関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

和菓子の歴史 【虎屋文庫】

先日、会社のお昼休みを利用して、赤坂見附にある虎屋文庫で「和菓子の歴史」を観てきました。ここは以前にご紹介した「とらや」の赤坂本店の2Fにある展示室です。
 参考記事:喫茶・虎屋菓寮 (とらや赤坂本店) 【赤坂見附界隈のお店】

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【展覧名】
 和菓子の歴史

【公式サイト】
 http://www.toraya-group.co.jp/gallery/dat01/dat01_024.html
 http://www.toraya-group.co.jp/gallery/dat_index.html

【会場】虎屋文庫
【最寄】赤坂見附/永田町


【会期】2010年7月23日(金)~9月20日(月)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況(平日13時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
このお店はちょくちょく寄っているのですが、虎屋文庫は常に展覧会をやっているわけではないので、訪れたのは初めてでした。展示室はビルの1室程度の広さで、ほぼ貸しきり状態で観ることができました。
この日は、和菓子の店らしく「和菓子の歴史」ということで、菓子(本物か模型か分からずw)と共に書物などが並んでいました。特に美術品は無いので資料展と言った感じでしたが、解説がしっかりしていて和菓子の歴史をざっくりと知ることが出来ました。時代ごとに大まかにご紹介しようと思います。


<和菓子のルーツ>
最初は和菓子のルーツのコーナーでした。今の和菓子は江戸時代から作られたそうで、それ以前は木の実や果物、だんごや餅などが食べられていたそうです。一番最初には縄文クッキーの再現というものがあり、これは縄文時代に食べられていたと考えられている木の実の粉を丸めて焼いたものだそうです。嗜好品かどうかは不明とのことですが、見た目は確かにクッキーみたいでした。

<唐菓子>
唐菓子(とうがし)は飛鳥時代~平安時代に遣唐使によってもたらされたもので、米や麦の粉を生地にして揚げた物です。宴などに用いたそうですが、鎌倉時代には唐菓子はあまり作られなくなり、神社や寺社の供物としてして用いられるようになったそうです。山梨の「ほうとう」は唐菓子が変化したものとの解説もありました。
ここには書物や揚げた菓子などがあったかな。近くには「蘇」という当時最高級のチーズもありました。

<点心>
鎌倉時代から室町時代にかけては「点心(てんじん)」という食べ物が紹介されていました。これは禅僧がもたらした朝夕の食事の間に摂る小食のことだそうで、間食的なものかな?羊羹や饅頭の原型となる菓子もこの時代に生まれたそうで、近くには羊羹のコーナーもありました。ここには「鼈羹(べっかん)」という四角錘(すっぽんらしい)の羊羹のようなものや、「魚羹(ぎょかん)」という魚の形をしたお菓子がありました。 禅僧は生臭なものは禁じられていたので、こうした形の食べ物が作られたようです。

<南蛮菓子>
戦国時代から江戸初期にかけてはポルトガル人などがもたらした南蛮菓子を紹介していました。当時、非常に珍重されキリスト教の布教にも利用されていたそうです。ここには「コンフェイト」という金平糖の元となったお菓子や、カステラなどがありました。
また、南蛮菓子は鶏卵や砂糖を多く使う特徴があるそうで、「鶏卵素麺」という江戸時代に日本独自で作られた食べ物も展示されていました。

<上菓子>
江戸時代には砂糖の流通が増えて多様なお菓子が作られました。中でも白砂糖を使った上等な菓子を上菓子と呼んだそうで、これは茶の湯の影響も受けているため見た目も美しいお菓子でした。ここには、ピンク色で単純化された桜の花の形をしたお菓子や、なすび型のお菓子、みかんそのものの色形のお菓子、家紋のようなお菓子など、手の込んだボリューム感あるお菓子が並んで絢爛豪華でした。また、和歌の浦という絵のような鮮やかで細かい菓子もありました。
こうした上菓子を武家や公家も好んだそうで、彼らに納入した菓子屋には「御用菓子屋」を名乗る者も出たそうです。また、京都で生まれた上菓子は江戸に「下り京菓子」として伝わり、さらに参勤交代で各地方にも広がっていったそうです。

<茶の湯と菓子>
16世紀の茶会の菓子は柿や栗などの素朴なものだったようですが、17~19世紀には銘のついたお菓子などが用いられたようです。ここには「山川」などの名前がついたお菓子も展示されていました。また、しいたけ、昆布、タコなどの煮物や、「ふのやき」という利休の好んだお菓子もありました。ふのやきは小麦粉を薄く焼いてミソを塗って巻いたものらしいので、結構美味しそうだったw

<名物菓子>
このコーナーは江戸時代に生まれた名物菓子の紹介です。桜餅や大福餅、安倍川餅など今でも定番のお菓子が展示されていました。

<庶民の菓子贈答>
ここは年中行事や冠婚葬祭にあわせた菓子があったかな。柏餅や牡丹餅、鯛形という鯛の形のお菓子、軽焼というお菓子などがあります。 この軽焼というのは病気が軽く済むようにという意味があるそうです。また、当時は天然痘には赤いものを食べると良いと言われていたらしく、赤い小豆を使った赤飯や牡丹餅が作られたそうです。ここにはそうしたことが書かれた書や菓子製法の本などもありました。

<近現代の菓子>
明治時代に入ると欧化政策の影響で洋風の菓子が作られたようです。あんぱんやシベリヤ、バナナの色形をした菓子、花瓶に入った花を模した菓子(今回のポスターにも載ってるやつ)、タイヤキ、今川焼き、あんみつなどもありました。面白かったのが、「ゴルフもなか」というゴルフボールそのもののような現代の菓子までありました。

<戦争と菓子>
第二次世界大戦の頃は戦場に慰問品としてお菓子が送られていたそうです。その一方、日常では食料が統制され、菓子作りに使う金属も回収されるなど、菓子文化にとっても厳しい時代だったようです。ここには爆弾三勇士という爆弾を抱えた人が彫られたタイヤキの型のようなものや、旭日旗と爆弾が描かれた菓子など、菓子まで戦争をモチーフにしたものとなっているようでした。

<戦後の復興と菓子>
戦後は闇市でも菓子はわずかだったそうですが、昭和27年に砂糖の統制が解除されると再び菓子作りが盛んになったそうです。ここには軍用機のジェラルミンを加工して作った菓子型や、漫画の「あんみつ姫」なども並んでいました。

<羊羹のコーナー>
会場の中央辺りには羊羹のコーナーもありました。羊羹の起源は羊肉の料理を模して作った精進料理だったそうで、「点心」の一種のようでした。また、江戸時代の羊羹は重かったらしく重さを再現したものなどもありました。


ということで、身近でありながら歴史を知らなかった和菓子について、よく知ることが出来る内容だったと思います。無料で観られるし、とらやの喫茶もあるので遊びに行ってみるのも面白いと思います。



おまけ:
この日とは別の日(1週間くらい前)ですが、地下の喫茶・虎屋菓寮で1250円もするカキ氷(宇治金時)を食べてきました。隣に置いた500円玉で大きさが想像できるかと思いますが、巨大ですw 食べきれない人にはハーフサイズもあります。
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氷の中にはアンコも入っていて、結構甘くてどっしりした味です。量が多いので食べているうちに寒くなってお茶が恋しくなってきましたw 一昨年も食べましたが、年に1回くらいなら高級カキ氷も話のネタになるんじゃないかな?
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