関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

【埼玉県立歴史と民俗の博物館】の案内 (2011年11月)

昨日時間がなかったのでご紹介が前後しましたが、埼玉県立歴史と民俗の博物館の中でランチを摂った後、常設展も観てきました。簡単にメモを取ってきましたのでご紹介しようと思います。

PB191796.jpg

【公式サイト】
 http://www.saitama-rekimin.spec.ed.jp/?page_id=60

【会場】埼玉県立歴史と民俗の博物館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】大宮公園駅、北大宮駅、大宮駅など


【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていてゆっくり観ることが出来ました。

さて、ここの常設展は博物館の名前通り、歴史と民俗について取り上げていて、特に埼玉県の歴史について詳しく知ることが出来ました。時代ごとに章が分かれていましたので、詳しくは章ごとにご紹介しようと思います。


<旧石器~弥生時代>
まずは石器時代~弥生時代の頃のコーナーです。
入口辺りには原人や旧人などの頭蓋骨や石器などがあり、少し進むと縄文時代の磨石や斧などもあります。また、小舟に乗って海で漁をする様子を描いた絵があり、丸木舟なども置いてありました。
さらに進むと貝塚の再現、弓やスコップ、木皿などがあり当時の生活の様子が伝わってきます。興味深かったのが信仰に関するコーナーで、膝を折り曲げて埋葬される様子や沢山の土偶(遮光器土偶のようなものも)、男性器を思わせる石棒などがあります。

そして、この章には何と漆器のコーナーもあります。この時代に漆が!とかなり驚きました。漆器ってそんなに昔からあったのですね…。

他にはおなじみの縄文土器もあり、6つの時代に区分されると説明されていました。最初は簡素ですが徐々に大型化・装飾化されていくように見えます。この章の最後辺りは弥生式土器や青銅の剣などもありました。。


<古墳時代>
続いては4世紀頃の古墳時代のコーナーです。この頃の武蔵地方は既に畿内地方の影響を受けていたそうで、それを感じさせる品も展示されています。

ここには農具や壺、埴輪、銅鏡などが並びます。埼玉県にも埼玉(さきたま)古墳群のように豪族が現れたそうですが、武人として大和政権に仕えていたようです。国宝の鉄剣の複製品などもあり、当時この辺りが栄えていたことを知ることができます。また、古墳の石室の再現は本格的でした。


<奈良~南北朝時代>
続いては奈良~南北朝時代のコーナーです。律令制度で体制が整えられ、武蔵国と呼ばれたそうですが、律令崩壊後は武蔵武士の集団が生まれ鎌倉幕府の成立に貢献したようです。
ここには瓦堂という小さな塔の模型のようなものがあり、これは寺院を建立するとお金がかかるので、この模型を信仰の対象としたそうです。結構精巧にできています。
他には須恵器や、平将門の乱や前九年・後三年の役の説明、それに関する書物の模本などがありました。
 参考記事:
  ゆめやかた(夢館奥州藤原歴史館)の案内 (番外編 岩手)
  平泉~みちのくの浄土~ 世界遺産登録をめざして (世田谷美術館)

少し進むと武蔵武士の日常を描いたもの(模本)や遺跡からの出土品(箸とか草履などの日用品)、鎧、刀、写経、仏像などがあり、生活や信仰の様子が分かります。武蔵武士は普段は農業をしながら武芸の鍛錬をしていたそうで、質素で慎ましい生活だったようです。
この章の最後の方には源頼朝の像や後醍醐天皇の綸旨などの模造品もあります。


<美術展示室>
続いてのコーナーは美術品を展示するコーナーでした。私が観た時は歌川国芳の作品が10点ほど並んでいました。観たことがないものもあったので参考になりました。(前期・後期があり、私が観たのは前期です)

【会期】
 前期:2011年10月25日~11月20日
 後期:2011年11月22日~12月21日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

 参考記事:
  破天荒の浮世絵師 歌川国芳 前期:豪傑なる武者と妖怪 (太田記念美術館)
  破天荒の浮世絵師 歌川国芳 後期:遊び心と西洋の風 感想前編(太田記念美術館)
  破天荒の浮世絵師 歌川国芳 後期:遊び心と西洋の風 感想後編(太田記念美術館)
  歌川国芳-奇と笑いの木版画 (府中市美術館)

歌川国芳 「浮世又平名画奇特」
江戸時代の絵師である岩佐又兵衛が筆を持って座り、その周りを弁慶や鬼、大黒、雷、鷹匠、藤娘 等などが沸き立つように描かれている作品です。これは岩佐又兵衛が描いた大津絵の中から登場人物たちが踊りだすという奇譚を描いているようで、踊っている鷹匠と藤娘が13代将軍の家定と大奥の藤枝を思わせるとして大いに評判となったそうです。しかし取締の対象となって罰金を課されたのだとか。国芳らしい批判精神を感じました。

この辺には「二十四孝童子鏡 董永(とうえい)」(天女を向かい入れる様子を描いた西洋銅版画を元にした作品)などもありました。

歌川国芳 「木曽街道六十九次之内 浦和 魚屋団七」
木曽街道の宿場を描いたシリーズの1つで、この博物館にほど近い浦和を題材にしています。歌舞伎の「夏祭浪花鑑」にも取材しているようで、これは七段目「長町裏」で魚屋の団七が殺しをする話で、浦和の「浦」と長町裏の「裏」をかけているようです。絵自体は桶のようなもので水を被る刺青の男と、周りに池のような風景、左上には浦和らしき坂道のある宿が描かれていました。この近くには同じく埼玉の蕨(わらび)の絵もあり、こちらは「藁火」として藁を燃やす絵となっていました。語呂合わせが面白いですが、浦和の方は解説がないとわからないですw

歌川国芳 「観世音霊験一ッ家の旧事」
3枚セットの作品で、中央に上半身が裸の鬼のような老婆が描かれ、手に包丁を持っています。左ではその娘が必死に老婆の着物を捕まえて止めているようです。右には旅人の女性が座っていて、実はこれは観音様で、光背を背負っていました。老婆が旅人から金品を取ろうとしたのを娘が止めて身代わりとなり、老婆は後悔して身を投げるというストーリーだそうで、鬼気迫るものがありました。背景には広い池や沢山の松のシルエットがあり、その後の物語を感じさせます。中々恐ろしい絵でした。


<室町~戦国時代>
続いては室町から戦国のコーナーで、ここには甲冑や書状、太田道灌の軍配の複製や地図などがありました。複製が多いかな。職人尽屏風(複製)などもありました。
 参考記事:東京時代まつり行列歴史絵巻


<板 碑>
階段を下ると、吹き抜けに大きな石碑などがあり驚きました。これは鎌倉から戦国時代に作られた供養の為のものだそうで、関東に40000基ほど、埼玉には27000基ほどあるそうです。結構巨大で、5.4mもあるオベリスクのような形のものもありました(複製) 中には南無阿弥陀仏などのお経が描かれたものや地蔵などもあります。こんな文化があったとは知りませんでした。


<江戸時代Ⅰ>
続いては江戸時代のコーナーです。ここには多様なものがあったのですが、供養塔、寺子屋の道具、和算書、渾天儀という天体の位置を探る道具、幕府の宗教制作関連の展示、庶民の旅(伊勢参りなど)に関する展示、関所の模型、生類憐れみの令を伝える高札(街頭に立てられた木の伝言板)などがあります。また、江戸時代の川越城のミニチュアがあり、現在の埼玉県にあった川越藩や岩槻藩に関する品もありました。川越城は城と言っても天守閣がないので屋敷かと思いました。


<江戸時代Ⅱ>
引き続き江戸時代の展示です。ここにはさいたま市を通る見沼代用水の灌漑による展示がありました。この水路は「通船堀」という水位を変えて通行するシステムが採用された高度なもので、通行する様子を模型とアニメーションで説明していました。 近くには船や蔵の模型もあり、最後は黒船関連の展示と、当時の埼玉の様子が紹介されていました。


<明治時代~現代>
ここには埼玉の偉人に関する展示があり、まずは久喜市出身の本多静六という人物の偉業を紹介していました。奨学金制度を作ったり、国立公園や国定公園の造設に寄与したらしく、その姿や身の回りの品があります。
また、さいたま市出身の斎藤祐美(ゆうび)という人物も紹介されていて、この人は荒川の治水に尽力したそうでした。

少し進むと埼玉の明治から昭和にかけての品々が紹介されていて、川口の鋳物や春日部の桐細工や製糸業などに関する展示があります。また、埼玉県が生まれるまでの成立の変遷や、自由民権運動が展開された様子、日清日露戦争、大正デモクラシー、世界恐慌、第2次世界大戦などの頃の埼玉県についても紹介されていて、不発弾なども展示されています。

戦後のコーナーでは水害や埼玉国体、さいたま博などの紹介があり、「サイターマン」とう球体の頭のマスコットなども展示されています。ちょっと可愛いかもw 他にはちゃぶ台や古い白黒テレビ、扇風機、冷蔵庫などもあってお茶の間のようになっていました。

この章の最後には埼玉スタジアムや本庄早稲田駅、越谷レイクタウンなど最近の埼玉県の代表的な施設の写真がありました。2001年~2010年に合併した市区町村の地図などもあります。


<民俗展示室>
最後は民俗に関する展示です。
まずは民間信仰や子供に関するコーナーで、安産祈願や出産に使われたもの、昔の子供の行事や子供用の着物、羽子板、鯉のぼり、飾り鞍などがありました。少し進むと、婚約や祝儀の儀式に使う道具、葬式の道具などがあり、神輿のような棺桶までありました。一番最後には昭和と平成のお茶の間の再現があり、電化・西洋化されてきている様子がわかります。


ということで、武蔵野と埼玉の歴史について知ることが出来る展示となっていました。特に巨大な石碑は驚きです。結構ボリュームもありますので、この辺に行く機会があったら寄ってみると面白いと思います。
そして、この後に前回ご紹介した公園を通って帰りました。

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■2011/11/21
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■2011/9/29
「週刊文春 10月6日号」に掲載されました
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■2009/10/28
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