関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

【秩父宮記念スポーツ博物館】の案内

前回ご紹介した聖徳記念絵画館の展示を見た後、少し離れた国立競技場の中にある秩父宮記念スポーツ博物館を観てきました。

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【公式サイト】
 http://naash.go.jp/muse/

【会場】秩父宮記念スポーツ博物館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】国立競技場駅、信濃町駅、千駄ヶ谷駅、青山一丁目駅、外苑前駅など


【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
閉館まで30分しかなかったこともあり、ほとんど貸切状態でした。かなり足早に鑑賞してきましたw

さて、ここは言わずと知れた国立競技場の一角にある博物館です。東京オリンピックの会場だったこともあり、とりわけオリンピックに関する品が多く、その歴史や過去の大会に関する品が並んでいます。また、日本のスポーツそのものの歴史をテーマにした展示もありました。いくつかの章になっていたので、ざっと章ごとにご紹介しようと思います。

まず最初に国立競技場の中を見学してきました。受付をすれば一部だけ入ることができます。…まあ、何度か来たことがあるので、特に新たに感じる所は無かったのですが、初めて来た人はその広さを堪能できると思います。 この日はカンカン照りだったのですが、競技場は遮蔽物が少ないのでずっと日差を受けることになり、3分くらいで撤退しましたw

<オリンピックと日本(古代~トリノオリンピック)>
博物館に戻って、最初はオリンピックのコーナーです。1階には何度かご紹介した東京オリンピックのポスター(★こちらで観られます)なども展示されていました。
 参考記事:
  国立歴史民俗博物館[れきはく]の案内  (2011年02月後編)
  江戸東京博物館の案内 (2011年06月)

2階に上がると、古代オリンピックのコーナーです。オリンピア遺跡の復元模型や、ホッケーのようなゲームをする人々を描いたレリーフ(複製)、競技者の像(複製)が並びます。(★こちらで観られます) また、徒競走、円盤投げ、幅跳び、やり投げ、レスリング、ボクシング、パンクラチオンなどが描かれた遺物などもあり、当時の様子を知ることができます。中にはストリギスという汗取りヘラもあり、古代ギリシアは全裸にオリーブオイルを塗って競技をしたことが説明されていました。このヘラで競技後に汗と油を取っていたようです。
ちなみに私はこの展示を観た次の日に西洋美術館の古代ギリシャ展に行ったので、ちょっとした予習になりましたw
 参考記事:
  大英博物館 古代ギリシャ展 究極の身体、完全なる美 感想前編(国立西洋美術館)
  大英博物館 古代ギリシャ展 究極の身体、完全なる美 感想後編(国立西洋美術館)


少し進むと、近代オリンピック誕生のコーナーです。近代オリンピックは、フランス人のピエール・ド・クーベルタンがイギリスに遊学した際に、教育にスポーツが取り入れられていたことに感動したのがきっかけとなり生まれました。当時のフランスはプロシアとの戦争に負けて疲弊していたため、フランス青年の心身の教育が必要と考えたようで、スポーツが世界平和の近道であると確信したそうです。そして、その頃行われていた古代ギリシャ遺跡の発掘が進んだことも影響して、1894年にパリでオリンピック復興宣言に至り、1896年のアテネオリンピックの開催へと繋がって行きました。
 参考リンク:ピエール・ド・クーベルタンのWikipedia

この辺には1936年の大会からの聖火のトーチ(聖火リレーの時に持って走るやつ)や各大会の日本のデレゲーションユニフォーム(開会式の時に着ている服)が並んでいます。あまり間近で見る機会がないトーチですが、最近のトーチは流線型で未来的な雰囲気でかっこ良かったです。


この部屋の奥には近代オリンピックの歩みについてのコーナーもあります。第1回は1896年のアテネ大会ですが、日本は1912年の第5回のストックホルム大会から参加したようです。冬季オリンピックも1924年のシャモニー・モンブラン大会から開始されていたのですが、その前年に関東大震災があったため日本は参加せずに1928年第2回のサンモリッツ大会から参加しています。また、世界大戦の為に第6回ベルリン(1916)、第12回東京(1940)、第13回ロンドン(1944)は開催されなかったようです。予想以上に世相に左右されているんですね。
この辺はオリンピック関連の品々(★こちらで観られます)のコーナーで、初参加のストックホルム大会のスパイクやユニフォーム、馬の鞍、1936年ベルリン大会で使われた鞍馬、東京オリンピックのユニフォームとボールでなどが並んでいます。最近の品だと2008年北京のバドミントンのオグシオコンビのユニフォーム(予備用)などもあって、たまに知ってる名前があると興味がわきます。 しかし、私が一番目を引いたのが、歴代大会のマスコットキャラのぬいぐるみ! こんなやついたなーと結構思い出せるのですが、中でも1984年ロサンゼルスの「イーグルサム」などは子供の時大好きでした。…って年がバレますねw ちょっとした郷愁を誘われました。

この辺には映画「オリンピア」を流しているTVなどもあり、その後ろは各大会のメダルのコーナーです。(★こちらで観られます)
第1回アテネの参加メダルや、日本初のメダル、各国大会のメダルなどが並び、中には1988年の鈴木大地選手の金メダルなども展示されていました。また、東京オリンピックのメダルをデザインしていたのは岡本太郎だったようで、オタマジャクシのような紋様が彫られた、岡本太郎らしい作風でした。
 参考記事:生誕100年 岡本太郎展 (東京国立近代美術館)

この章の最後は、日本で開催された3つのオリンピックに関する展示でした。1964年東京、1972年札幌、1998年長野の3つです。こちらもユニフォームやメダル、ポスターなどが展示されています。


<草分け時代のスポーツ・花開くスポーツ(明治初期~昭和前期) ― 戦争によって、ゆがめられたスポーツ ―>
続いては日本のスポーツ史に関するコーナーです。この辺からはかなり急ぎで観たのであまりメモを取っていないのですが、明治から大正にかけて欧米の様々なスポーツを摂取した様子が分かる内容となっています。ラケットや野球道具、昔の写真などが並んでいて、特に面白かったのはゴム底になった足袋でした。当時の日本にあるもので代用したんでしょうね、時代を感じます。(★こちらで観られます


<戦後のスポーツ復興(戦後~現在)>
少し進むと戦後のコーナーです。戦後はスポーツがより重要な存在となり、敗戦に沈む人々に希望を与え、国際的復活の象徴となりました。ここには当時の写真やトロフィー、参加証、ユニフォーム、旗、メダル、ボール、バボちゃんのぬいぐるみなどが並んでいます。まあ、ここは観てもあんまりピンとこないかなw ちょっと変わったものでは、東京オリンピックに向けて練習に使った「電気走調機ペースメーカー」というマシンがありました。これは競技場のトラックにレールを敷いてその上に走る装置で、世界記録と同じペースで回っていく機械のようでした。受信機でコーチの指示も出せるらしいので、結構練習になりそうでした。


<スポーツ芸術>
ここはブロンズ像やオリンピックの様子を描いた絵画のコーナーです。とは言え、あまり心に響く作品も無かったので割愛w


<明治神宮大会>
ここは戦前・戦中に、国立競技場の前身である明治神宮競技場で開催されていた明治神宮大会(現在の国体にあたるスポーツ大会)に関する資料のコーナーです。賞状みたいなのがあったかな。ここも特に観ても感じるものはなかったので割愛。


<日本の古いスポーツ(明治時代以前)>
ここは日本の伝統文化をスポーツに取り入れたコーナーです。力石という重量挙げのような物や、剣術、蹴鞠をする人形、弓、流鏑馬(やぶさめ)の人形などが展示されています。スポーツというか蹴鞠以外はどれも武道なんじゃ…w 


<冬のスポーツ>
こちらは前章と同じ部屋のコーナーです(この辺は章の区切りが細かいw) 大正時代のそりや竹で作ったスキー、下駄に刃を付けたスケート靴などが並んでいます。…足袋もそうでしたが、日本の有り物で西洋の道具を作る発想は面白いです。 下駄のスケートとか、地面を蹴ったら脱げないのか心配ですw


<秩父宮殿下遺品室>
最後はこの施設の名前にもついている秩父宮殿下(昭和天皇の弟)の遺品が並ぶコーナーです。スポーツの宮様と呼ばれるほどスポーツがお好きだったようで、スキーや剣道、登山の道具などが並んでいました。
 参考リンク:秩父宮殿下のWikipedia


ということで、スポーツの歴史(特にオリンピック)について大まかに知ることができました。つい最近には、サッカーのなでしこジャパンが女子ワールドカップで優勝したニュースがありましたが、昔から復興期にはこうした明るい話題が世の中を牽引していたのが分かります。今後も日本のスポーツ界に期待したいところです。

おまけ:
入口にあるファルピ・ヴィニョーリの「御者の像」 馬がいないとちょっと変な感じですw
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■2011/11/21
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■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
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■2009/10/28
Yahoo!カテゴリーに登録されました
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