関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

ダ・ヴィンチ ~モナ・リザ25の秘密~ 【日比谷公園ダ・ヴィンチミュージアム】

三菱一号館の近くでお茶した後、延々と歩いて日比谷公園に向かい、期間限定で作られている日比谷公園ダ・ヴィンチミュージアム(日比谷公園第二花壇内特設会場)で「特別展 ダ・ヴィンチ ~モナ・リザ25の秘密~」を観てきました。

P1160947.jpg

【展覧名】
 特別展 ダ・ヴィンチ ~モナ・リザ25の秘密~

【公式サイト】
 http://www.davinci-japan.com/

【会場】
 日比谷公園ダ・ヴィンチミュージアム(日比谷公園第二花壇内特設会場)

【最寄】
 日比谷駅、霞ヶ関駅、有楽町駅、内幸町駅など



【会期】
 2010年12月7日(火)~2011年2月20日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(平日17時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
↓会場はこんな感じで、仮設テントみたいな会場となっています。この日は寒い日でしたが中は暖かかったです。
P1160949.jpg

平日の17時頃に行ったらガラ空きで自分のペースで好きなように見て周ることができました。公式サイトを観たら、その時間帯が一番空いているようです。(混雑を警戒している感じもするので、もしかしたら休日は混雑している展覧会なのかもしれません。 …ちなみに、途中で座るところはなかったように思います。混んでると結構疲れそうです)

さて、この度の展示ですが、これはダヴィンチの母国イタリアでも開催された展覧会で、内容としては彼の残した作品の謎についてや、発明品の再現などが中心で、ダヴィンチが直接作成した作品を期待するのは見当違いとなります。 以前、森アーツセンターであったダヴィンチ展や「受胎告知」が来たときの東博の展覧会からダヴィンチの作品を抜いたような感じかなw あまりメモは取らなかったのですが、中にはこんなものまで発明していたのか?!と驚くものもあったので、ざっくりと会場の雰囲気だけでもご紹介しようと思います。公式サイトでは海外での展示の様子が観られますので、これでイメージして頂ければと思います。
 参考リンク:公式サイトの「海外開催の模様」(flash) 

まず最初にレオナルド・ダ・ヴィンチについて軽く紹介すると、彼は1452年にイタリアのトスカーナにあるヴィンチ村に、公証人の息子として生まれました。しかし彼は私生児だったため、父のあとを継ぐことはできなかったそうです。また、正当な教育も受けていなかったようで、当時の学問の中心だったラテン語は自力で学んでいったようです。その後、恐らく14~16歳頃にアンドレア・デル・ヴェロッキオの工房に弟子入りし、ボッティチェッリらと共に絵を学び、画家の組合に登録されます。その後は絵画のみならず軍事顧問や技術者、医学など様々な仕事をしていくわけですが、それについては後述していきます。
 参考リンク:レオナルド・ダ・ヴィンチのwikipedia 

会場に入ると、モナ・リザ風の黒柳徹子が出迎えてくれます。絵のように見えますが、動いて話しかけてくるのでちょっと驚き。
こんな感じです。→公式サイトの徹子モナ・リザ
・・・結構音が大きいので、中に入ると五月蝿くてうざったいですw (というか黒柳徹子が大嫌いなので、解説機でもモゴモゴ話すのが嫌で仕方なかったw)

中に進むと最初にいくつか手記があり、「最後の晩餐」の準備段階のポーズに関するメモなどがあります(本物かは不明) こうした手記やアイディアスケッチなどを元に今回の展示物は再現されているのですが、ご存知の通りダヴィンチは「鏡文字」という反転した文字を書いていたり、当時のフィレンツェの方言が使われているので、それを理解して再現するのは大変なことのようでした。

手記の後はダヴィンチの発明を再現したコーナーが続きます。まずは空を飛ぶための発明で、飛行機、風力計、エアスクリュー(ヘリコプターみたいな)、パラシュート、翼、風向き計、葉っぱみたいなハンググライダー?、立ち乗り飛行機などがありました。 フォルムとしては現代の飛行機に通じるものを感じますが、人力でどうにか飛ぼうとしていたので実現は無理だったようです。ペダルや全身を使う仕掛けのもあり、ここまで考えていたのかと驚きました。

空飛ぶ発明の次は土木機械のコーナーでした。ダヴィンチは多くの土木建築工事に携わり、どうすれば効率的か絶えず追求していたようです。彼は力は4つの要素(重さ、動力、運動、衝撃)によって成り立っていると考えていたとのことで、それを活かした発明が並んでいます。ドリルやクランクケース、ボールベアリング、ハンマーで叩く装置、ジャッキ、クランクを使った台車などがあり、触って動かすことができる品もいくつかあります。このコーナーで特に驚いたのは「自走車」という歯車で出来た自動車のようなもので、ゼンマイとバネの力で進む装置だそうです。これは舞台装置として作られ、一定の距離しか走らないそうですがギアやブレーキまであるのには驚愕でした。

その後は様々な分野の研究品が並んでいました。ダヴィンチが考える理想都市の模型では、重層構造にして水路や道、住宅や煙突などを効果的に配置し、現在にも通じるような合理性がありました。こうした都市を考えていた背景には、当時非常に不衛生でペストが大流行した事があるようです。
他にはロボットのようなもの(歯車が並んだ人形に西洋の鎧を覆う仕組み)があり、こちらはNASAも参考にしたほど精巧なもののようです。また、その近くにあった自転車の模型はフェイクで、以前はダヴィンチのメモと思われていたけれど、20世紀後半に描かれたものであったという解説がありました。こちらはあまりに現代的でいかにも怪しい感じでしたw

その後は絵やスケッチの並ぶコーナーです。まず、人体の解剖図の拡大コピーが並んでいました。胎児や内臓、性器、骨、血管など非常に細かく正確に描かれていて、ちょうど1年くらい前に本物を観たのを思い出しました。
 参考記事:医学と芸術展:生命(いのち)と愛の未来を探る (森美術館)

この辺でだいたい半分くらいで、部屋の中央に巨大なモナ・リザのコピーがあり、各部を拡大した25の秘密を提示していますが、ここにはまだ詳しい解説はありません。また、壁にはダヴィンチの絵画作品の写真が並んでいました。スケッチやメモなどは6000点程度残っているそうですが、絵画作品は模写を含めて25点しか伝わっていないと紹介されていました。 …そういや去年お台場にも来た「ラロックの聖母」の話は続報を聞かないですが、本物なんでしょうかね…。
 参考記事:番外編 大江戸温泉と夜景 お台場

さて、半分を過ぎた辺りが今回のメインテーマのモナ・リザの秘密に関する展示です。ここには超解像度の写真が並び、この写真によって判明したことや、今とは違う当時のモナ・リザを復元した写真などが展示されています。モナ・リザは描かれて500年ほど経過していますが、その間に変色してしまったようで、修復しようにも貴重すぎる上に非常に難しい作業となるため、行われていないそうです。(透明に近い絵の具を幾重にも重ねる「スフマート法」という技法が使われているので、ニスを取り除くのは危険なのだとか)
 当時の再現を観ると、空はラピスラズリの淡い青、頬はバラ色、背景は山が青みがかった色をしていました。ダヴィンチは大気を通してみると全て青みがかっていると考えていたため、このようにしたそうです。また、今のモナ・リザにはまつ毛も眉毛も無いのですが、かつては存在していたようで、無くなった理由として、①下塗りに溶け込んだ、②顔料と共に透明化した、③ニスの除去の時に誤って消されたという3つの説が紹介されていました。
他にはモナ・リザの精巧なレプリカ(額縁無しで裏面まで見られる)や25の秘密に関する詳細な解説、豆知識などがありました。 いくつかエピソードをご紹介すると、目頭と顎にイボみたいなものがありますが、これはナポレオンが浴室に飾っていた時についた水滴の跡ではないか?という話、1911年の盗難事件でピカソにも容疑が向けられた話、1950年代に石を投げつけられたり酸をかけられた話、19世紀半ばまではここまで有名ではなく、象徴主義の画家が賞賛して有名になったという話 などなど、モナ・リザに関する多くのエピソードを詳しく知ることができます。盗難事件についてはローランサンなどは人生を変えられてしまったので、この絵はまさに歴史を作ってきたという感じがしますね。
 参考記事:マリー・ローランサンの扇 (川村記念美術館)

モナ・リザのコーナーを抜けると、再び発明品のコーナーとなります。まずは楽器が並んでいて、自動演奏式の太鼓、2又に分かれたフルート、ポータブルピアノなどが並んでいます。ダヴィンチはリラの名手でもあったので、音楽に興味関心が強かったようです。

音楽のコーナーの隣には体験コーナーがあり、「ウィトルウィウス的人体図」に自分の体がどのくらい近いか(黄金比と言われる理想形に近いか)を測定する装置がありました。私も早速チャレンジして腰にベルトを巻いて手を広げて測定してもらいました。結果は1.601くらいの比率だったので、黄金比の1.618に結構近くてシルバー判定でした。中々シルバーは出ないらしいので、ちょっと嬉しいw
 参考リンク:
  ウィトルウィウス的人体図のwikipedia
  黄金比のwikipedia

体験コーナーの隣には水に関する発明品が並んでいます。ダヴィンチは子供の頃に水害に見舞われたそうで、それが一種のトラウマのようになり、水に対する備えを発明していたようです。緊急用の橋、水かき、浮き輪、水上歩行のスキーのようなもの、2重の船底の船のアイディアなどがあり、2重底は現代のタンカーにも通じる構造だそうです。また、このコーナーで一番の驚きは潜水服みたいなもので、これは戦争のときに敵の船に忍び寄って破壊工作をするためのものだったようですが、当時の人には理解できずに却下されたそうです。これは時代を超越しすぎだったのかもw

水のコーナーの隣は軍事のコーナーです。(ここの品々のいくつかはディスカバリーチャンネルの番組で観たような気がするw) ダヴィンチは軍事顧問をやっていたこともあり、ここの発明品は特に面白いです。扇状に沢山の銃を並べた「多銃身砲」や、火薬でなく蒸気で発射する「蒸気砲」、空気抵抗を考慮した「尖頭弾」の弾丸スケッチ、移動要塞や投石器など、現代の武器のようなものがあります。中でも特に目を引くのがUFOみたいな装甲車で、外部を装甲と沢山の砲身で覆い、中に入ってどちらにでも移動できるという優れものです。…ただ、めっちゃ重くて思うように動かないようですがw ここのコーナーは私的には一番面白いコーナーでした。
 参考リンク:ダヴィンチに挑戦(ディスカバリーチャンネルの番組)

そしてこの展覧会の最後を飾るのは「最後の晩餐」の実物大の映像です。私は実物を観たことが無いので、460cm×880cmの大きさに驚きました。かなりでかいです。流石に本物とは比較できませんが、興味深かったので細部までしばらく鑑賞してました。


ということで、エンターテインメントとしての展覧会といった感じでした。実際の作品も無いのに1800円か…とちょっとケチなことも頭によぎったりもしましたが、あまり堅苦しいことを考えずにテーマパーク的に考えれば楽しい展示かと思います。グッズなども充実しているようでした。

おまけ:
 先日、モナリザの瞳に文字が書いてある!なんてニュースがありました。この展覧会では特に言及していませんでしたが、イニシャルが書かれているという説があるそうです。 …眉唾な感じがしてなりませんが、これだけ世の中の関心を引く絵は滅多にないことだけは確かですね。
 参考リンク:リアルのダ・ヴィンチ・コード発見! 暗号はモナ・リザの瞳の中にあった
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