関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

ゆめやかた(夢館奥州藤原歴史館)の案内 【番外編 岩手】

今日も番外編の岩手旅行です。前回ご紹介した毛越寺の後に、バスで中尊寺に行ったのですが、まずはその敷地内にある「ゆめやかた(夢館奥州藤原歴史館)」というところに行ってきました。ここは日本美術でよく題材となる源義経や、奥州藤原3代についてを蝋人形を見ながら知ることができる施設でした。
公式サイト:http://hiraizumi-yumeyakata.com/



中尊寺の入口付近のお土産屋さんなどが並ぶ一角に入口があります。この入口のチープさを見てちょっと嫌な予感がしましたが、中は意外としっかりしていますw(失礼w)
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エスカレーターで館の前までくるとこんな感じ。
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館内は30分くらいで観られます。写真を撮ってもOKだったので、何枚か写真を使って平泉の歴史と共にご紹介しようかと思います。

と、その前に併設されている食事処で、岩手名産の「前沢牛」を食べました。
 公色サイト:http://hiraizumi-yumeyakata.com/maesawa.html
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これは前沢牛御膳(2100円 要予約) 肉以外は普通のお味でしたが、牛肉が柔らかくて美味しかったです。

腹ごしらえした所で、いざ蝋人形館へ。奥の細道の松尾芭蕉が出迎えてくれますw
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部屋はいくつかに分かれているのですが、まずは「前九年の役」の合戦シーンの再現でした。結構、蝋人形が精巧にできていて迫力があります。
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前九年の役はこの辺りを統治していた安倍頼時と鎮守府将軍の源頼義との間で1051年に始まった戦争で、出羽の豪族の清原武則が加勢したことで政府側の源頼義の勝利となりました。この戦いは9年も続いたのだとか。

これは「前九年の役」に出陣する豪族の藤原経清とその家族です。真ん中に抱かれている赤ん坊が三代の栄華を築く、藤原清衡です。
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藤原経清は最初、源頼義についていました。彼の妻は安倍頼時の娘なので、両者の板ばさみ的な感じかもしれません。やがて源頼義を裏切って安倍頼時についてしまいました…。

そしてこれは、前九年の役が終わって敗者となった藤原経清が処刑されるシーンです。
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裏切り者への恨みは深く、わざと鈍刀で苦しみを与えながら斬首したのだとか。

この頃、父も母も敗者側となり当時7歳の藤原清衡は大ピンチだったわけですが、母が勝者側の清原武則(加勢した人)の嫡男に再婚することになり生き延びることができました。その後、清衡は義父の下で着々と権勢をつけていったそうです。この辺には、先妻の子たちとの複雑な家庭環境を思わせる蝋人形も展示されていました。

前九年の役から20年ほど清原氏が続いていたのですが、その一方で一族内部の不満がたまっていたそうで、清原成衡の婚礼の際に事件が起こります。 婚礼の祝いにと一族の長老である吉彦秀武が訪れた際、清原成衡はまったく目もくれず囲碁をしていて、それに怒った吉彦秀武が献上した砂金をぶちまけて帰ってしまいました。
見事に砂金をぶちまけているシーンも再現されています。
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奥の方でも何するんだこいつ!?って顔をしてるのがリアルで面白いw この事件が発端となって、「後三年の役」という戦争に突入することになります…。
この辺のエピソードは去年、世田谷美術館の平泉展で観たかも。
 参考記事:平泉~みちのくの浄土~ 世界遺産登録をめざして (世田谷美術館)

もうこの辺は誰がどちら側なのかごっちゃごちゃで分かりづらいのですが、清衡も戦いに巻き込まれてしまいます。
これは一時停戦後の所領配分でもめて清衡が闇討ちされているシーンです。
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橋の下に隠れているのが清衡です。この後も後三年の役の戦のシーンなどの展示がありました。

そして結局、最後には清衡は後三年の役で勝者側となりました。祝宴のシーンとかもあったのですが、ご馳走でもあまり美味しくなさそうw (そのせいか、この頃は平均寿命は40歳程度、平均身長も150cmくらいだったそうです。)

戦の後、清衡は舟運の良い平泉にやってきて新しい街づくりを始め、戦で死んだ人たちの霊を弔うために、豪華な寺社(中尊寺や毛越寺)も建てられました。
この辺には模型や住まいの見取り図などがありました。
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これは中尊寺の大伽藍の落慶法要の様子。手前には初代の清衡、2代基衡、3代秀衡が座っています。
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やがて3代秀衡は陸奥守に任ぜられて東北の最高権力者となりました。この辺が藤原三代の栄華のピークかも…。

一方この頃、「平治の乱」で平清盛に敗れた源義朝の子、源義経が金売吉次という人物に連れられて、平泉に逃げ延びてきました。
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義経は16歳から21歳まで平泉に留まり、平家打倒に燃えていたようです。

この辺には西行法師や無量光院に関する展示もありました。

その後はご存知の通り、源平合戦が繰り広げられます。これは壇ノ浦の戦いの「八艘飛び」と呼ばれるシーンで、義経がぴょんぴょんと船を飛んで渡っていく様子です。
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結構、迫力があって面白いです。弁慶も一緒にジャンプしとるw

平家を倒した後、京でちやほやされた義経ですが、それが原因で兄の頼朝と確執が生まれ、やがて追われる身になります。 そしてこれは能の「安宅」や歌舞伎の「勧進帳」で有名な安宅関でのシーンです。
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関守に、平泉に落ち延びる義経一行だろ?と怪しまれた際、弁慶が持っていた巻物を「勧進帳」(寄付を集めて旅してますという証拠)と言って架空の内容を読み上げ、通行の許可を貰うのですが、義経は義経に似ていると言われ阻まれます。その時、おまえがノロマだから疑われるんだ!的な感じで弁慶が義経をガンガン杖で殴って、関守も間違いだから止めてやれと事無きを得ました。(…この話は昔の人は大好きだったようで、美術品でもよく見かけますね。)

と、そんなこんなで何とか平泉まで来て庇護を受けたのですが、それも束の間、かばってくれた秀衡が死んでしまいました。タイミング悪すぎです。
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その後、源頼朝から義経を討てと圧力をかけられて、4代泰衡はそれに屈して義経を討伐します。これは泰衡の軍に襲撃され、義経を守り立ったまま討ち死にしたと言われる弁慶の立ち往生のシーン。
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結局、義経は自害に追いやられたのですが、平泉にとっての悲劇はこの後です。泰衡は義経をかばったとして鎌倉の軍に攻めいれられ、奥州藤原氏はここで滅んでしまいました。

…と、こんな感じで平泉だけでなく東北地方の歴史について詳しく知ることが出来ました。 リアルな蝋人形があるので凄く分かりやすかったです。ほとんど貸切状態で観られたのが勿体無いくらいかもw 中尊寺に行く機会があったら、ここに訪れてみると理解が深まって面白いかと思います。最後には謎のホログラムのコーナーもあります。

この後、中尊寺の金色堂などに行ってきました。


 参考記事:
 2010年
  毛越寺の写真 (番外編 岩手)
  ゆめやかた(夢館奥州藤原歴史館)の案内 (番外編 岩手)
  中尊寺の写真 (番外編 岩手)
  鹿踊りと花巻周辺の写真 (番外編 岩手)
  岩手県立美術館の案内 (番外編 岩手)
  東屋 (盛岡界隈のお店)

 2011年
  猊鼻渓(げいびけい)の写真 (番外編 岩手)
  藤原の郷(ふじわらのさと)の写真 (番外編 岩手)
  遠野の写真 (番外編 岩手)
  萬鉄五郎記念美術館の案内 (番外編 岩手)
  盛岡の写真 (番外編 岩手)
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