチェッリといえば誰もが知っている「ヴィーナスの誕生」を思い浮かべますが、この絵では既に独特の優美さと神秘性を秘めた雰囲気が出ていました。

ルカ・ジョルダーノ 「聖セパスティアヌスの殉教」
半裸の男性に2本の矢が突き刺さって血を流している絵です。その目はまぶたが赤くなって大粒の涙を流しています。体は病的に白く、背景が黒い地面なのでコントラストがあえいます。迫真に迫る作品でした。

<第2章 日常の世界を見つめて - 17世紀世俗画の世界>
パウル・ブリル 「風景」
川と岩山を描いた作品。岩に当たる光の表現が面白い理想的な風景で、色彩が薄くて幻想的な感じがしました。この作品はあまり類のない珍しい作風なのだとか。

ジュゼッペ・レッコ(帰属) 「亀と魚のある静物」
中央にスポットライトが当たったかのように、仰向けになった亀の白い腹に目がいきます。結構リアルに描かれていて、周りにはグロいさかなも横たわっていました。亀の目はまだ生きてる感じでした・・・。

<第3章 軽やかに流麗に - 18世紀イタリア絵画の世界>
コッラード・ジャクイント 「サン・ニコラ・デイ・ロレネージ聖堂のドーム装飾のための習作」
 ★こちらで観られます
この人はゴヤの師匠で、ロココ様式の画家です。この絵は3枚組で、天国を主題とするフレスコ画の装飾プランの一部らしいです。後方は薄く前方は濃い色彩で、雲の上でくつろぐ聖人と、その頭上で舞う天使を描いています。柔らかい色彩が優雅で明快な美しさです。光に包まれているような感じの絵でした。

エティエンヌ・パロセル 「キリストとサマリア女」
非常に洗練された感じの絵です。この絵は、水を求めて井戸のそばで座るイエスと、敵対関係にあったサマリア人の女を描いています。イエスと女は話し合っているようで、女は「救世主が来ると聞いている」と言うと、イエスが「それは私だ」と答えているシーンらしいです。澄んだ目をしたイエスと、瓶を持った女の疑ってる目が対比的でドラマチックでした。

フェリックス・ジーム 「コンスタンティノーブルの景観」「ヴェネツィアの景観」
この頃になるとヴェネチアやナポリやジェノバでも、明るく優美で軽やかな表現が生まれたらしいです。この絵は港を描いた絵で、ちょっと傾いた船と10人くらいで漕いでいるゴンドラも描かれていました。水面にはその船や空の微妙な光の変化が表現されていて、印象派に通じるような雰囲気でした。

<第4章 ナポレオンとボナパルト一族>
リシャール、ケネル 「ナポレオンのデスマスク」 ★こちらで観られます
このコーナーはナポレオンの一族に関する作品や遺品が中心だったのですが、これはナポレオンが死んで2日後に直接顔から型を取ったデスマスクでした。鼻が高くて引き締まった顔をしていました。顔そのものが残ってるって凄いかも。ナポレオンの没落や王政復古、さらに3世の戴冠など波乱万丈な歴史についても紹介されていました。

フランソワ・ジェラール 「戴冠式のナポレオン1世」 ★こちらで観られます
これは教科書か何かで観た覚えがあります。豪華なマントをまとい、金の杖をつくナポレオンの肖像です。質感まで伝わってくるような精密さで、ナポレオンからオーラが出ているような雰囲気でした。

アントニオ・カノーヴァ 「ジョゼフ・フェッシュ枢機卿像」
最初にご紹介した、この美術館のコレクションの礎を築いたナポレオンの叔父の胸像です。厳格な道徳心と思慮深い気質の人だったらしく、表情からもそれが伝わるようでした。ちょっと温和な感じもしたかな。

ジュール・パスクワリーニ 「フェッシュ枢機卿」
これも胸像と同じフェッシュ枢機卿の絵なのですが、こっちは少し神経質そうな顔をしてるw 胸像と比べると確かに似てるけど、ちょっと雰囲気が違って見えました。

ロレンツォ・バルトリーニ 「エルザ・ナポレオーネ像」
可愛らしい少女の胸像です。カールした髪が肩まで伸びていて、そのカールにしなやかさがありました。品がありそうな顔立ちで、あごに親の特長が出ているという解説がありました。

アレクサンドル・カバネル 「ナポレオン3世」
お、カバネルの作品もある!と嬉しくなりましたw 威厳のある皇帝、ナポレオン3世を描いています。しかし、儀式用の服ではなく平常時の服で王座の前の立ってポーズをとっていました。この人も1世と同じように最後は不遇だったんですよね・・・。

ということで、あまり点数は多くなかったですが貴重な作品を楽しむことができました。本当に期間が惜しまれます…。大丸ミュージアムは、今やってるチュニジアの展覧も3週間しかやっていないし、本当に勿体無いです。
参考:チュニジア世界遺産 古代カルタゴとローマ展 ~きらめく地中海文明の至宝~
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