関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

種子のデザイン‐旅するかたち‐ 展 Seed Design 【INAXギャラリー】

前回ご紹介した旧新橋停車場 鉄道歴史展示室の展示を観た後、京橋まで移動してINAXギャラリーで「種子のデザイン‐旅するかたち‐ 展 Seed Design Seed Design--Shapes for Traveling」を観てきました。

PC272600.jpg

【展覧名】
 種子のデザイン‐旅するかたち‐ 展 Seed Design
Seed Design--Shapes for Traveling

【公式サイト】
 http://inax.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_001949.html

【会場】INAXギャラリー  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町

【会期】2011年12月1日(木)~2012年2月25日(土)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(平日16時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
年末の平日(しかも閉館直前)に行ったこともあり、空いていて快適に観ることができました。

さて、今回の展示は種子や果実の形を通して種子を撒くための様々な工夫を紹介する内容で、「種子散布生態学」というものの一端を知ることができる展覧となっています。普段あまり植物の種について考えたことも無かったのですが、植物は様々な方法で種を適切な場所に運んでいるようです。ここではその方法ごとに標本が展示されていましたので、それに沿ってご紹介しようと思います

<風>
まず入口付近は風に飛ばされて飛ぶタイプの種子についてのコーナーです。松ぼっくりがいくつか並んでいて、様々な形をしています。解説によると松ぼっくりの鱗片は松かさというそうで、湿度が高いと閉じ、乾燥すると開くようになっています。種子には薄い羽がついていて、それを使って飛んでいくそうで、翼は松かさの鱗の表面が剥がれたもののようです。私は松ぼっくりは種そのものかと思っていましたので、飛んで行くというのにちょっと驚き。(知らなすぎなだけかもしれませんがw)
他にも薄い殻の翼のようなものがついた、キリ、ソリザヤノキ、ウバユリ、アカマツなど30種類くらいの種や、ワタ、キワタ、カポックなどの綿状の種子などもありました。また、特に面白かったのはスカフィウムというアオギリの仲間で、ボート型の大きな羽をつけて舳先の種子を重心として回転して舞うようでした。


<火>
続いては火によって散布される種子のコーナーです。火なんて種が燃えるだけだろ…と思ったのですが、世界には山火事になるまで待つ変わり者がいるようです。オーストラリアのように自然に山火事になるところでは、ハケアやバンクシアという種類の植物があり、堅い2枚貝のような形の中に種子が入っていて、山火事が起きるとその熱によって乾燥しカプセルが開かれ散布される仕組みだそうです。火事のあとは焼け野原が広がるため、空き地が出来て光も十分で、灰の肥料もあることから次世代の育成環境として適しているようです。ここにはハケアがあったのですが、本当に分厚いカスタネットのようで見るからに堅そうでした。
なお、そうした植物がある所では山火事の消火活動もその生態系を知っておく必要もあるそうです。山火事がないといけないというのも難しいものですw


<自力>
続いては自力で種子を散布する種類についてのコーナーです。ピンカド、カラスノエンドウ、フジ、ハッカクなどが並んでいて、例えばカラスノエンドウは乾燥すると捻れて収縮し、中の種子をはじき飛ばすそうです。その為か、ここには螺旋状の形をしている植物が多いようでした。湿度や乾燥というのは種子にとって重要な要素なのかもしれません。

部屋の奥あたりには種子の模型がありました。投げて遊べるのですが、ヘリコプターのように回転しながら落ちる様子を見ることができます。


<水>
部屋の反対側に進むと、水の流れを利用して散布される種類のコーナーです。川や海流の流れに乗る為には浮く必要があるのですが、種子や果実に空気室があったり繊維質・コルク質のように軽い素材となっているようです。また、水に浸かっても良いように防水性なども特徴があるようです。
ここにはココヤシなど堅そうだけど浮かぶ種子が並んでいるのですが、ハスの仲間のように浮かばない種類もありました。蓮は種子の周りに空洞があり、重さとの釣り合いの関係で水底辺りをゆらゆら漂うそうです。水底に根ざすので合理的かも。ちなみに蓮は果床が蜂の巣状であることから、蜂の巣→はす となったのが語源だそうです。


<動物>
奥は動物によって散布される種のコーナーとなっていました。さらにここは2つの種類に分類され、1つは動物に引っ付いて散布されるもの、もう1つは食べられることによって散布されるものです。
まず引っ付くタイプですが、これは一番身近なところではオナモミの類で、棘やフックのような毛を持って動物の体毛に付きやすくなっています。ここにはライオンゴロシという面白い名前の植物もあったのですが、これはゴマ科の植物で全方位に船の錨のような棘を持っています。これが動物の体のどこにでも引っかかるようで、口で取ろうとすると口にくっついてものを食べることができなくなりライオンも苦しむことからこの名前で呼ばれるようでした。他にもキバナツノゴマというとげとげのついた巨大なオナモミみたいなものもありました。
また、食べられるタイプの種子のコーナーにはモンキーポットという壺のような種?やパラダイスナッツの殻、クヌギ、トチノキ、コナラなど見知らぬものから身近なものもまで展示されています。例としてバオバブの巨大な果実?について説明されていたのですが、バオバブには果肉に覆われた種子があり、象や猿が好んで食べるそうです。こうした種子には発芽を抑制する成分があり、動物の体内を経由すると発芽体制となるものもあるようです。そのパートナーが獣か鳥かによっても形や果実の付け方が変わるようでした。

一番奥には映像があり、蝶かグライダーのように舞う種子の映像を流していました。


ということで、予想以上に面白い展示となっていました。植物の進化の多様性に驚かされます。また、この日はこの展示だけでしたが、ここには現代美術の個展とやきものの個展の部屋もありますので、無料で十分に楽しめるかと思います。銀座~京橋に行く機会があったら覗いてみると良いかと思います。


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